地震後の巡回で、屋内消火栓箱に必要なホースやノズルが足りないと分かったら、別の消火栓箱から移して補ってよいのでしょうか。
その場では一箱がそろっても、移動元の消火栓が不足し、設備台帳と実際の配置も食い違います。
消防設備は、別箱からの移し替えで帳尻を合わせず、必要本数と型式、接続、放水性能を点検基準に沿って確認します。
施設担当者は別箱から移し替えず、不足状態を記録し、使用保留と代替消火へつなぎます。
ホースが足りません。
隣の箱から移しますか。
そのままにしてください。
まず写真を残します。
一本だけでも使用保留ですか。
必要本数を満たすまで、
専門家へつなぎます。
- 別の箱からホースを移しません
- 不足した品目と箱番号を触る前に記録します
- 対象消火栓は使用を保留して周知します
- 復旧まで代替消火と巡回を確保します
- 外観と接続と放水性能を確認して復旧を判断します
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目次
地震後に不足した消火栓ホースを別の箱から移してよいのか

結論からいうと不足したホースを施設担当者が別の消火栓箱から移して補ってはいけません。
一箱だけ必要数がそろっても、移動元の箱が不足し、必要な場所で初期消火できないおそれがあります。
発見したら、不足品、残っているホースとノズル、収納位置、消火栓箱、機器番号を撮影します。
そのうえで対象消火栓の使用を保留し、消防設備士や保守会社へ点検を依頼してください。
別箱から移すのもダメなんですね。
せやねん。
両方の箱を守ります。
どのホースとノズルの本数を対象に確認するのか

確認対象は不足した一品だけでなく同じ系統の各消火栓箱とホースとノズルまで含みます。
屋内消火栓には一号消火栓、易操作性一号消火栓、二号消火栓などがあり、ホースの収納方法や操作方法が異なります。
施設台帳や点検票で設備方式と機器番号を確認します。
平たく折り畳む方式とリール方式では、必要なホースの数や構成、接続方法が異なるため、設計図書や点検票と照合します。
- 各消火栓箱に収納すべきホースの必要本数
- ノズルと結合金具を含む必要な構成品
- ホースとノズルと結合金具の型式と適合
- 残存品の変形、損傷、腐食と収納状態
- ホースの接続、延長、収納の操作性
- 消火栓箱の機器番号と設置区画
点検要領では、ホースとノズルを消火栓箱から取り出し、目視や手で状態を確認する手順が示されています。
施設担当者は無理に取り外さず、見える範囲を記録し、方式に応じた点検を専門家へ依頼します。
足りない箱だけ撮ればええですか。
同じ系統も照合しましょう。
必要数を確認します。
発見から使用保留と代替消火までどう進めるのか

不足品と箱番号を記録して対象消火栓を使用保留にし代替消火を確保します。
別箱から移すと移動元が不足し、どの箱に何があるかを示す点検記録も不正確になります。
- 不足品と残存品を動かす前に撮影する
- 階、区画、機器番号、発見時刻を記録する
- 対象消火栓を使用保留として関係者へ周知する
- 同一区画で使える別の消火設備と消火器を確認する
- 必要な巡回と火気使用の制限を決める
- 消防設備士または保守会社へ点検を依頼する
- 所轄消防署へ代替措置と施設運用を相談する
代替消火器は適応火災と配置場所を確認し、避難経路や防火戸を塞がない位置へ置きます。
引継ぎには不足品と箱番号の写真と使用保留の範囲を添えてください。
故障札だけで足りますか。
代わりの消火手段も要ります。
区画全体で補います。
近くの消火栓から移せば足りると思うと何を見落とすのか

適合品を補充しても必要本数と接続と放水性能を確認しなければ復旧とはいえません。
見た目が同じホースでも、長さや呼称、結合金具、ノズルとの適合が異なる可能性があります。
- 移動元の消火栓が新たに不足すること
- 点検票と実際の収納場所が食い違うこと
- ホースの長さや型式が合わないこと
- 結合金具の着脱不良や漏れ
- ノズルとホースの組合せ不良
- 不足に至った盗難、持出し、収納忘れの再発
補充するホースやノズルの型式と数量は、設計図書と専門点検の結果に基づいて決めます。
復旧時は外観だけで終えず、接続と放水性能まで専門家が確認します。
一本足せば復旧ですか。
補充だけで終わりません。
接続と放水を確認します。
明日からホースとノズルの不足にどう備えるのか

平常時の必要本数と収納状態を写真と確認票で残します。
災害後に初めて機器番号や点検先を探すと、使用保留と代替措置が遅れます。
明日から次の順番で備えてください。
- 消火栓箱ごとのホースとノズルの必要本数を台帳化する
- 平常時の収納状態と箱番号を撮影する
- 不足時に別箱から移さないルールを決める
- 使用保留を周知する担当者と方法を決める
- 代替消火器と巡回の手順を確認する
- 消防設備士と保守会社の緊急連絡先を更新する
- 専門点検後に復旧を承認する担当者を決める
確認票には、階、区画、機器番号、発見時刻、必要本数、実数、ホース型式、ノズル、結合金具、写真番号、使用保留、代替消火、点検依頼先、補充内容、放水確認、承認者を設けます。
訓練では設備を動かさず、不足を示す写真カードを使って報告から代替措置まで確認できます。
少なくとも誰が使用保留を周知するか、誰が専門点検を手配するかを決めてください。
訓練でホースを抜くんですか。
設備は動かしません。
写真カードで訓練します。
よくある質問
よくある誤りは、別の箱から移して目の前の一箱だけをそろえ、設備全体が復旧したと思うことです。
必要本数が所定位置にあること、型式と接続が適合すること、必要な放水性能があることを分けて確認してください。
まとめ
平常時写真と連絡先をそろえます!
使用保留と専門点検をセットにしましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- e-Gov法令検索 消防法第十七条・第十七条の三の三
- 総務省消防庁 消防用設備等の点検基準・点検要領・点検票
- 総務省消防庁 屋内消火栓設備の点検基準
- 総務省消防庁 屋内消火栓設備の点検要領
- 内閣府 事業継続ガイドライン 令和五年三月
※本記事は公表されている法令および消防庁・内閣府の資料に基づく一般的な解説です。地震後に屋内消火栓ホースやノズルの不足を見つけても別の箱から移したり自己判断で放水したりせず必要本数と型式と接続と放水性能を一体で確認してください。個別の使用保留、点検、交換、作動確認、代替措置、施設や業務の再開判断は、防火管理者、建物管理者、消防設備士、保守会社、所轄消防署へご確認ください。





