地震後の巡回で、屋内消火栓箱に付いていた使用方法の表示が剥がれ、手順を読めなくなっていたら、施設担当者が手書きで貼り直してよいのでしょうか。
急いで伝える必要はありますが、消火栓の方式ごとに操作が異なるため、思い込みで書いた表示は誤操作につながります。
消防用設備の点検では、使用方法の表示について、取付状態だけでなく内容と読みやすさも確認します。
施設担当者は手書きだけで復旧扱いにせず、表示跡と箱番号を記録し、設備方式を確認して専門家へつなぎます。
表示が剥がれています。
手書きで貼りますか。
復旧扱いにはしません。
まず状態を残します。
案内は何も出せないんですか。
方式を確かめて、
誤操作を防ぐ案内を出します。
- 手書き表示だけで恒久復旧とは判断しません
- 表示跡と箱番号を触る前に記録します
- 消火栓の表示と表示灯と使用方法の表示を区別します
- 誤操作を防ぎ正しい方式を確認します
- 取付状態と内容と読みやすさを確認して復旧を判断します
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目次
地震後に消火栓の使用方法表示が剥がれていたら手書きで貼ってよいのか

結論からいうと施設担当者が手書きした紙を貼っただけで表示が復旧したとは判断できません。
消防庁の点検要領は、使用方法の表示が適正に取り付けられ、内容が適正で、汚損や不鮮明な部分がないことを確認事項としています。
発見したら、剥がれた紙や取付跡を捨てず、箱全体、表示跡、箱番号、周囲の表示灯を撮影します。
そのうえで防火管理者と建物管理者へ共有し、消防設備士や保守会社に表示内容を確認してもらってください。
読める字なら同じやと思ってました。
内容も取付けも大事です。
方式から確かめます。
どの表示と設備方式を対象に確認するのか

確認対象は剥がれた紙だけでなく消火栓箱の表示と表示灯と使用方法の表示です。
屋内消火栓には一号消火栓、易操作性一号消火栓、二号消火栓、広範囲型二号消火栓などがあり、起動やホース操作の手順が異なります。
まず設計図書、消防用設備等点検結果報告書、機器銘板、保守会社の資料から設備方式を確かめます。
表示を作り直す前に、次の対象を分けて確認してください。
- 消火栓箱にある消火栓である旨の表示
- 消火栓箱の上部などに設けられた赤色の表示灯
- ポンプの始動を知らせる表示灯
- 扉や箱内に設けられた使用方法の表示
- 機器銘板と箱番号と設置区画
- 実際のバルブ、ホース、ノズル、起動装置の構成
名称が似ていても、目的と確認内容は同じではありません。
施設担当者は設備方式を推測せず、点検記録と現物を照合して専門家へ引き継ぎます。
赤いランプも同じ表示ですか。
役割が違います。
四つを分けて確認します。
発見から誤操作防止と表示復旧までどう進めるのか

表示跡を記録し設備方式を確認してから誤操作防止と表示復旧を進めます。
剥がれた表示だけを見て書き写すと、一部が欠けた内容や別方式の手順を残すおそれがあります。
- 剥がれた表示と取付跡と箱全体を撮影する
- 階、区画、箱番号、発見時刻を記録する
- 防火管理者と建物管理者へ対象設備を共有する
- 点検票と銘板から屋内消火栓の方式を確認する
- 誤操作を防ぐため関係者への注意喚起を行う
- 消防設備士や保守会社に正しい表示内容を確認する
- 表示の取付け後に内容と読みやすさを再確認する
暫定的な注意喚起を行う場合も、消火栓である旨の表示、表示灯、扉、バルブ、ホース、ノズル、起動装置を隠してはいけません。
設備の使用可否に疑いがあるときは代替消火と火気管理を確保し、所轄消防署へ相談してください。
注意書きはどこに貼りますか。
扉や表示灯を隠さず、
専門家と位置を決めます。
読めれば同じと思うと何を見落とすのか

文字が読めるだけでは正しい使用方法表示と判断できません。
表示が別方式の内容であったり、扉を開けると隠れたり、地震後の変形で見えにくくなったりする可能性があります。
- 一号と二号など設備方式に合わない操作手順
- 起動方法やバルブ操作の順番の書き違い
- 文字の欠け、汚れ、反射、暗さによる読みにくさ
- 粘着不足や湿気で再び剥がれる取付状態
- 表示灯や扉や操作部を覆う貼付位置
- 箱や内部機器の変形など表示以外の地震被害
使用方法表示が剥がれた原因が、扉の変形、漏水、結露、清掃、改修工事にある場合は、同じ系統にも影響がないか確認します。
表示の復旧と同時に箱と内部機器の状態を点検し、必要に応じて作動確認を専門家へ依頼します。
前の紙を写せば十分ですか。
現物の方式と照合して、
内容を確定します。
明日から使用方法表示の欠落にどう備えるのか

平常時の表示と設備方式を箱番号ごとに写真と台帳で残します。
災害後に初めて方式や正しい表示を探すと、注意喚起と復旧が遅れます。
明日から次の順番で備えてください。
- 消火栓箱の階、区画、箱番号、設備方式を台帳化する
- 平常時の箱全体と使用方法表示を撮影する
- 表示欠落を報告する担当者と連絡方法を決める
- 誤操作防止の注意喚起と代替消火の手順を決める
- 消防設備士と保守会社の緊急連絡先を更新する
- 復旧用表示の確認先と承認者を決める
- 表示復旧後の取付状態と内容と読みやすさを記録する
確認票には、階、区画、箱番号、設備方式、発見時刻、表示跡の写真、消火栓表示、表示灯、始動表示灯、使用方法表示、注意喚起、代替措置、確認依頼先、復旧日、確認者を設けます。
訓練では実際の表示を剥がさず、表示欠落を示す写真カードを使って報告から復旧確認まで進められます。
少なくとも誰が設備方式を確認するか、誰が復旧を承認するかを決めてください。
訓練で表示を剥がすんですか。
設備には触りません。
写真カードで訓練します。
よくある質問
よくある誤りは、読める手書き表示を貼っただけで点検を終え、設備が復旧したと思うことです。
表示が適正に取り付けられていること、内容が方式に合うこと、汚損や不鮮明な部分がないことを分けて確認してください。
まとめ
平常時写真と方式をそろえます!
記録と専門確認をセットにしましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- e-Gov法令検索 消防法第十七条・第十七条の三の三
- 総務省消防庁 消防用設備等の点検基準・点検要領・点検票
- 総務省消防庁 屋内消火栓設備の点検基準
- 総務省消防庁 屋内消火栓設備の点検要領
- 内閣府 事業継続ガイドライン 令和五年三月
※本記事は公表されている法令および消防庁・内閣府の資料に基づく一般的な解説です。地震後に屋内消火栓の使用方法表示が剥がれていたら手書きだけで復旧扱いにせず表示跡と設備方式を記録し取付状態と内容と読みやすさを一体で確認してください。個別の注意喚起、使用可否、点検、交換、作動確認、代替措置、施設や業務の再開判断は、防火管理者、建物管理者、消防設備士、保守会社、所轄消防署へご確認ください。





