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簡易タンク貯蔵所はなぜ屋外設置が原則なのか|専用室に設置する場合の要件と容量六百リットルの上限を解説

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簡易タンクという小さな貯蔵設備を、屋外に置くべきか屋内に置いてよいのか迷ったことはありませんか。
危険物の規制に関する政令には、簡易タンク貯蔵所だけに向けた基準がまとまって定められています。
基準を知らずに設置計画を立てると、想定していたタンクの数や容量を後から減らすことにもなりかねません。
この記事では危険物の規制に関する政令第十四条の条文にもとづき、簡易タンク貯蔵所の設置基準を号ごとに整理します

うちの倉庫の隅に、ドラム缶より少し大きいタンクを置きたいんですが、これも許可がいるんでしょうか。

それは簡易タンク貯蔵所という区分にあたるかもしれません。
まずは屋外に置くのが原則になっている理由からご説明します。

屋外に置けない事情があるときはどうすればいいんですか。

専用室の構造がいくつかの条件を満たせば、屋内に設置することも認められています。
今日はその条件と、基数や容量の上限まで一気に整理しますね。

この記事の結論
  • 簡易タンク貯蔵所は屋外設置が原則です。専用室内への設置は四つの条件を満たすときだけ認められます。
  • 一つの貯蔵所に置ける簡易貯蔵タンクは三基以内で、同一品質の危険物のタンクを二基以上は置けません。
  • 簡易貯蔵タンクの容量は六百リットル以下と定められています。
  • タンクは地盤面や架台に固定し、屋外は一メートル以上の空地、専用室内は〇・五メートル以上の間隔を保ちます。
  • タンク本体は厚さ三・二ミリメートル以上の鋼板で気密に造り、水圧試験に耐える強度が必要です。

簡易タンク貯蔵所の屋外設置と専用室内設置基数三以内容量六百リットル以下の基準をまとめた図解

簡易タンク貯蔵所はなぜ屋外設置が原則なのか

専用室の外に設置された簡易タンクと専用室内に設置された簡易タンクの図解
簡易タンク貯蔵所は、屋外に置くのが原則です。
ただし例外として、専用室内への設置が認められる場合もあります。
簡易タンク(簡易貯蔵タンク)は、屋外に設置すること。ただし、専用室の構造・窓及び出入口・床・採光、照明、換気及び排出の設備のいずれもが屋内タンク貯蔵所や屋内貯蔵所の基準の例によるものである専用室内に設置するときは、この限りでない
専用室の四つの条件を満たさない限り、屋外設置が原則です。
壁・床・窓・出入口・換気設備のいずれも、屋内タンク貯蔵所や屋内貯蔵所の基準の例によることが求められます。
これから物置や倉庫を専用室として転用しようとするときほど、この四条件を見落としがちです。
まずは専用室として使う予定の部屋が、この基準に届いているかを確認しましょう。
基準に届いていない部屋しかない場合は、屋外設置を検討することになります。

うちは屋外に置くスペースがなくて、倉庫の中に置きたいんですが。

専用室の壁や床、窓や出入口が屋内タンク貯蔵所と同じ基準を満たしていれば、屋内でも設置できます。
逆にどれか一つでも欠けると、屋外設置しか認められません。

タンクの基数と容量にはなぜ上限があるのか

三基までの簡易貯蔵タンクが並ぶ様子と余分なタンクを分けて置く図解
簡易タンク貯蔵所には、タンクの基数そのものにも上限があります。
さらに、同じ種類の危険物を複数のタンクに分けて置くことも制限されています。
一の簡易タンク貯蔵所に設置する簡易貯蔵タンクは、その数を三以内とし、かつ、同一品質の危険物の簡易貯蔵タンクを二以上設置しないこと
一つの貯蔵所に置ける簡易貯蔵タンクは三基までです。
しかも同一品質の危険物のタンクを二基以上置くことはできません。
灯油用と軽油用のように種類を増やしたいときは、別の貯蔵所として扱う必要があります。
容量についても六百リットル以下という上限が別に定められています。
設置計画の段階で、基数と容量の両方が上限内に収まっているかを確認してください。

灯油用と軽油用みたいに、種類ごとに何個も置いてもいいんですか。

一つの貯蔵所に置ける簡易貯蔵タンクは三基までで、しかも同じ品質の危険物のタンクを二基以上は置けません。
種類を増やしたいときは別の貯蔵所として届け出る必要があります。

タンクはどうやって固定し空地を確保するのか

架台に固定された簡易貯蔵タンクと巻尺で空地の幅を測る様子の図解
タンクは置くだけでなく、動かないように固定することも定められています。
まわりに確保する空地や間隔は、設置場所によって数値が変わります。
簡易貯蔵タンクは、容易に移動しないように地盤面、架台等に固定するとともに、屋外に設置する場合にあつては当該タンクの周囲に一メートル以上の幅の空地を保有し、専用室内に設置する場合にあつては当該タンクと専用室の壁との間に〇・五メートル以上の間隔を保つこと
固定方法とまわりの空地の幅は設置場所によって変わります。
地盤面や架台に固定して容易に動かないようにすることが、屋外・専用室内どちらでも共通の条件です。
屋外設置では周囲に一メートル以上の幅の空地が必要です。
専用室内設置では、タンクと専用室の壁との間に〇・五メートル以上の間隔を保ちます。
点検のときは、この空地や間隔が物置きなどでふさがれていないかも必ず確認しています。

固定するだけじゃなくて、まわりのスペースも決まっているんですね。

はい、屋外なら一メートル以上、専用室内なら〇・五メートル以上の間隔を保つ必要があります。
点検のときにこの空地が確保されているかも必ず確認しています。

タンク本体にはどんな強度と防食対策が必要か

断面で厚い鋼板を見せる簡易貯蔵タンクと通気管、さび止め塗装を行う作業員の図解
タンク本体には、鋼板の厚さと強度に関する具体的な基準があります。
外面の防食や通気管についても、あわせて定められています。
簡易貯蔵タンクは、厚さ三・二ミリメートル以上の鋼板で気密に造るとともに、七十キロパスカルの圧力で十分間行う水圧試験において、漏れ、又は変形しないものであること。簡易貯蔵タンクの外面には、さびどめのための塗装をすること。簡易貯蔵タンクには、総務省令で定めるところにより通気管を設けること
薄い容器で代用することは認められません。
厚さ三・二ミリメートル以上の鋼板で気密に造り、水圧試験に耐える強度が求められます。
外面には、さびどめのための塗装をすることも定められています。
あわせて通気管の設置も欠かせません。
容器の厚みや通気管の有無は、既製品を流用するときにこそ見落としやすい点です。

つまり、薄い容器で代用することはできないということですね。

そのとおりです、厚さ三・二ミリメートル以上の鋼板で気密に造り、水圧試験に耐える強度が求められます。
外面のさび止め塗装と通気管の設置も忘れずに確認してください。

標識掲示板と給油設備にはどんな基準があるのか

標識と掲示板の看板、固定給油設備を確認する作業員の図解
簡易タンク貯蔵所にも、標識・掲示板の設置義務があります。
給油や注油のための設備を付けたいときは、別の基準の例によることになります。
簡易タンク貯蔵所には、総務省令で定めるところにより、見やすい箇所に簡易タンク貯蔵所である旨を表示した標識及び防火に関し必要な事項を掲示した掲示板を設けること。簡易貯蔵タンクに給油又は注油のための設備を設ける場合は、当該設備は、給油取扱所の固定給油設備又は固定注油設備の例によるものであること
見やすい場所への標識・掲示板の設置は必ず必要です。
簡易タンク貯蔵所である旨の標識と、防火に関し必要な事項を掲示した掲示板の両方を設けます。
給油または注油のための設備を付けたい場合、単独の基準はなく、
給油取扱所の固定給油設備又は固定注油設備の基準の例によることとされています。
設備を追加するときは、標識・掲示板の位置がふさがれないかもあわせて確認してください。

給油に使う設備を付けたいときは、また別の基準があるんですか。

給油取扱所の固定給油設備や固定注油設備と同じ基準の例によることとされています。
標識と掲示板もあわせて、見やすい場所への設置を忘れないでください。

よくある質問

Q簡易タンク貯蔵所は必ず屋外に置かなければならないのか?
A原則は屋外設置ですが、専用室の構造・窓及び出入口・床・採光、照明、換気及び排出の設備のいずれもが屋内タンク貯蔵所や屋内貯蔵所の基準に適合していれば、専用室内に設置することも認められています。
Q同じ種類の危険物を複数の簡易貯蔵タンクに分けて置けるのか?
A置けません。一つの簡易タンク貯蔵所に設置する簡易貯蔵タンクは三基以内で、同一品質の危険物のタンクを二基以上設置することはできないと定められています。
Q簡易貯蔵タンクの容量はどこまで大きくできるのか?
A六百リットル以下と定められており、これを超える容量のタンクは簡易タンク貯蔵所として扱うことができません。
Q簡易貯蔵タンクに給油設備を付けることはできるのか?
Aできます。給油または注油のための設備を設ける場合は、給油取扱所の固定給油設備又は固定注油設備の基準の例によることとされています。

まとめ

簡易タンク貯蔵所は、危険物を貯蔵し又は取り扱う簡易タンク(簡易貯蔵タンク)を設置する独立した貯蔵所区分です。
原則は屋外設置で、専用室内に設置するときは屋内タンク貯蔵所や屋内貯蔵所の基準に適合する専用室が必要です。
一つの貯蔵所に置ける簡易貯蔵タンクは三基以内、同一品質の危険物は二基以上置けません。
容量は六百リットル以下と定められています。
タンクは地盤面や架台に固定し、屋外は一メートル以上、専用室内は〇・五メートル以上の空地または間隔を保ちます。
タンク本体は厚さ三・二ミリメートル以上の鋼板で気密に造り、七十キロパスカルの水圧試験に耐え、外面のさび止め塗装と通気管の設置が必要です。
見やすい場所への標識・掲示板の設置と、給油設備を設けるときは固定給油設備等の基準の例によることが求められます。

簡易タンク貯蔵所の基準がよく分かりました、さっそく確認します!

設置計画の段階からのご相談も歓迎しております。
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監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 危険物の規制に関する政令第十四条(簡易タンク貯蔵所の基準)
  • 危険物の規制に関する政令第十条・第十二条・第十七条(引用条項の準用先)

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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