給油取扱所の建築物でコンビニエンスストアやコインランドリー、宅配ボックスなど幅広い業務を行えるのか、建築物を2棟に分けて設けてよいのか、また「容易に敷地外へ避難することができる建築物の2階」とはどこまでを指すのかを、実際の質疑応答をもとに解説します。
最近はコンビニだけでなく、コインランドリーや宅配ボックスまであるスタンドを見かけます。
どこまで併設できるのでしょうか。
何でもアリではないんですが、38号通知で「商品やサービスの種類に従来のような制限はなくなる」とされていて、貸付けや取次といった営業も対象に含まれるんですよ。
建物を2棟に分けて建てることもできるのでしょうか。
できます。
ただし床面積の合計が300平方メートルを超えないことが条件です。
避難経路の考え方もあわせてこの記事で解説しますね!
- 建築物で行える業務は38号通知に基づいて判断し、商品やサービスの種類に従来のような制限はない
- 店舗等の用途に供する部分と認められる限り、給油目的以外の者が出入りしても差しつかえない
- 床面積の合計が300平方メートルを超えなければ建築物を2棟設けてよい
- 屋内階段で1階に下りてから敷地外へ出られる場合も容易に避難できる建築物の2階に該当する
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目次
建築物で行える業務は38号通知に基づいて判断する
給油取扱所の建築物において、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、喫茶店、簡易郵便局、コインランドリー、宅配ボックスによる宅配物の取次等、様々な業務を行いたいという相談を受けた場合、その可否をどう判断すればよいか、照会がありました。
可否は危険物の規制に関する規則第25条の4第1項第2号に定める用途に該当するかどうかにより判断することとなりますが、当該用途に関して「給油取扱所の技術上の基準に係る運用上の指針について」(昭和62年4月28日付け消防危第38号。
以下「38号通知」)第3の5(1)ウにおいて、次のとおり示されています。
- 物品の販売若しくは展示又は飲食物の提供だけではなく、物品の貸付けのほか行為の媒介、代理、取次等の営業ができるものである
- これらの営業に係る商品、サービス等の種類については、従来行ってきたような制限はなくなるものである
- ただし「給油、灯油の詰替え又は自動車等の点検・整備若しくは洗浄のために給油取扱所に出入する者を対象とする」ものであること
商品やサービスの種類には、以前のような制限がないのですね。
規則の用途に当たるかどうかで判断します。
新しい業務を入れる前に、内容を書き出して相談してください。
床面積の合計が300平方メートル以内なら建築物を2棟設けてよい
一の給油取扱所内に、危険物の規制に関する規則第25条の4第1項第1号の2に定める用途に供する建築物(給油取扱所の業務を行うための事務所)のほかに、同条各号の用途に供される建築物を設けることとして差しつかえないか、照会がありました。
この場合において、すべての建築物の床面積の合計は、同条第2項の規定に従い300平方メートルを超えないものとされています。
2棟目を建てても、合計300平方メートルまでなのですね。
その範囲内が条件です。
いまの床面積を実測して、余裕がどれだけあるか把握しておきましょう。
屋内階段で1階に下りてから避難できる場合も該当する
給油空地等において危険物の流出又は火災が生じた場合に顧客の避難安全を確保する観点から、危険物の規制に関する規則第40条の3の6第2項第1号の規定が設けられていると考えられますが、同号中「容易に給油取扱所の敷地外へ避難することができる建築物の2階」とは、どこまでを指すのかも照会されています。
- 建築物の2階から直接敷地外に通ずる屋外階段より避難することができる場合
- 屋内階段で一旦1階に下りてから直接敷地外に通ずる出入口(自動閉鎖式の特定防火設備)より避難することができる場合
屋内階段で1階に下りる形でも認められるのですね。
避難の安全が確保できるかで見ます。
2階を使うなら、避難の経路を図で示せるようにしておいてください。
よくある質問
まとめ
- 建築物で行える業務は38号通知に基づいて判断し、貸付け・媒介・代理・取次等も対象で、商品やサービスの種類に従来のような制限はない
- 店舗等の用途に供する部分と認められる限り、給油目的以外の者が出入りしても差しつかえない
- 床面積の合計が300平方メートルを超えなければ、事務所と別に建築物を設けて2棟としてよい
- 屋外階段のほか、屋内階段で1階に下りて自動閉鎖式の特定防火設備の出入口から敷地外へ出られる場合も「容易に避難できる2階」に該当する
棟を分けても、床面積の合計で見るというところが見落としやすいですね。
すっきりしました。
棟数ではなく総量で判断されます。
増築を考えるときは、既存の建築物の床面積から確かめてください。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 危険物の規制に関する規則第25条の4、第40条の3の6 e-Gov法令検索
- 「給油取扱所の技術上の基準に係る運用上の指針について」(昭和62年4月28日付け消防危第38号)
- 「消防実務六法 質疑応答編」(消防実務研究会編・東京法令出版)給油取扱所に設ける建築物の用途・2棟の設置・容易に避難できる2階に関する質疑応答を参考に、独自に解説を作成
※本記事は2026年6月時点の法令解釈に基づく一般的な解説です。個別の設計内容については所轄消防署にご確認ください。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)




