給油取扱所に災害時や停電時のための非常用発電機を設置できるのか、自動車の板金業務は点検・整備として扱えるのか、また防火塀を省略できる道路の条件や給油空地以外の舗装の基準を、実際の質疑応答をもとに解説します。
停電に備えて非常用発電機を置きたいのですが、専用の囲いを作らなければならないでしょうか。
実はそこまで要らないんです。
可燃性蒸気が滞留するおそれのない場所で、車の動線に支障がなければ、直接地盤面や犬走りに置いてもいいとされてるんですよ。
板金の作業を行うのはどうでしょうか。
板金業務も点検・整備に該当します。
ただ火花が出るおそれがある場合は場所の制約がつくので、そこがポイントです。
この記事でまとめて解説しますね!
- 面する道路が規則の要件に適合すれば、縁石やさくで区画されていなくても防火塀を設けなくてよい
- 給油空地及び注油空地以外の地盤面はアスファルトによる舗装としてよい
- 非常用発電機は可燃性蒸気が滞留するおそれのある範囲以外で車両動線に支障のない場所であれば設置できる
- 自動車の板金業務も規則が定める自動車等の点検・整備に該当する
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目次
道路が要件に適合すれば縁石やさくがなくても防火塀は不要
給油取扱所に面する道路が、危険物の規制に関する規則第1条第1項第1号ニの規定に適合するものである場合には、当該道路が縁石やさく等で区画されていなくても「自動車等の出入りする側」として防火塀を設けなくてよいかどうか、照会がありました。
道路が要件に適合していれば、縁石がなくても塀が要らないのですね。
道路の要件で判断します。
接している道路がどれに当たるか、現況図で確かめてください。
給油空地及び注油空地以外の地盤面はアスファルト舗装でよい
給油取扱所の地盤面の舗装について、給油空地及び注油空地以外の部分は、アスファルトによる舗装としてよいかどうかも照会されています。
空地以外の舗装は、アスファルトでもよいのですね。
差しつかえありません。
舗装を打ち替えるときは、空地の範囲と分けて発注してください。
非常用発電機は滞留のおそれのない場所であれば犬走りにも設置できる
給油取扱所において、災害時や停電時の電源を確保するため、非常用発電機を設置する計画の相談を受けた場合の取り扱いについても照会がありました。
- 非常用発電機を設置する場合、可燃性蒸気が滞留するおそれのある範囲以外の場所であって、車両の動線を考慮して支障のない場所であれば差しつかえないと考えられる
- 当該要件を満たす場所であれば、直接地盤面や犬走りに設置することも可能である
- 非常用発電機がガソリン等の流出事故が発生した場合に直ちに移動又は電源を遮断できるものであれば、可燃性蒸気の滞留するおそれのある範囲は「給油取扱所に電気自動車用急速充電設備を設置する場合における技術上の基準の運用について」(平成24年3月16日付け消防危第77号)第3の1に示されている範囲とする
犬走りにも置けるのですね。
滞留のおそれがない場所が条件です。
設置の位置を配置図に描いて、動線と重ならないか確かめてください。
自動車の板金業務も点検・整備に該当する
給油取扱所において行われる自動車の部分的な補修を目的とする塗装業務については、危険物の規制に関する規則第25条の4第1項第3号に規定する自動車等の点検・整備に該当する旨が既に示されていますが、自動車の板金業務についても同様に点検・整備に該当するかどうか、照会がありました。
板金も点検・整備に含まれるのですね。
該当します。
火花が出る作業は場所の制約があるので、作業区画を決めておいてください。
よくある質問
まとめ
- 面する道路が規則の要件に適合すれば、縁石やさくで区画されていなくても防火塀は不要(袋小路・私道も同様)
- 給油空地及び注油空地以外の地盤面はアスファルトによる舗装でよい
- 非常用発電機は滞留のおそれのない場所かつ車両動線に支障のない場所であれば、直接地盤面や犬走りにも設置できる
- 流出事故時に直ちに移動・電源遮断できる機器なら、滞留範囲は電気自動車用急速充電設備の運用通知の範囲による
- 自動車の板金業務も点検・整備に該当するが、火花を発するおそれがある場合は滞留のおそれのない場所で行う
設備を置く場所の考え方は、どれも共通しているのですね。
すっきりしました。
可燃性蒸気の滞留のおそれと、車両の動線の2つが軸になります。
設置の前に、その2点で置き場所を見てください。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 危険物の規制に関する政令第17条 e-Gov法令検索
- 危険物の規制に関する規則第1条、第25条の4 e-Gov法令検索
- 「給油取扱所に電気自動車用急速充電設備を設置する場合における技術上の基準の運用について」(平成24年3月16日付け消防危第77号)
- 「『危険物施設の震災等対策ガイドライン』を活用した危険物施設の震災等対策の推進について」(平成26年5月23日付け消防危第136号)
- 「消防実務六法 質疑応答編」(消防実務研究会編・東京法令出版)給油取扱所の出入する側・舗装・非常用発電機・板金業務に関する質疑応答を参考に、独自に解説を作成
※本記事は2026年6月時点の法令解釈に基づく一般的な解説です。個別の設計内容については所轄消防署にご確認ください。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)




