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予防規程はどんな施設なら免除されるのか|鉱山保安法の規程と自家用給油取扱所が受ける除外を解説

予防規程が免除される施設の要件を解説する記事のアイキャッチ画像

指定数量の倍数が基準を超えると、危険物施設には予防規程の作成が義務になります。
ところが、その基準を満たしているのに予防規程が要らない施設が実在します。
危険物の規制に関する規則第九条の二と第六十一条が、その除外の範囲を細かく定めているためです。
この記事ではどんな施設が予防規程の作成義務から除外されるのかを整理します

うちは指定数量の倍数が基準を超えているので、予防規程は絶対に必要ですよね。

基本的にはそうですが、例外もあります。
規則が定める2つのパターンに当てはまれば、除外されることがあります。

知りませんでした。
うちの施設が当てはまるか確認したいです。

条文を順番に確認していきましょう。

この記事の結論
  • 指定数量の倍数の基準を満たしていても、予防規程が不要になる施設が規則で定められています
  • 規則第九条の二は、鉱山保安法の保安規程や火薬類取締法の危害予防規程を別に定めている施設を除外しています
  • 規則第六十一条は、自家用の給油取扱所のうち屋内給油取扱所以外のものを除外しています
  • 屋内給油取扱所だけは自家用でも除外されず、予防規程が必要です
  • 予防規程が除外されても、消防計画の作成や防火管理者の選任まで免除されるわけではありません

予防規程の除外要件を示す図解鉱山保安法の施設と自家用給油取扱所の屋内外差を整理した図

予防規程の作成義務にはどんな除外があるのか

危険物施設に予防規程の書類がある建物と除外マークが付いた建物を並べたイメージ
消防法第十四条の二は、政令で定める施設の所有者に予防規程の作成と認可を義務付けています。
ただしこの政令自体が、対象からさらに一部を除く仕組みを持っています。
危険物の規制に関する政令第三十七条 法第十四条の二第一項の政令で定める製造所、貯蔵所又は取扱所は、第七条の三各号に掲げる製造所等又は給油取扱所のうち、総務省令で定めるもの以外のものとする。
政令第三十七条は「総務省令で定めるもの以外」という除外の入口をあらかじめ用意しています
指定数量の倍数で対象になった施設や給油取扱所であっても、規則が個別に除外するものは最終的に義務の対象から外れます。
つまり「基準の倍数を超えているから必ず作る」という理解だけでは足りません。
除外の中身は規則第九条の二と第六十一条の2つの条文に分かれています。

政令の中にさらに除外の規定があるとは知りませんでした。

次は1つ目の除外パターンを見ていきましょう。

鉱山保安法や火薬類取締法の規程がある施設はなぜ除外されるのか

鉱山の坑口と火薬庫にすでに別の保安規程の書類が備え付けられているイメージ
規則第九条の二が定める1つ目のパターンは、他の法律ですでに同じ役割の書類を備えている施設です。
条文を確認すると、対象は2種類に絞られています。
危険物の規制に関する規則第九条の二 令第八条の五の総務省令で定める製造所等は、次のとおりとする。一 鉱山保安法第十九条第一項の規定による保安規程を定めている製造所等 二 火薬類取締法第二十八条第一項の規定による危害予防規程を定めている製造所等
すでに他の法律の保安規程がある施設まで予防規程を重ねて求めない、という考え方です
鉱山保安法に基づく保安規程を定めている施設と、火薬類取締法に基づく危害予防規程を定めている施設が、この条文で名指しされています。
どちらも危険物施設としての届出とは別に、専門の法律の規制を受けている施設です。
2つの法律のどちらにも当てはまらない施設は、この条文では除外されません。

うちは鉱山でも火薬類の製造所でもないので、このパターンには当たらなさそうです。

その場合は、次の給油取扱所のパターンを確認してみてください。

自家用の給油取扱所はなぜ屋内型だけ除外されないのか

屋外の自家用給油スタンドに除外マークが付き屋内の給油スペースには免除されないことを示すイメージ
もう一つの除外パターンは給油取扱所です。
ただし、どんな給油取扱所でも除外されるわけではありません。
危険物の規制に関する規則第六十一条 令第三十七条の総務省令で定める製造所等は、第九条の二に規定する製造所等及び第二十八条に規定する自家用の給油取扱所のうち屋内給油取扱所以外のものとする。
除外されるのは「自家用」かつ「屋内給油取扱所ではない」給油取扱所だけです
規則第二十八条が定める自家用の給油取扱所とは、施設の所有者や管理者が所有する自動車等に給油するための施設で、不特定多数への給油を行わないものを指します。
同じ自家用の給油取扱所でも、建物の中に設けられた屋内給油取扱所であれば、この除外からは外れて予防規程が必要になります。
屋外の小規模な自家用スタンドと、建物内に組み込まれた屋内型とでは、火災が起きたときの延焼のしやすさが違うため、扱いが分かれていると考えられます。

うちの給油設備は社用車専用ですが、建物の中に入っています。

その場合は屋内給油取扱所に当たるので、自家用でも除外されません。
予防規程の作成が必要です。

除外される施設は防火管理や消防計画も不要になるのか

予防規程の書類を除外された建物の隣に消防計画の書類が別に残っているイメージ
予防規程が不要になると聞くと、防火管理の書類がすべて要らなくなると誤解しがちです。
しかし予防規程はあくまで危険物施設としての規制の一つに過ぎません。
消防法第十四条の二第一項 政令で定める製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者は、当該製造所、貯蔵所又は取扱所の火災を予防するため、総務省令で定める事項について予防規程を定め、市町村長等の認可を受けなければならない。
予防規程の除外は、消防計画や防火管理者の制度とは別の話です
予防規程は危険物施設に固有の書類で、規則第九条の二・第六十一条が定める範囲でしか除外されません。
一方、消防計画の作成や防火管理者の選任は消防法第八条の別の仕組みで、危険物施設かどうかにかかわらず、建物の用途や収容人員によって義務が決まります。
予防規程が除外されたからといって、防火管理の体制まで手を抜いてよいわけではありません。

予防規程がなくなっても、防火管理者は別に必要なんですね。

はい、別の制度として続きます。
混同しないよう注意してください。

明日から自分の施設の該当を確認するにはどうすればよいか

チェックリストを持って施設の給油設備を確認する作業員のイメージ
条文の要件は、そのまま確認の手順に置き換えられます。
自分の施設で次の順に見ていくと、抜けを防げます。
危険物の規制に関する規則第六十一条 令第三十七条の総務省令で定める製造所等は、第九条の二に規定する製造所等及び第二十八条に規定する自家用の給油取扱所のうち屋内給油取扱所以外のものとする。
まずは自分の施設が対象になるかどうかを2段階で確認します
最初に、施設が鉱山保安法の保安規程または火薬類取締法の危害予防規程を別に定めているかを確かめます。
次に、給油取扱所であれば、不特定多数に給油しない自家用の施設かどうか、そして建物内に設けられた屋内給油取扱所ではないかを確認します。
どちらにも当てはまらなければ、予防規程は引き続き必要な書類として扱います。

うちの給油設備が屋内かどうか、もう一度確認してみます。

判断に迷う場合は、いつでもご相談ください。

よくある質問

Q指定数量の倍数の基準を満たしていれば必ず予防規程が必要ですか?
Aいいえ、必ずしもそうではありません。政令第三十七条が「総務省令で定めるもの以外」という除外を認めており、規則第九条の二・第六十一条に当てはまる施設は対象から外れます。
Q鉱山や火薬類の施設ならどんな危険物施設でも除外されますか?
A除外されるのは、鉱山保安法の保安規程または火薬類取締法の危害予防規程を実際に定めている製造所等に限られます。名称が似ているだけでは対象になりません。
Q自家用の給油取扱所であれば形にかかわらず除外されますか?
Aいいえ。屋内給油取扱所に当たる場合は、自家用であっても規則第六十一条の除外からは外れ、予防規程が必要です。
Q予防規程が除外されたら防火管理者も不要になりますか?
Aいいえ、別の制度です。予防規程は危険物施設に固有の書類で、防火管理者の選任や消防計画の作成は建物の用途・収容人員で決まる別の義務として続きます。

まとめ

指定数量の倍数の基準を満たしていても、予防規程が不要になる施設があります
除外の根拠は政令第三十七条の「総務省令で定めるもの以外」という規定です
規則第九条の二は、鉱山保安法火薬類取締法の別の規程がある施設を除外します
規則第六十一条は、自家用の給油取扱所のうち屋内給油取扱所以外を除外します
同じ自家用でも屋内給油取扱所は除外されず、予防規程が必要です
予防規程の除外は消防計画や防火管理者の義務までは免除しません
自施設が該当するかは、根拠法の有無と自家用・屋内の区分の順で確認します

うちの給油設備、屋内かどうかもう一度確かめてみます!

ぜひ確認してみてください。
㈱防災屋でもご相談を承っております

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監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第十四条の二
  • 危険物の規制に関する政令(昭和三十四年政令第三百六号)第三十七条
  • 危険物の規制に関する規則(昭和三十四年総理府令第五十五号)第九条の二・第二十八条・第六十一条

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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