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新宿駅東口の飲食店ビルで火災|初期消火・煙制御・館内避難を見直す

2026年9月23日午後8時ごろ、東京都新宿区新宿3丁目の8階建てビル7階にある飲食店で火災が発生しました。報道によると、10代から40代の男女4人が煙を吸うなどしてけがをし、うち3人が病院へ搬送されました。いずれも意識があり、命に別条はないと報じられています。

㈱防災屋が注目するのは、飲食店内の初期消火だけでなく、煙を広げない操作、同一ビル内の避難、消防への引継ぎを同時に進める必要がある点です。

この火災から読み取れること
火元対応より先に、119番通報と客の避難を並行させる
火災室の扉を閉め、階段へ煙を流さない
テナント単独で終わらせず、受信機・館内放送・他階誘導を連携する
閉店時はロースター、フード、ダクト、遮断弁を記録付きで確認する

新宿駅東口の飲食店ビル火災で報じられていること

新宿駅東口のビル火災で活動する消防隊

画像引用:FNNプライムオンライン(2026年9月23日公開)

原因は客席のロースターだったのですか。

客席付近から炎が上がったとの報道はありますが、原因は調査中です。
目撃情報と原因認定を分けて扱います。

FNNは7階の焼き肉店でダクトなどが燃え、消防車など36台が出動したと報道しました。共同通信系報道では、客席のロースターから炎が上がり、店員が消火を試みた後に客へ避難を指示したとされています。ただし、警視庁と東京消防庁が出火当時の状況を調べており、設備故障や管理不良を断定できる段階ではありません。

多層テナント火災は初期消火・煙制御・全館避難を同時に動かす

飲食店ビルで通報と避難を同時に進めるアイソメ図

店内で消せそうなら、客は席で待たせてもよいですか。

煙は短時間で視界と呼吸を奪います。
発見者、通報者、誘導者、初期消火者を分けて同時に動かします。

飲食店の従業員は、火を見た人だけに対応を集中させません。非常ベルまたは発信機、119番通報、客の避難、ガス・電気の安全な停止、火災室の扉閉鎖、ビル管理側への連絡を役割別に開始します。初期消火は退路を背にして行い、煙が濃くなる、炎が天井やフードへ達する、消火器1本で収まらない場合は直ちに退避します。

ロースター周辺の異常時は水をかける前に熱源と燃焼物を確認する

飲食店ロースター火災で停止と避難を行う図

炎が見えたら、とにかく水をかければよいですか。

油や通電中の設備では危険が増すことがあります。
熱源遮断、通報、避難を先に進め、適応する消火器を使います。

卓上調理設備では、油脂、食材、ガス、電気が近接します。従業員は機器ごとの停止方法と消火器の位置・適応を開店前に確認します。客が近い状況では、消火作業者の周囲から人を離し、退路を確保します。今回、店員が水をかけたとの報道がありますが、その行為と延焼の因果関係は公表されていません。

火災室の扉と防火戸を閉め、階段への煙流入を抑える

防火戸を閉めて階段へ避難する図

客を出した後は、入口を開けたままにしますか。

開放すると煙が廊下や階段へ流れやすくなります。
全員退出後、可能な範囲で扉を閉め、避難経路を守ります。

階段は上階・下階の多くの人が共用します。避難者が火災室を出た後は、戻らずに扉を閉め、防火戸の前に荷物を置かないよう日常から管理します。ビル管理者は受信機の発報場所を確認し、館内放送でエレベーターを使わず階段へ誘導し、消防隊へ出火階、逃げ遅れ情報、ガス遮断位置を伝えます。

閉店点検はロースター・フード・ダクト・遮断弁を記録する

飲食店の閉店時点検を行う図

営業終了時に元栓を閉めれば十分ですか。

油脂の付着や残熱は元栓だけでは確認できません。
設備ごとに停止・清掃・温度・異臭を確認して記録します。

閉店時は、各テーブルの熱源停止、ガス遮断弁、電源、フードとグリスフィルター、ダクト周辺、厨房機器の残熱を順番に確認します。清掃周期は見た目だけで決めず、使用量に応じて設定します。異臭、変色、異常な温度があれば再使用せず、管理者と保守会社へ連絡します。

今回の火災から見直す4項目
通報・避難・初期消火を別担当で同時に開始する
油・ガス・電気を確認し、水を安易に使用しない
退出後に扉を閉め、廊下・階段への煙流入を抑える
閉店点検を設備別・時刻付きで記録する

飲食店・テナントビルの防火管理を見直しませんか

初期消火、煙制御、館内連携、避難誘導、閉店点検を建物と営業形態に合わせて確認します。

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

執筆:㈱防災屋
監修・編集:青木俊輔

本記事は公開情報をもとに、消防・防火管理の実務上の着眼点を一般化して解説したものです。個別事故の原因、設備状態、法令適合性を断定するものではありません。

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