セルフ式のガソリンスタンドでは、給油の様子を係員が常に監視していることをご存じでしょうか。
危険物の規制に関する規則第四十条の三の十は、顧客が自ら給油する際の監視や制御を係員が担うことを原則として定めています。
ところが同条第二項には、一定の条件を満たせば係員による直接の監視の一部を「条件付自動制御装置」に委ねられるという規定もあります。
この記事では、係員による監視の原則と、自動化が認められる条件・認められない部分を条文から整理します。
最近、監視ブースに人がいないセルフスタンドを見かけましたが、あれは違反ではないんですか。
条件を満たせば条件付自動制御装置に委ねられます。
すべての監視が要らなくなるわけではないんですね。
はい、要らなくなる範囲が条文で決まっています。
順番に見ていきましょう。
- セルフ給油所は、危険物の規制に関する規則第四十条の三の十第一項第三号により、係員が給油作業等を直視で監視し、開始・停止・非常停止を制御することが原則です。
- 条件付自動制御装置は係員が行う監視と制御を代替して自動的に行う装置で、監視設備・記録装置・表示の三つを備える必要があります
- 装置が正常に作動し、使用条件を満たし、火気その他の支障がないときに限り直視監視・給油の開始と停止の制御が適用除外になります
- 非常時の一斉停止までは基本形の条件付自動制御装置では自動化されず、係員が直ちに認知して操作できる状態を保つ必要があります。
- 係員には、条件から外れたときに監視を引き継ぎ応急の措置を講ずることができる態勢が求められます
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目次
セルフ給油所の監視や制御はもともとどんな仕組みが原則なのか

係員が担う役割は一つではありません。
このうち直視での監視は、モニター越しではなく実際に目で給油の様子を追うことを求めています。
給油の開始と停止は、火気の有無など安全確認をした上で係員が制御装置を操作する仕組みです。
非常時の一斉停止は、施設内すべての固定給油設備と固定注油設備を同時に止める、最後の砦にあたる役割です。
監視だけでなく、給油の開始や停止まで係員が操作しているんですね。
はい、四つの役割すべてが係員の仕事です。
次はこれを代替する装置を見ましょう。
条件付自動制御装置とはどんな装置を指すのか

条文から確認します。
すべての給油作業等を自動的に監視できる位置に機器を設けることが、まず求められる条件です。
作動状況を記録する装置も必須で、後から動作を確認できる状態にしておく必要があります。
装置を使って監視していること自体を、顧客にも見える場所へ表示しなければなりません。
カメラを付ければそれだけで条件付自動制御装置と呼べるんですか。
いいえ、記録と表示もそろって初めて該当します。
次はこの装置が使える条件を見ましょう。
どんな条件を満たせば係員の直接監視が要らなくなるのか

そろって初めて外れる条件があります。
外れるのは、前のセクションで見た四つの役割のうちイからハまで、つまり直視での監視と給油の開始・停止の制御です。
四つの条件は「いずれにも該当するとき」とされており、一つでも欠ければ通常どおり係員による監視に戻ります。
装置任せにできる範囲は、条文が定める条件の中でしか成立しません。
装置さえ設置すれば、あとは条文の縛りは無いと思っていました。
いいえ、四つの条件がそろって初めてです。
次は自動化されない部分を見ましょう。
係員の役割は本当にすべて無くなるのか

ここを見落とすと、無人でよいと誤解しかねません。
係員には、装置や条件が崩れたときに直ちに認知して監視を引き継ぐことができる態勢が求められます。
事故が起きた場合に応急の措置を講じられることも条件のひとつで、係員がその場を完全に離れてよいわけではありません。
非常停止まで自動化できる、より高度な条件付自動制御装置も規則上は存在しますが、通常はここまでが自動化の範囲です。
装置があれば、係員はまったく現場にいなくてもよいと思っていました。
いいえ、直ちに対応できる態勢が必要です。
最後に確認の手順をまとめます。
明日からなにを確認すればよいのか

順番にチェックしてください。
- 条件付自動制御装置に、監視設備・記録装置・表示の三つがそろっているかを確認する
- 装置が正常に作動し、使用条件を満たしているかを確認する
- 火気その他の安全上の支障がないかを確認する
- 係員が、条件から外れた場合に直ちに認知して監視を引き継げる態勢にあるかを確認する
- 事故発生時に応急の措置を講じられる要員が確保されているかを確認する
装置の状態と係員の態勢の両方を見ればよいのですね。
はい、装置と係員の両輪で確認してください。
よくある質問もあわせてご確認ください。
よくある質問
まとめ
装置を入れる前に、四つの条件を一つずつ確認します。
助かります。
まずは装置の三要件と係員の態勢から確認してください。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 危険物の規制に関する政令第二十七条第六項第一号の三
- 危険物の規制に関する規則第四十条の三の十
- 危険物の規制に関する規則第二十八条の二の五第八号
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





