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屋内給油取扱所の通風・避難空地には何を置ける?置けない?を解説

屋内給油取扱所(建物の内部やピロティ部分に給油設備を設ける形態)には、周囲に「通風及び避難のための空地」を確保することが義務付けられています。
この空地は、火災時の避難経路や煙の排出経路として機能する重要なスペースですが、「通気管を設置してもよいか」「専用タンクを埋設してもよいか」「フラワーポットのような小さなものなら置いてもよいか」など、運用上の疑問が数多く生じます。
この記事では、通風及び避難のための空地に関する実際の質疑応答を整理して解説します。

通風・避難のための空地には、通気管くらいは立ててもよいのでしょうか。

通気管は先端部分を含めて空地内になければ認められます
空地の外であることが条件です。

それならフラワーポットくらいは置いてもよいでしょうか。

それも認められません
自動車等の出入りだけでなく、小さなものも一切設置できないという整理です。
この記事でまとめて解説します!

この記事の結論
  • 通気管(先端部分を含む)の設置は空地内になければ認められる
  • 専用タンクの埋設は認められるが、空地内での移動タンクからの注入はできない
  • 防火塀への看板設置は認められるが、看板を空地内に張り出すことはできない
  • 自動車等の出入りだけでなく、フラワーポット等の小さなものも一切設置できない

屋内給油取扱所の通風・避難空地の図解

通風及び避難のための空地とは何か

条文解説アイコン

危険物の規制に関する政令第17条第2項第9号では、屋内給油取扱所の周囲に、通風及び避難のための空地を確保することが定められています。
この空地は、給油取扱所内で火災が発生した際に、煙を外部へ逃がし、利用者や従業員が安全に避難するための機能を担っています。
そのため、この空地には自動車等が出入りすることも認められていません(15号通達)。

煙を逃がして避難するための空地なのですね。

その機能を守るための規定です。
まず現地で、空地の範囲がどこまでかを確かめてください。

通気管・専用タンクは設置できるが、注入作業はできない

タンクアイコン

通風及び避難のための空地内において、通気管や専用タンクといった設備を設けることができるかについて、次のような照会がありました。

照会内容回答
通気管(先端部分を含む)を空地内に設置してよいか通気管の立ち上がり部分が空地内になく、避難上支障がなければ認められる
専用タンクを空地内に埋設してよいか認められる。ただし当該空地内で移動タンクからの注入を行うことはできない
空地に面する防火塀の上方または側面に看板を設置してよいか認められる。ただし看板を当該空地内に張り出して設けることはできない
この3つの回答に共通するのは、「設備の存在自体」と「空地としての機能を妨げる行為」を区別している点です。専用タンクの埋設や看板の設置自体は認められても、そこに人や車両、作業スペースが実質的に入り込むような使い方(移動タンクからの注入作業、看板の張り出し)は認められません。空地としての避難機能を実質的に損なわないかどうかが判断の分かれ目になっています。

タンクを埋めることはできても、注入はできないのですね。

空地内での注入作業は認められません。
ローリーの停車位置を運用で決めておきましょう。

フラワーポットのような小さなものも一切設置できない

注意アイコン

通風及び避難のための空地は「自動車等が出入りすることができないよう」措置することとされていますが、では自動車等が出入りできないような措置さえ講じれば、フラワーポット等の小さな物品やロープの展張、移動式のスタンド型看板を置いてもよいのか、という照会もありました。

  • 特別な措置を講ずる必要はないが、一切の物品の存置及び車両の駐停車が行われないよう、厳格に維持管理される必要がある
  • 当該空地内には、工作物をはじめ一切の物品の存置は認められず、フラワーポット・ロープ・移動式スタンド型看板のいずれも設置することはできない
「小さいものなら大丈夫だろう」という発想は通用しません。通風及び避難のための空地は、火災時の避難経路として機能することが前提のスペースであり、どんなに小さな物品であっても、避難の妨げになり得るものは一切置けないという厳格な運用が求められています。屋内給油取扱所を計画・運営する際は、この空地を実質的な「何も置けない通路」として扱う必要があります。

小さなものでも、置いてはいけないのですね。

一切の物品が対象です。
看板やロープを含めて、今日のうちに片づけてください。

よくある質問

よくある質問アイコン

Q. 通気管を通風及び避難のための空地に設置することはできますか?
通気管の立ち上がり部分が空地内になく、避難上支障がなければ認められます。ただし立ち上がり部分が空地内に位置する場合は、避難の妨げにならないか個別に確認する必要があります。
Q. 空地内に専用タンクを埋設した場合、そこで給油作業を行えますか?
専用タンクの埋設自体は認められますが、当該空地内で移動タンクからの注入作業を行うことはできません。埋設と実際の作業スペースとしての利用は別に考える必要があります。
Q. 通風及び避難のための空地に、小さな装飾品や案内看板を置いてもよいですか?
認められません。フラワーポットのような小さなものであっても、一切の物品の存置は認められず、厳格に維持管理する必要があります。

まとめ

  • 通風及び避難のための空地は、屋内給油取扱所の火災時の避難経路として機能する重要なスペース
  • 通気管は立ち上がり部分が空地外なら設置可、専用タンクの埋設も可(ただし空地内での注入作業は不可)
  • 看板は防火塀への設置は可だが、空地内への張り出しは不可
  • フラワーポット等の小さな物品も含め、一切の物品の存置・車両の駐停車は認められない

空地は文字どおり空けておかなければいけないのですね。
すっきりしました。

そのとおりです。
専用タンクの埋設は認められますが、空地内での移動タンクからの注入はできません。

参考・出典

  • 危険物の規制に関する政令第17条第2項第9号 e-Gov法令検索
  • 「消防実務六法 質疑応答編」(消防実務研究会編・東京法令出版)屋内給油取扱所の通風及び避難のための空地に関する質疑応答を参考に、独自に解説を作成

※本記事は2026年7月時点の法令解釈に基づく一般的な解説です。個別の設置計画については所轄消防署にご確認ください。

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

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