ガス漏れ火災警報設備には、検知器のほかに警戒区域と警報と電源の決まりがあります。
警戒区域は面積だけでなく、一辺の長さも見ることとされました。
非常電源の容量も、一番大きい回線から順に足す形で算定します。
質疑応答が示したのはいちばん厳しい場合を前提に決めるという考え方です。
警戒区域は面積だけ見ればよいと思っていました。
細長い区画でも構わないのでしょうか。
長さにも目途があります。
一辺の長さは50メートル以下を目途とすることという回答が出ています。
電源の容量も業者任せにしています。
算定の考え方だけ知っておくと話が早くなります。
警戒区域と警報と電源を、5つの回答で順に見ていきます。
- 警戒区域の一辺の長さは50メートル以下を目途とすることとされました
- 通路又は地下道に面する室や店舗等は1の警戒区域に含まれるよう設定します
- 音声警報装置の基準は非常警報設備の基準に準ずるものとされました
- 検知器のない階にもスピーカーの設置を要します
- 非常電源の容量は検知器が最も多い回線と次に多い回線の合計で算定します
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目次
警戒区域の一辺に長さの制限はあるか

面積さえ収まっていれば、細長い形でもよいのか。
(1) 警戒区域の一辺の長さは50メートル以下を目途とすること。
(2) 原則として、通路又は地下道に面する室、店舗等を1の警戒区域に含まれるよう設定すること。
(3) 燃焼機器等の設置されていない室、店舗等(通路又は地下道を含む)の面積も警戒区域に含めること。
(具体的には図例を参照)
制限を設けてよいか、という問いに対して、3つの決め方が示されました。
1つ目が長さです。一辺は50メートル以下を目途とすること。細長い区画は、離れた場所で漏れたときに探す範囲が広くなりすぎるという趣旨だと読めます。
2つ目と3つ目は範囲の取り方です。通路や地下道に面する室や店舗を1つの警戒区域にまとめること。そして燃焼機器等が置かれていない室や通路の面積も警戒区域に含めること。
ガスを使っていない部屋も面積に数えます。テナントが入れ替わって使い方が変わっても、区域の線は動かさなくてよい設計になっています。
ガスを使っていない部屋の面積まで含めるんですね。
そのとおりです。
テナントが替わっても区域の線を引き直さずに済む設計です。
音声警報装置の基準は何に準ずるか

その技術上の基準は、どこに書かれているのか。
ガス漏れ専用の基準が別に用意されているわけではありません。昭和48年消防庁告示第6号に準ずるとされました。
実務上の意味は大きいところです。音圧や音色の考え方は、館内放送や非常ベルと同じ土俵で見ればよいことになります。
逆にいえば非常警報設備で問題になることはガス漏れでも問題になります。営業中の騒音の中で聞こえるか、という論点は共通です。
建物側で確かめておきたいのは、既存の非常放送設備と兼ねているのか、別系統なのかです。点検票で系統を追ってみてください。
専用の基準があるものだと思っていました。
既存の基準に乗せた形です。
非常放送設備と兼ねているのか点検票で系統を追ってください。
検知器のない階にもスピーカーは要るか

では、検知器のない階には音響警報装置も要らないのか。
検知器がない階にもスピーカーの設置を要するとされました。
理由は役割の違いにあります。検知器はガスが漏れた場所を見つけるためのもの。スピーカーは人に知らせるためのものです。
ガスが漏れていない階にも人はいます。知らせる範囲は漏れる範囲より広く取るという整理です。
自分の建物では、検知器の配置図とスピーカーの配置図を並べて見てください。検知器のない階が空白になっていたら、そこが確認するべき点になります。
見つける範囲と知らせる範囲は別ということですね。
その理解で合っています。
配置図を2枚並べて、空白の階がないか見てください。
非常電源の容量はどう算定するか

その2回線を、どう数えて計算するのか。
問いの想定は「1回線に検知器1個」でしたが、回答はそれを大きく上回ります。
数えるのは、検知器の設置個数が最大となる回線のすべての検知器と、次に設置個数が多い1回線のすべての検知器です。その合計の消費電力から算定します。
つまり最悪の組み合わせを前提にしています。設備の考え方としては素直ですが、容量の見積りは1個で計算した場合よりずっと大きくなります。
建物側で意味を持つのは増設のときです。回線に検知器を足すと、非常電源の前提が変わることがあります。増設の見積りを取るときは電源側の確認も依頼してください。
増設で電源の前提が変わるとは思っていませんでした。
最大の回線で計算しますからね。
検知器を足す見積りでは電源側の確認も依頼してください。
予備電源の耐熱電線はどこまで及ぶか

では、受信機から先の配線も同じ扱いになるのか。
回答は短く、適用されないと言い切っています。
守られているのは予備電源から受信機までの区間だけです。そこが切れると受信機そのものが止まるからだと読めます。
受信機から中継器へ電力を供給する回路は、この規定の外にあります。耐熱の要求は無制限に広がるものではありません。
発注する側としては、耐熱電線の区間が図面のどこからどこまでかを示してもらうと確かめやすくなります。範囲が曖昧なまま見積りが上がることを防げます。
耐熱電線はどこまでも必要なのかと思っていました。
区間が決まっています。
耐熱の区間を図面で示してもらってください。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
よくある質問
まとめ
区域と警報と電源のつながりが見えました。
すっきりしました。
警戒区域の一覧図、スピーカーの配置図、そして耐熱の区間。
この3つを図面でそろえれば設計の根拠が追えます。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- ガス漏れ火災警報設備に係る疑義について(昭和56年12月18日 消防予第299号 消防庁予防救急課長から各都道府県消防主管部長あて回答)
- 非常警報設備の基準(昭和48年 消防庁告示第6号)
- 消防法施行規則第24条の2の3第1項第7号
- 消防実務六法 質疑応答編
※本記事は公表されている法令および通達に基づく一般的な解説です。掲載した回答は昭和56年当時のもので、通知番号や機関の名称等は当時のものです。図を前提とした回答を含むため、個別の事案についての適用は所轄消防署にご確認ください。





