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連結散水設備を省略できる部分はどこか|ボイラー室と金庫室と階段室の扱いを解説

連結散水設備を省略できる部分はどこか

連結散水設備は、地階で火災が起きたときに消防隊がポンプ車から水を送り込んで消すための設備です。
地階の天井に散水ヘッドを並べますが、地階のすべての部屋に付けなければならないわけではありません。
昭和48年から昭和54年にかけて、消防庁はボイラー室金庫室の扱いについての照会に回答しました。
そこから読み取れるのは燃えるものがあるかと消防隊が入るかで線を引くという考え方です。

うちのビルは地階に機械室と金庫室があります。
そこの天井にも散水ヘッドを付けないといけないのでしょうか。

区画された機械室や金庫室は、ヘッドを設けなくてよいと回答されています。
まずは地階の図面で区画がどこまで入っているかを確かめてください。

では階段室はどうなりますか。
人が通るだけの場所なので、こちらも外せそうな気がします。

階段室はその逆で、免除されていません
昭和48年から昭和54年に示された5つの照会を、順に見ていきます。

この記事の結論
  • 耐火構造の壁と床と甲種防火戸で区画されたボイラー室に連結散水ヘッドは必要ないとされました
  • 規則第30条の2第1項第3号の機械換気設備の機械室にはボイラー室も含むと回答されています
  • 金庫室は令第32条を適用し連結散水設備の設置を免除してさしつかえないとされました
  • 内装も下地も不燃材料の地下鉄のプラットホームは令第32条を適用し緩和して差し支えないとされています
  • 階段室を免除していないのは消防隊が階段を利用して消火活動を行うためとされました

ボイラー室に連結散水ヘッドは必要か

防火戸で区画された地階のボイラー室の天井に散水ヘッドが無いイメージ
連結散水設備には、散水ヘッドを設けなくてよい部分が定められています。
区画されたボイラー室がそこに入るかが問われました。
問 連結散水ヘツドの免除部分が規則第30条の2に規定されているが、ボイラー室(床面積60㎡、耐火構造の壁、床、甲種防火戸で区画された部分)にヘツドは必要かご教示願いたい。
答 必要ない。なお、当該場所に不燃性ガス消火設備を技術上の基準に従つて設置するよう指導されたい。
区画されていれば必要ありません
連結散水ヘッドの免除部分は規則第30条の2に定められています。
設問は、床面積60㎡で耐火構造の壁と床、甲種防火戸で区画されたボイラー室について尋ねたものです。
回答は必要ないとされ、あわせて当該場所には不燃性ガス消火設備を技術上の基準に従って設置するよう指導されたいと添えられました。
ご自分の建物では、地階のボイラー室がどの範囲まで区画されているかを図面で押さえてください。

つまり、区画されていればヘッドは要らないということですね。
機械の部屋だから当然に外れる、という話ではないのですね。

そのとおりです。
区画の有無が先で、部屋の呼び名は後から付いてきます。
まずは防火戸がどの開口に付いているかを見てください。

機械換気設備の機械室にボイラー室は含まれるか

同じ機械室の中に送風機とダクトとボイラーが並んで置かれているイメージ
免除部分の一つに、機械換気設備の機械室があります。
その機械室にボイラー室が入るのかが問われました。
問 規則第30条の2第1項第3号の機械換気設備の機械室の中にはボイラー室も入るか
答 含む。なお、当該場所に不燃性ガス消火設備を技術上の基準に従つて設置するよう指導されたい。
ボイラー室も機械室に含まれます
規則第30条の2第1項第3号は、機械換気設備の機械室を免除部分として挙げています。
設問は、その機械室という言葉にボイラー室が入るかを尋ねたものです。
回答は含むとされ、ここでも当該場所に不燃性ガス消火設備を設置するよう指導されたいと添えられています。
検査や点検の前に、地階のどの部屋が機械室にあたるのかを一覧にしておくと話が早くなります。

送風機の部屋とボイラーの部屋を分けて数えていました。
どちらも機械室として見てよいのですね。

機械換気設備の機械室を、ボイラー室を除いた狭い意味に読む必要はないということです。
図面の部屋名だけで判断せず、中の設備で見てください。

金庫室の連結散水設備は令第32条で免除できるか

厚い扉で区画された金庫室の天井に散水ヘッドが無いイメージ
免除部分に挙がっていない部屋でも、令第32条という道があります。
金庫室について、その適用の可否が問われました。
問 金庫室は、通常耐火構造で区画され、開口部の扉は甲種防火戸以上の性能を有すると考えられるが、当該部分に連結散水設備の設置が義務付けられた場合、令第32条を適用することはできないか
答 設問の場合、令第32条の規定を適用し、連結散水設備の設置を免除してさしつかえないものと解する。
免除してさしつかえないとされました
令第32条は、消防長等が支障がないと認めるときに基準の特例を認める規定です。
設問は、金庫室が通常は耐火構造で区画され扉も甲種防火戸以上の性能を有することを前提に、その適用を尋ねたものです。
回答は、設問の場合には令第32条の規定を適用し連結散水設備の設置を免除してさしつかえないものと解するとされました。
ただし特例の判断は所轄消防署によるので、区画の状態が分かる図面をそろえてから相談してください。

免除の一覧に載っていない部屋は、あきらめるしかないと思っていました。
別の条文で外せる場合もあるのですね。

そのとおりです。
ただし自動的に外れるものではなく、支障がないと認められることが前提になります。
相談の前に、扉の性能が分かる資料もそろえておいてください。

地下鉄のプラットホームは連結散水設備を免除できるか

内装が不燃材料の地下鉄のプラットホームの天井に散水ヘッドが無いイメージ
令第32条は、燃えるものがない場所についても使われています。
地下鉄のプラットホームについて、免除の可否が問われました。
問 地下鉄のプラットホームで、内装仕上げを不燃材料でし、かつ、その下地を不燃材料で造つた場合連結散水設備の設置を免除できないか
答 設問の場合は、一般の建築物と異なり可燃物もないので令第32条の規定を適用し緩和して差し支えない
可燃物がないことが決め手になりました
設問は、内装仕上げを不燃材料とし、その下地も不燃材料で造った地下鉄のプラットホームについて尋ねたものです。
回答は、設問の場合は一般の建築物と異なり可燃物もないので令第32条の規定を適用し緩和して差し支えないとされています。
仕上げだけでなく下地まで不燃材料であることが前提に置かれている点に注意してください。
広い地下空間を持つ建物では、まず内装の仕様書を確かめるところから始まります。

不燃材料と書いてあれば通る、というわけではないのですね。
下地まで見られるとは思いませんでした。

設問がそこまで書き込んでいるところが要点です。
内装の仕様書を出せるようにしておいてください。

階段室はなぜ連結散水設備を免除しないのか

地階の階段室の天井に散水ヘッドが並び消防隊が階段をおりるイメージ
スプリンクラー設備では、階段室がはっきり除かれています。
連結散水設備で同じ扱いにならない理由が問われました。
問 地階に連結散水設備を設置させる場合、消防法施行規則第30条の2による除外規定の中に階段室は含まれていないが、スプリンクラー設備の場合は、消防法施行規則第13条第2項第1号に階段室として明示されている。この相違について御教示ください。また、階段室に設置される場合、地階居室と階段室とが甲種又は乙種の防火戸で区画された耐火建築物でも散水ヘツドの設置は免除できないか。
答 前段連結散水設備の設置を階段室部分について免除していないのは、当該設備が消火活動上必要な設備であり消防隊が階段を利用して安全かつ効果的な消火活動を行おうとするためのものであるからである。後段消防法施行規則第30条の2の規定によられたい。
消防隊が使う通り道だからです
設問では、スプリンクラー設備の場合は規則第13条第2項第1号に階段室として明示されていると指摘されました。
回答は、連結散水設備が消火活動上必要な設備であり、消防隊が階段を利用して安全かつ効果的な消火活動を行おうとするためのものであるからと示されています。
後段の、地階居室と階段室が防火戸で区画された耐火建築物での免除については、規則第30条の2の規定によられたいとされました。
地階の階段室にヘッドが並んでいたら、それは逃げる人のためではなく消防隊のためのものだと考えてください。

階段室のヘッドは、逃げる人のためではないのですね。
消防隊が上り下りする前提だとは思いませんでした。

地階の階段は消防隊の通り道になります。
点検のときは、階段室のヘッドが物で塞がれていないかも見てください。

よくある質問

Q区画されたボイラー室にも連結散水ヘッドは必要ですか?
A耐火構造の壁と床、甲種防火戸で区画された床面積60㎡のボイラー室について必要ないと回答されています。ただし当該場所には不燃性ガス消火設備を技術上の基準に従って設置するよう指導されたいとされました。
Q機械換気設備の機械室にボイラー室は入りますか?
A規則第30条の2第1項第3号の機械換気設備の機械室にはボイラー室も含むと回答されています。この場合も当該場所に不燃性ガス消火設備を設置するよう指導されたいとされました。
Q金庫室の連結散水設備は外せますか?
A令第32条の規定を適用し免除してさしつかえないものと解するとされています。金庫室が通常は耐火構造で区画され扉も甲種防火戸以上の性能を有することが前提に置かれています。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。
Q地階の階段室は連結散水設備を免除できませんか?
A階段室部分を免除していないのは、連結散水設備が消火活動上必要な設備であり消防隊が階段を利用して消火活動を行うためと回答されています。防火戸で区画された耐火建築物の場合については規則第30条の2の規定によられたいとされました。

まとめ

連結散水ヘッドの免除部分は規則第30条の2に定められています
耐火構造の壁と床と甲種防火戸で区画されたボイラー室に連結散水ヘッドは必要ないとされました
規則第30条の2第1項第3号の機械換気設備の機械室にはボイラー室も含むと回答されています
ボイラー室には不燃性ガス消火設備を技術上の基準に従って設置するよう指導されたいとされました
金庫室は令第32条を適用し連結散水設備の設置を免除してさしつかえないとされました
内装も下地も不燃材料の地下鉄のプラットホームは令第32条を適用し緩和して差し支えないとされています
階段室を免除していないのは消防隊が階段を利用して消火活動を行うためとされました

地階のどこにヘッドが要るのか整理できました。
まずは区画の入り方を図面で見直します。

ぜひそうしてください。
連結散水設備は燃えるものがあるかと消防隊が入るかで線を引きます
㈱防災屋でもご相談を承っています。

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参考・出典

  • ボイラー室に連結散水ヘツドは必要か(昭和48年10月23日 消防予第140号・消防安第42号 予防課長・安全救急課長から各都道府県消防主管部長あて回答)
  • 機械換気設備の機械室にボイラー室は含まれるか(昭和48年10月23日 消防予第140号・消防安第42号)
  • 地下鉄のプラットホームでは連結散水設備の設置は免除可能か(昭和48年10月23日 消防予第140号・消防安第42号)
  • 連結散水設備の設置を階段室部分について免除していない理由は(昭和49年4月2日 消防安第34号 安全救急課長から佐賀県あて回答)
  • 金庫室の消防用設備等について(昭和54年6月22日 消防予第118号〔43〕 予防救急課長から各都道府県消防主管部長あて回答)
  • 消防法施行令第32条/消防法施行規則第13条・第30条の2
  • 消防実務六法 質疑応答編

※本記事は公表されている法令および通達に基づく一般的な解説です。掲載した回答は各通知が発出された当時のもので、通知番号や機関の名称等は当時のものです。その後の改正により運用が変わっている場合があります。個別の事案についての適用は、所轄消防署にご確認ください。

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