マンションの共同住宅用自動火災報知設備は、感知器をどこに付けるかで手が止まります。
メーターボックスやパイプシャフトのような細長い縦の空間まで拾うのかは、告示の文言だけでは決めきれません。
住戸の中にある階段や廊下を共用の廊下と同じに見るのかも判断が分かれます。
質疑応答が示したのは感知器を置く場所と受信機に出す表示の線引きです。
共用廊下に並んでいるメーターボックスの中まで感知器が要るのでしょうか。
図面を見ても記号が入っていません。
そこは設置しないこととして差し支えないとされています。
記号が無いのが正しい状態です。
階段の感知器を熱式にしたいという相談も受けています。
これも認められるのでしょうか。
そちらは認められないとされています。
5つの回答で、感知器の場所と受信機の表示が整理できます。
- メーターボックスやパイプシャフト等には感知器を設置しないこととして差し支えありません
- 住戸や共用室や管理人室の中の階段や廊下は告示の階段及び傾斜路や廊下及び通路に該当しないものとして取り扱えます
- 階段や傾斜路やエレベーターの昇降路等に熱感知器を設ける扱いは認められません
- 警戒区域を表示する機能を有しない共同住宅用受信機は火災表示で住戸等を特定すれば足ります
- 150平方メートルを超える住戸等でも措置が講じられた場合は受信機を設置することができます
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目次
メーターボックスやパイプシャフトに感知器は要るか

配管や量水器を納めたメーターボックスやパイプシャフトまで含むのかが問われました。
メーターボックスやパイプシャフトは、点検扉を開けて中の配管や量水器を確かめるための空間です。
回答は、こうした部分について感知器を設置しないこととして差し支えないとしました。
理由までは書かれていませんが、居住者が日常的に立ち入って使う部分とは性格が異なります。
竣工図の感知器の記号をひととおりたどり、点検のたびに開けている扉の中まで拾っていないかを見ておくと数の食い違いが起きません。
付いていないのは付け忘れだと思っていました。
逆に、無いことを説明できるようにしておくのが大事です。
点検の記録にひとこと残しておくと引き継ぎが楽になります。
住戸の中の階段や廊下も告示の階段や廊下に当たるか

住戸の中にも階段や廊下がある場合に、これを同じものとして数えるのかが問われました。
告示が感知器を求めている階段及び傾斜路や廊下及び通路は、住戸の外側にある共用部分を指しています。
回答は、住戸、共用室又は管理人室の中に設けられる階段、廊下、通路及び傾斜路について、これに該当しないものとして取り扱ってよいとしました。
住戸の中に内階段があっても、共用の階段と同じ扱いで感知器を数える必要はないことになります。
平面図に住戸の輪郭を一度なぞってから感知器の数を数えると、内と外を取り違えた手戻りを防げます。
うちの上下階でつながった住戸にも内階段があります。
その内階段は共用の階段とは切り分けて考えます。
図面の住戸の線がそのまま境目になります。
階段や昇降路の煙感知器を熱感知器に替えられるか

そこへ令第32条を適用して熱感知器に替えられないかが問われました。
令第32条は、防火対象物の位置や構造や設備の状況から判断して基準どおりでなくても支障がないと認められるときに、規定の適用を外せる仕組みです。
回答は、その令第32条を適用しても熱感知器の設置は認められないとしました。
階段、傾斜路、エレベーターの昇降路等には煙感知器を設置する必要があるとされています。
古い設備を更新する計画があるなら、縦につながった部分の感知器がどの種別かを先に洗い出しておくと、後から取替えを足さずに済みます。
誤報が多いから熱式にしたいという声が出ていました。
種別を変える方向では通りません。
誤報の原因は設置の位置や環境の側から探します。
感知器の警戒区域を表示しない受信機でもよいか

感知器の作動した警戒区域を表示しない受信機でよいかが問われました。
回答は無条件に認めたわけではなく、警戒区域を表示する機能を有しない共同住宅用受信機に限って、お見込みのとおりとしました。
その場合は、火災表示によって火災の発生した住戸等を特定できれば足りることになります。
表示する機能を持つ受信機をどう扱うかまでは、この回答は触れていません。
自分の建物の受信機がどちらなのかは仕様書で確かめられますので、点検の記録に型式と併せて書き残しておくと問い合わせのたびに調べ直さずに済みます。
部屋番号が出れば十分だと考えていました。
住戸等が特定できることが要になります。
まずは手元の受信機の仕様書を開いてみてください。
床面積が150平方メートルを超える住戸等ではどうするか

それでも設置が必要な住戸等の床面積が大きい場合の扱いが問われました。
告示は、共同住宅用受信機及び住戸用受信機を床面積が150平方メートルを超える住戸等に設けないこととしています。
回答は、補助音響装置にて音声警報を補完する等、在館者に対して有効に火災の発生を報知することができるよう措置が講じられた場合は、共同住宅用受信機又は住戸用受信機を設置することができるとしました。
判断の軸は装置の数ではなく、在館者に有効に火災の発生を報知できるかどうかに置かれています。
広い住戸を含む計画では、音がどこまで届くかをどう補うかを設計の段階で図面に書き込み、所轄消防署と早めにすり合わせておくと確実です。
広い住戸だから設置できない、で終わる話ではないのですね。
報知が有効に届く措置とセットで考えます。
どんな措置にするかは早めに相談しておくと後戻りがありません。
よくある質問
まとめ
感知器の場所と受信機の表示がつながりました。
平面図に住戸の線を入れてから数え直してみます。
省ける場所、種別を変えられない場所、受信機の表示。
この3つを図面で押さえれば話が早く進みます。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 消防用設備等に係る執務資料の送付について(平成18年11月30日 消防予第500号 消防庁予防課長から各都道府県消防防災主管部長・東京消防庁・各指定都市消防長あて)
- 共同住宅用自動火災報知設備の設置及び維持に関する技術上の基準を定める件(平成18年消防庁告示第18号)
- 住戸用自動火災報知設備及び共同住宅用非常警報設備の設置及び維持に関する技術上の基準を定める件(平成18年消防庁告示第19号)
- 消防法施行令(昭和36年政令第37号)第32条
- 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第24条
- 消防実務六法 質疑応答編
※本記事は公表されている法令および通達に基づく一般的な解説です。掲載した回答は平成18年当時のもので、告示番号や機関の名称等は当時のものです。その後の改正により運用が変わっている場合があります。個別の事案についての適用は、所轄消防署にご確認ください。





