マンションに共同住宅用非常警報設備を入れると、次に決めるのは鳴らし方です。
全館を一斉に鳴らすのか、それとも一部だけにとどめるのか。
建物が廊下型か階段室型かで、答えが変わります。
質疑応答が示したのは建物の形に合わせて鳴らす範囲を分けてよいという考え方です。
うちのマンションは階段室型で、階段が3つ別々に建っています。
火事のときに全部の階段を鳴らす必要があるのでしょうか。
そこは分けられます。
階段室等ごとに鳴動させる方式としてよいという回答が出ています。
受信機に付いている主音響装置は、音声警報装置の代わりになりますか。
条件を満たせばなります。
5つの回答を順に見ていきます。
- 階段室型の特定共同住宅等は階段室等ごとに鳴動させる方式としてよいとされました
- 廊下型の区分鳴動は出火階及びその直上階を鳴らす方式です
- 区分鳴動が認められるのは一斉鳴動もできる措置が講じられている場合です
- 告示に適合する受信機の主音響装置は音声警報装置に該当します
- 住戸等以外の部分では連動した放送設備を音声警報装置に代えて使えます
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目次
階段室型では階段室ごとに鳴らしてよいか

しかし階段室型の建物では、住む人の動線が階段ごとに分かれます。平成19年の114号通知にこの問いがあります。
なお、共同住宅用非常警報設備の設置が必要な部分に対し、消防法施行令(昭和36年政令第37号)第21条に従い自動火災報知設備を設置する場合も同様である。
告示が定める原則は、一の起動装置の操作による一斉鳴動です。
ただし階段室型の場合は、階段室等ごとに鳴動させる方式としてよいとされました。階段が分かれていれば、逃げる経路も分かれるからです。
なお書きも見落とせません。共同住宅用非常警報設備が必要な部分に消防法施行令第21条に従い自動火災報知設備を設置する場合も同様である、とされています。設備の種類が変わっても扱いは揃います。
自分の建物では、階段室が何本あるかと、それぞれがどの住戸につながっているかを図面で押さえてください。鳴動の区分はその線引きに乗ります。
階段が分かれていれば鳴らす範囲も分けられるんですね。
そこが考え方の軸です。
階段室が何本あるかを図面で押さえてください。
起動装置による鳴動方式は廊下型とどう分かれるか

建物が廊下型か階段室型かで、区分の切り方が変わります。平成19年の317号通知に同じ番号の問いがあります。
問いのほうに2つの型が並んでいます。廊下型は出火階及びその直上階、階段室型は当該階段室ごと。どちらも区分鳴動です。
ただし答えは無条件ではありません。一斉鳴動もできる措置が講じられている場合はという条件が付いています。分けて鳴らすことを認める前提として、必要なときには全部鳴らせることを求めています。
根拠として挙げられたのは19号告示第4、一(二)です。区分鳴動そのものの規定ではなく、一斉鳴動に切り替えられることを担保する規定が引かれています。
だから区分鳴動を採るなら、受信機で一斉鳴動に切り替えられるかを先に確かめてください。切り替えができなければ、この回答の前提から外れます。
分けて鳴らすなら一斉鳴動もできないといけない、ということですか。
その順番です。
受信機で一斉鳴動に切り替えられるかを確かめてください。
受信機の主音響装置は音声警報装置になるか

しかし受信機そのものにも、音を出す装置が付いています。
条件は1つだけです。主音響装置が18号告示第3、九(三)に適合していること。
適合していれば、当該住戸、共用室及び管理人室に設ける音声警報装置に該当するものとして扱えます。受信機とは別にスピーカーを足す必要はありません。
逆に言えば、適合していない受信機ではこの扱いができません。告示への適合が分かれ目です。
自分の建物では、受信機の型式と告示適合の記載を仕様書で確かめてください。それが分かれば設置の要否がはっきりします。
受信機が告示に適合していれば別のスピーカーは要らないんですね。
そう読めます。
受信機の型式と告示適合の記載を仕様書で確かめてください。
音声警報装置の代わりに放送設備を使えるか

共用廊下や機械室のような、住戸等以外の部分です。
対象は住戸、共用室又は管理人室以外の部分です。住戸の中の話ではありません。
かっこ書きに除外があります。直接外気に開放された共用部分を除く。開放廊下のように外気に開いた場所は、そもそもこの対象から外れています。
使えるのは、共同住宅用自動火災報知設備と連動した政令第24条に基づく非常警報設備の放送設備です。単独で鳴る放送設備ではありません。連動していることが条件です。
すでに放送設備が入っている建物なら、自動火災報知設備と連動しているかを確かめてください。連動していれば、音声警報装置を重ねて入れずに済みます。
開放廊下はもともと対象外ということですか。
かっこ書きでそう除かれています。
放送設備が自動火災報知設備と連動しているかを確かめてください。
信号回路の配線はどこまでを指すか

機器の中まで含むのかどうかで、作業の範囲が変わります。
なお、この導通試験とは別に、機器内の配線及び基板パターンについても、当該機器としての導通を確認することが必要となることを念のため申し添える。
告示にいう信号回路の配線は、機器の接続端子までの配線を指します。機器内の配線と基板パターンは含まれません。
ただしなお書きで釘が刺されています。この導通試験とは別に機器内の配線及び基板パターンについても当該機器としての導通を確認することが必要とされました。
含まれないというのはこの導通試験の範囲の話であって、確認しなくてよいという意味ではありません。確認する場面が違うだけです。
点検の記録を作るときは、配線の導通試験と機器としての導通確認を分けて書いてください。まとめて書くと、どちらをやったのか後から分かりません。
含まれないと書いてあると、確認しなくてよいと読んでしまいそうです。
そこは分けて考えます。
この導通試験の範囲に含まれないというだけです。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
よくある質問
まとめ
鳴らす範囲は建物の形で決まるんですね。
もやもやが晴れました。
廊下型か階段室型か、そして一斉鳴動に切り替えられるか。
この2点でだいたい決まります。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 特定共同住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令(平成17年総務省令第40号)等に係る執務資料の送付について(平成19年3月27日 消防予第114号 予防課長から各都道府県消防防災主管部長・東京消防庁・各指定都市消防長あて)
- 消防用設備等に係る執務資料の送付について(平成19年9月3日 消防予第317号 予防課長から各都道府県消防防災主管部長・東京消防庁・各指定都市消防本部あて)
- 共同住宅用自動火災報知設備の設置及び維持に関する技術上の基準を定める件(平成18年消防庁告示第18号)
- 住戸用自動火災報知設備及び共同住宅用非常警報設備の設置及び維持に関する技術上の基準を定める件(平成18年消防庁告示第19号)
- 消防法施行令(昭和36年政令第37号)第21条・第24条
- 消防実務六法 質疑応答編
※本記事は公表されている法令および通達に基づく一般的な解説です。掲載した回答は平成19年当時のもので、通知番号や機関の名称等は当時のものです。その後の改正により運用が変わっている場合があります。個別の事案についての適用は、所轄消防署にご確認ください。





