倉庫は、消防法上どんな基準で設備が決まるかご存知でしょうか。
在庫を置くだけの建物だから、消火器具さえあれば十分と思われがちです。
実は延べ面積が増えるごとに、必要な設備は段階的に重くなっていきます。
倉庫は消防法施行令別表第一(14)項として、面積に応じて消火器具・自動火災報知設備・屋内消火栓設備の基準が順番に切り替わる仕組みを持っています。
うちの倉庫は在庫を置くだけなので、消火器具さえあれば大丈夫ですよね。
延べ面積が増えると、消火器具だけでは済まなくなります。
面積ごとに必要な設備が段階的に増えていきます。
うちの倉庫がどの段階に当たるのか、正直分かっていません。
多くの方がそうです。
順番に確認していきましょう。
- 倉庫は消防法施行令別表第一(14)項に区分される非特定用途の防火対象物です
- 収容人員は従業者の数のみで算定します
- 収容人員が50人以上になると防火管理者の選任が必要になります
- 消火器具は延べ面積150平方メートル以上、自動火災報知設備は500平方メートル以上、屋内消火栓設備は700平方メートル以上で設置義務が生じます
- 屋内消火栓を設置する場合、倉庫は通常の1号消火栓に限られ、省力型の消火栓は選べません
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目次
倉庫は消防法上どの用途に区分されるのか

まずはその位置づけと、収容人員の数え方を確認します。
病院や工場のようなイ・ロの枝分かれがなく、規模や貨物の種類を問わずひとつの用途にまとめられています。
収容人員は消防法施行規則第1条の3により従業者の数のみで算定し、(十)項・(十二)項・(十三)項の車庫等と同じ考え方です。
来客が使う床面積まで加算する神社仏閣等の(十一)項とは、この点が大きく異なります。
この後に出てくる設置基準も、すべて(14)項という同じ区分の中で決まっていきます。
うちの倉庫、イとかロで分かれてないんですね。
はい。
倉庫は枝分かれのない単独区分です。
防火管理者の選任は従業員何人からが必要になるのか

倉庫の場合の線引きと、面積による資格の違いを確認します。
倉庫は従業者数のみで収容人員を算定するため、パート・アルバイトを含めた実際の勤務人数を数え直す必要があります。
さらに消防法施行令第3条第1項により、延べ面積が500平方メートル未満の倉庫は乙種防火対象物、500平方メートル以上は甲種防火対象物に分かれます。
甲種と乙種では防火管理者が受ける講習の種類が異なるため、面積を確認してから講習先を選ぶことになります。
この500平方メートルという数字は、次の見出しで説明する設備基準にも重なって出てきます。
うちは常時40人くらいなので、防火管理者は要らないと思っていました。
パートの方も含めてもう一度数えてみてください。
50人を超えていれば選任が必要です。
延べ面積が増えると倉庫にはどんな設備が必要になるのか

3つの基準を順番に確認します。
500平方メートルを超えると自動火災報知設備、700平方メートルを超えると屋内消火栓設備が加わる三段階の基準です。
数字だけを見ると細かく感じますが、面積が大きくなるほど設備が重くなるという一本の流れで捉えると分かりやすくなります。
増築や在庫棟の増設で延べ面積が変わったときは、そのたびにこの三段階を照らし合わせる必要があります。
特に700平方メートルという節目は、次の見出しで説明する設備の選び方にも関わってきます。
うちは300平方メートルくらいなので、まだ消火器具だけで大丈夫そうです。
自動火災報知設備の基準は500平方メートルからです。
増築の予定があれば、今のうちに確認しておきましょう。
屋内消火栓を設置するとき倉庫だけ選べない型式があるのか

倉庫にはそのうち選べない型式があります。
工場等と同じ扱いで、省力型の易操作性1号消火栓や2号消火栓を選ぶことができません。
1号消火栓はホース接続口までの水平距離が25メートル以下、水源も設置個数に応じて多めに確保する必要があり、易操作性のものより規模が大きくなります。
消火栓を1人で操作できる小型タイプに更新しようとしても、倉庫である限りこの選択肢は使えません。
既存の消火栓を交換する計画がある場合は、型式の制限を先に確認してから見積りを取ることをおすすめします。
小型で軽い消火栓に交換しようと思っていました。
倉庫は1号消火栓しか選べません。
更新前に確認しておいてよかったです。
明日からなにを確認すればよいのか

そのうえで明日からの確認手順を整理します。
天井の高さが10メートルを超え、かつ延べ面積が700平方メートル以上のラック式倉庫が対象です。
一般的な平置きの倉庫はこの基準に当たらず、スプリンクラーの設置義務はありません。
確認する順番は、まず従業者数を数えて防火管理者の要否と甲種・乙種を判定し、次に延べ面積を測って消火器具・自動火災報知設備・屋内消火栓設備の要否を確認し、最後にラック式かつ天井高10メートル超・700平方メートル以上ならスプリンクラーも確認する、という流れです。
自分で判断がつかない場合は、所轄の消防署に相談してください。
順番に確認してみます。
はい。
不安な点があれば所轄消防署にも相談してください。
よくある質問
まとめ
面積ごとに何が必要になるか、順番が分かって助かりました。
延べ面積・従業者数・ラック式かどうか。
この3つを順に確かめれば大きく外しません。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 消防法施行令別表第一(十四)項(倉庫)
- 消防法施行規則第1条の3(収容人員の算定方法)
- 消防法施行令第1条の2第3項第1号ハ(防火管理者を定めなければならない防火対象物)
- 消防法施行令第3条第1項(防火管理者の資格)
- 消防法施行令第10条第1項第2号、第21条第1項第4号、第11条第1項第2号(消火器具・自動火災報知設備・屋内消火栓設備に関する基準)
- 消防法施行令第11条第3項第1号(屋内消火栓設備の設置及び維持に関する技術上の基準)
- 消防法施行令第12条第1項第5号(スプリンクラー設備に関する基準)
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





