立入検査で防災センターに入ると、見慣れない大きな操作盤が壁一面に付いていることがあります。
これは総合操作盤という設備で、スプリンクラー設備や自動火災報知設備、誘導灯などをまとめて監視・操作するためのものです。
実は消防法施行規則のたった一つの条文が、性格の違う16種類もの設備の基準として繰り返し使われています。
総合操作盤という一つの設備を確認するだけで、建物のたくさんの消防用設備等をまとめて理解する手がかりになります。
うちのビルの防災センターにも大きな盤があるんですが、あれは何のための設備なんですか。
それは総合操作盤ですね。
大規模な建物や地下街で、消防用設備等の監視や操作を一箇所にまとめるための機器です。
屋内消火栓のための盤だと思っていたんですが、他の設備とも関係あるんですか。
実はそのとおりです。
根拠になっている条文が、16種類もの設備の基準に繰り返し使われているんです。
- 総合操作盤は消防用設備等の監視・操作を一つの場所でまとめて行うための設備です
- 設置が必要になるのは、延べ面積5万平方メートル以上などの大規模・高層の建物や、延べ面積千平方メートル以上の地下街です
- 対象は屋内消火栓設備だけでなく、スプリンクラー設備や自動火災報知設備、誘導灯など16種類の設備の基準にも同じ規定が準用されています
- 総合操作盤がある建物では、警戒区域一覧図など個別設備の備え付け義務が省略できる場合があります
- 立入検査では防災センター等に総合操作盤があるか、建物の規模が基準に当たるかを確認します
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目次
総合操作盤とはそもそも何をする設備なのか

まずは総合操作盤そのものの定義から確認しましょう。
条文の見出しは「屋内消火栓設備に関する基準の細目」ですが、実際には他の設備の基準からも参照されています。
そのため総合操作盤があるかどうかは、屋内消火栓設備だけでなく建物全体の防災体制を知る手がかりになります。
まずはこの条文が何を定めているのかを、正確に押さえておきましょう。
次の章では、どんな建物に総合操作盤の設置義務が生じるのかを見ていきます。
屋内消火栓設備の条文なのに、他の設備からも参照されるって不思議ですね。
そうなんです。
一番よく使われている基準を、他の設備の条文が後から借りてくる形になっています。
総合操作盤はどんな建物に必要になるのか

どのくらいの規模から義務になるのかを確認しましょう。
自分の建物が延べ面積や階数の数字に届いていないからといって、無条件で対象外とは言い切れません。
消防長又は消防署長の指定による区分があるためです。
地下街は延べ面積千平方メートル以上という、他の区分より小さい規模から対象になる点も見落としやすいところです。
立入検査で規模を確認するときは、延べ面積・階数・地下街かどうかの三点をまず押さえましょう。
次の章では、この基準がどんな設備の条文から参照されているのかを見ていきます。
うちのビルは延べ面積も階数も基準に届いていないので、対象外ということですね。
数字だけならそうですが、消防長や消防署長の指定という区分もあります。
念のため所轄の消防署に確認しておくと安心です。
総合操作盤は屋内消火栓設備専用の制度なのか

ところが、この基準は他の設備の条文からも繰り返し呼び出されています。
一つ一つの設備を個別に見ると気づきにくいですが、条文をたどると同じ一文が何度も出てくることが分かります。
連結送水管や非常コンセント設備のように、平常時は目立たない消火活動上必要な施設まで対象に含まれている点は意外に見落とされがちです。
つまり総合操作盤がある建物では、日頃目にする設備の背後に建物全体の防災体制がつながっています。
次の章では、この仕組みを知らないと立入検査でどんな見落としが起きるのかを見ていきます。
16種類も対象があるなんて、想像していませんでした。
そうなんです。
一つの条文が建物全体の設備をつないでいると考えると分かりやすいですよ。
総合操作盤があれば警戒区域一覧図は省略できるのか

総合操作盤があることで、省略できる備え付け義務があります。
まずは防災センター等に総合操作盤が設置されているかどうかを確認しましょう。
総合操作盤があるのに一覧図も無ければ問題ありませんが、総合操作盤自体が無いのに一覧図も無い場合はあらためて確認が必要です。
1つの設備だけを見て「この建物には総合操作盤は要らない」と思い込むのも同じ理由で危険です。
建物全体の規模で判断が変わることを忘れないようにしましょう。
警戒区域一覧図が無いのを見つけて、すぐ指摘しそうになっていました。
まずは総合操作盤の有無を確認する順番が大事ですね。
順番を間違えると誤解につながります。
立入検査で防災センター等の何を確認すればよいのか

まずは「防災センター等」という場所そのものの定義を押さえます。
延べ面積・階数・地下街かどうかを押さえたうえで、防災センター等に総合操作盤があるかを見ます。
総合操作盤がある場合は、スプリンクラー設備や自動火災報知設備、誘導灯など、関連する設備の状況が一箇所で確認できているかもあわせて見ておくとよいでしょう。
総合操作盤が無い場合でも、規模の基準に当たらないかを確認してから判断することが大切です。
この順番を押さえておけば、防災センターでの確認作業がぐっとやりやすくなります。
規模の確認から総合操作盤の確認まで、順番がよく分かりました。
次に防災センターを見るときは、ぜひこの順番を思い出してください。
迷ったときはいつでもご相談ください。
よくある質問
まとめ
総合操作盤の見方がやっと腑に落ちました!
今度の立入検査で確認してみます。
建物の規模と設備の対応関係は最初は分かりにくいところですよね。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法施行規則第12条第1項第8号
- 消防法施行規則第24条第1項第9号、第24条の2第1項第1号ハ
- 消防法施行規則第30条の3第1項第5号
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





