危険物取扱者試験には、甲種・乙種・丙種の3つの種類があります。
このうち乙種と丙種は誰でも受験できますが、甲種だけは受験資格が定められています。
受験資格には、化学系の学歴によるルートと、乙種免状取得後の実務経験によるルートの2つがあります。
本記事では、甲種を受けるための受験資格の2つのルートと、試験科目・科目免除の仕組みを条文に沿って整理します。
乙種を持っていれば、甲種も誰でも受けられると思っていました。
いいえ、甲種だけは受験資格が必要です。
どんな要件を満たせばいいのか、よく分かりません。
学歴か実務経験、どちらかのルートを満たせば受けられます。
順番に見ていきましょう。
- 消防法第13条の3第4項は、一定の要件を満たす者でなければ甲種危険物取扱者試験を受けることができないと定めています
- 乙種・丙種の危険物取扱者試験には受験資格の定めがなく、誰でも受験できます
- 甲種の受験資格には、化学系の学歴によるルートと乙種免状取得後の実務経験によるルートの2つがあります
- 試験科目は甲種・乙種・丙種で範囲が異なり、乙種は受験する類の範囲だけに絞られます
- すでに乙種免状を持つ人が他の乙種を受けるときは、試験科目の一部が免除される仕組みがあります
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目次
危険物取扱者試験は誰でも受けられるのか

このうち受験資格が定められているのは、甲種だけです。
乙種危険物取扱者試験と丙種危険物取扱者試験には、受験資格の定めがありません。
学歴・実務経験・年齢を問わず、誰でも申し込むことができます。
一方で甲種危険物取扱者試験だけは、法律で定められた要件を満たす者でなければ受験できません。
その要件がどんな内容なのかを、次に見ていきます。
乙種を持っていれば、甲種もそのまま受けられるんですよね。
いいえ、甲種だけは別の要件を満たす必要があります。
甲種を受けるにはどんな要件が必要か

どちらか一方を満たせば、甲種危険物取扱者試験を受けることができます。
第1号は、大学や高等専門学校で化学系の学科・課程を修めて卒業したことなどを求めるルートです。
細目は総務省令(危険物の規制に関する規則第53条の3)に委任されており、化学系の授業科目を一定単位数修得した場合なども含まれます。
第2号は、乙種危険物取扱者免状の交付を受けた後2年以上の実務経験を持つ人が対象のルートです。
現場で乙種取扱者として働いてきた人にとっては、こちらのほうが現実的な道になります。
大学で化学を勉強していなくても、甲種を目指せますか。
はい。
乙種取得後2年以上の実務経験があれば受験できます。
試験科目は種類によってどう変わるのか

まず甲種の科目を確認します。
乙種は同じ3科目の構成ですが、範囲が受験する類の危険物だけに絞られます。
丙種はさらに範囲が狭く、丙種が取り扱える危険物に関する基礎知識が中心になります。
つまり甲種は危険物全般を深く、乙種は特定の類を絞って、丙種は限られた品目を基礎から問われる違いです。
自分がどの類を扱う仕事に就くのかを先に決めておくと、乙種のどの類を受けるかも判断しやすくなります。
乙種は自分が扱う類だけ勉強すればいいんですね。
はい。
受験する類の範囲だけで済みます。
科目が免除されるのはどんな場合か

条文を確認します。
免除されるのは、共通科目である基礎的な物理学及び化学と危険物に関する法令の2科目です。
残るのは、受験する類に固有の性質・火災予防・消火の方法の科目だけになります。
このほか消防団員として基礎教育の警防科を修了した人が丙種を受ける場合にも、一部科目が免除される規定があります。
免除を受けるには申請が必要なので、手続きの段階で忘れずに申し出ることが実務上のポイントです。
すでに乙4を持っています。
乙2を追加で取るときも全部勉強し直しですか。
いいえ。
法令と物理化学は免除されます。
受験の手続きはどう進めればよいのか

提出する書類を確認します。
甲種を受ける人は、卒業証明書や乙種免状の写しなど、受験資格を証明する書類を添える必要があります。
科目免除を受ける人も、免状の写しなど該当する証明書類をあわせて提出します。
試験の日時・場所は都道府県知事または指定試験機関があらかじめ公示するので、居住地や勤務地の都道府県のスケジュールを確認します。
書類の不備は受付の段階で差し戻されることが多いため、提出前に必要書類の一覧を一度チェックしておくと安心です。
願書と一緒に、証明書類も出す必要があるんですね。
はい。
受験資格を証明する書類を忘れずに添えてください。
よくある質問
まとめ
自分が満たせるルートを確認して、必要な証明書類を揃えます!
受験資格の確認から資格取得後の実務体制まで、㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法第13条の3第4項
- 危険物の規制に関する規則第53条の3
- 危険物の規制に関する規則第55条第1項
- 危険物の規制に関する規則第55条第6項
- 危険物の規制に関する規則第57条
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





