防火設備定期検査を終えたら、次は検査結果表への記入が待っています。
「指摘なし」「要是正」「既存不適格」など欄の数が多く、どこに何を書けばよいか迷いがちです。
複数の検査者が関わった場合や、特定行政庁が項目を追加している場合の書き方も押さえておく必要があります。
本記事では防火設備の定期検査結果表について、○印の使い分けから添付書類の対応関係まで5つのルールを解説します。
検査結果表の欄がたくさんあって、どこに○を付ければいいのか分からなくなります。
検査結果表には「指摘なし」「要是正」「既存不適格」という欄があり、それぞれ書き方が決まっています。
順番に確認していきましょう。
担当検査者番号や、特定行政庁が追加した項目の書き方も気になっています。
添付する平面図や写真の対応関係まで含めて、5つのルールにまとめて解説します。
- 要是正欄と指摘なし欄は必ずどちらか一方にだけ○印を付けます。
- 該当しない検査項目は「検査結果」欄と「担当検査者番号」欄の両方に「-」を記入します。
- 要是正に該当し建築基準法第3条第2項の適用を受けている場合は既存不適格欄にも○印を付けます。
- 検査者が1人なら、その他の検査者欄と担当検査者番号欄は記入不要です。
- 特定行政庁の追加項目や認定検査項目等は「上記以外の検査項目」欄に検査結果表と同じ要領で記入します。
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目次
検査結果表の「指摘なし」と「要是正」はどう使い分けるのか

まずはこの○印の基本的な使い分けから確認しましょう。
判定基準は防火設備の種類ごとの別表(防火扉なら別表第一など)に検査項目・検査事項・検査方法とセットで定められており、この判定基準に当てはまるかどうかで欄を選びます。
同じ検査項目に両方の欄へ印を付けてしまうと、後で見返したときにどちらが正しい結果か分からなくなります。
建物にそもそも存在しない設備・箇所のように該当しない検査項目があるときは、無理に○を付けず「-」で処理してよい決まりです。
まずはこの基本ルールを押さえたうえで、次は「既存不適格」欄の扱いを見ていきます。
「指摘なし」と「要是正」、どっちに丸を付けるか毎回迷っていました。
判定基準に当てはまるかどうかだけで、機械的に決められます。
「既存不適格」欄はどんなときに○印を書くのか

それが「既存不適格」欄です。
建築基準法第3条第2項は、法令の施行や改正の際に現に存在する建築物・建築設備等が、新しい基準に適合していなくても直ちに違反にならないと定めています。
検査結果が判定基準に該当していても、この規定の適用を受けていることが確認できれば、要是正に加えて既存不適格の欄にも○を付けます。
既存不適格に該当するかどうかは検査者だけで判断しきれないこともあり、確認資料が手元にない場合は所有者や特定行政庁に経緯を確認しておくと安心です。
既存不適格欄への記入は要是正欄の代わりにはならず、両方の欄への記入が必要になる点を覚えておきましょう。
既存不適格に丸が付いたら、要是正の丸は消していいんですか。
いいえ、要是正欄はそのまま残し、既存不適格欄に追加で○を付けます。
複数の検査者が関わったとき担当検査者番号はどう書くのか

そのときに必要になるのが検査者欄と担当検査者番号欄の書き分けです。
複数人で検査したときは、まず表の上部で代表となる検査者とその他の検査者それぞれに検査者番号を割り振ります。
そのうえで検査項目ごとの「担当検査者番号」欄に、実際にその項目を確認した人の番号を記入し、誰がどこを見たのかを追跡できるようにします。
番号や記号は検査者を特定できるものであれば形式は問われないため、社内の管理番号などを流用してもかまいません。
検査者が1人だけの現場では、この番号付けの手間自体が不要になる点も覚えておくと書類作成が早くなります。
今回はうちのスタッフ1人だけで検査してもらいました。
それなら担当検査者番号欄は空欄のままで問題ありません。
「上記以外の検査項目」欄はいつ使うのか

この「上記以外の検査項目」欄が必要になる場面を確認しましょう。
特定行政庁が地域の実情に応じて検査項目等を独自に付加していることがあり、その場合は追加分もこの欄に書き足します。
また、認定を受けた構造方法を用いた防火設備で、認定条件として固有の検査項目(認定検査項目等)が定められているときも、同じ欄に追加します。
記入の仕方は、あらかじめ印刷された検査項目と同じで、検査事項・検査方法・判定基準に沿って「指摘なし」「要是正」などを記入します。
自分の担当する建物にこうした追加項目があるかどうかは、検査に入る前に特定行政庁や認定書の内容で確認しておくと手戻りがありません。
印刷されている項目以外は、書かなくていいと思っていました。
特定行政庁の追加項目や認定検査項目等があれば、この欄に書き足します。
特記事項と添付書類はどう対応させるのか

最後にこの対応関係を整理しておきましょう。
特記事項欄に書いた検査項目の番号は、別添1の各階平面図に明記した設置箇所・指摘箇所の番号と一致させます。
指摘がない場合でも、経年劣化の兆候など特記すべき事項があれば、この欄を使って書き残しておくことができます。
要是正とされた箇所は、既存不適格に該当する場合を除いて撮影が必要になり、写真は別添2の様式に沿って番号をそろえて添付します。
平面図・特記事項・写真の3点が同じ番号で結び付いているかを、提出前に見比べておくと確認漏れを防げます。
平面図と写真、それぞれ別々に用意すればいいと思っていました。
同じ番号でつながる一組の資料として、まとめて確認しましょう。
よくある質問
まとめ
検査結果表の○印の付け方まで分かって、次の提出が楽になりそうです!
検査結果表の作成から報告書の提出まで、㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 建築基準法(昭和25年法律第201号)第3条第2項
- 建築基準法(昭和25年法律第201号)第12条第3項
- 建築基準法(昭和25年法律第201号)第68条の25第1項
- 建築基準法施行規則(昭和25年建設省令第40号)第6条第3項・第4項
- 平成28年国土交通省告示第723号(防火設備の定期検査報告における検査及び定期点検における点検の項目、事項、方法及び結果の判定基準並びに検査結果表を定める件)第2
※本記事は建築基準法・同施行規則及び関係告示の現行規定に基づき、㈱防災屋が独自に解説を作成したものです。個別の建築物における検査結果表の記載方法や添付書類の要否は、所轄の特定行政庁や建築物の仕様によって異なる場合があります。具体的な記入方法については、専門の検査資格者または所轄の特定行政庁にご確認ください。





