防火設備の定期検査は、扉やシャッターの状態を確認して終わりではありません。
検査の結果を正しい様式でまとめ、特定行政庁へ報告して初めて手続きが完了します。
報告書には検査者の資格や、指摘内容のチェック欄など、書き方に細かいルールがあります。
この記事では報告書の作成から提出までに押さえておきたいポイントを解説します。
検査自体は無事終わったんですが、報告書の書き方がよく分からなくて。
報告書は様式が決まっていて、チェック欄の対応関係を押さえれば迷いません。
検査者の欄とか、指摘のチェックとか、細かい項目が多いですよね。
今回は報告書の全体像から、提出前の確認までまとめて解説します。
- 防火設備の定期検査結果は、建築基準法第12条第3項に基づき、別記第三十六号の八様式の報告書と検査結果表をセットで特定行政庁に提出します。
- 報告書の検査者欄に記入できるのは、一級建築士・二級建築士、または防火設備検査員資格者証の交付を受けた者に限られます。
- 第一面と第二面の「要是正の指摘あり」「既存不適格」のチェックは、両面で必ず一致させます。
- 前回検査以降に把握した不具合がなければ、第三面は省略できます。
- 検査対象の防火設備は、扉・シャッター・クロススクリーンは枚数、ドレンチャーは散水ヘッドの合計台数で記入します。
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目次
防火設備定期検査の報告書は何をセットで提出するのか

どんな様式を、どこへ提出すればよいのかを確認しましょう。
第一面には所有者・管理者・検査者の情報と指摘の有無を、第二面には建築物や防火設備の概要と検査結果の詳細を記入します。
特定行政庁が独自の様式や検査結果表を定めている場合は、そちらの様式に従う必要があります。
様式の名称や添付書類を取り違えると、窓口で受理されないことがあるため、事前に所轄の特定行政庁へ確認しておくと安心です。
次の項目では、報告書に名前を書く検査者の資格について見ていきます。
報告書と検査結果表って、別々の書類なんですね。
はい、2つがそろって初めて提出できる書類になります。
様式の番号もあわせて確認しておきましょう。
報告書の検査者欄には誰の氏名を書けるのか

検査を行った人の資格によって、記入できる内容が決まっています。
建築基準法施行規則第6条の5第2項は、建築設備等検査員資格者証の種類として建築設備検査員・防火設備検査員・昇降機等検査員の三種類を定めています。
防火設備の検査では、一級建築士・二級建築士のほか、この防火設備検査員資格者証の交付を受けた者が検査者になれます。
複数人で検査した場合でも、報告書に書くのは代表となる検査者1人で足り、残りは「その他の検査者」欄を使うかどうかを判断します。
検査者の資格が違えば記入欄の書き方も変わるため、資格者証の種類を最初に確認しておくと迷いません。
検査者は建築士じゃないとダメだと思っていました。
いいえ、防火設備検査員という専門の資格でも検査者になれます。
第一面と第二面の指摘に関するチェック欄はどう対応させるのか

このチェックがずれていると、書類の整合性が取れなくなってしまいます。
第二面でチェックした指摘の有無は、報告書の顔となる第一面の要旨欄にもそのまま反映させる決まりです。
片方だけチェックが入っていると、書類全体の整合性が取れず、特定行政庁の窓口で確認を求められる原因になります。
既存不適格に該当する指摘は、要是正の指摘とは別に既存不適格の欄にもチェックを入れる点を見落とさないようにします。
改善予定の有無は、有無どちらであっても必ずどちらかにチェックを入れ、空欄のままにしないことが大切です。
チェック欄って、1か所書けばいいわけじゃないんですね。
はい、同じ内容を複数のページで一致させる必要があります。
不具合の状況を記録する第三面はいつ書けばよいのか

どんなときに書き、どんなときに省略してよいのかを整理します。
第三面が対象にするのは、今回の検査結果とは別に把握している不具合で、これまでの故障や異常動作の記録がある場合に使います。
把握している不具合がなければ、無理に空欄を作らず第三面ごと省略してかまいません。
原因が分からない不具合を無理に断定して書く必要はなく、「不明」とそのまま記入すれば足ります。
改善の予定がなければその理由をあわせて書き、予定があれば改善予定年月を具体的に記入します。
不具合がなければ、この欄は空白のままでいいんですか。
空白ではなく、第三面ごと省略という扱いになります。
報告書を仕上げる前に何を確認しておけばよいのか

小さな確認漏れが、受理までの時間を長引かせる原因になります。
前回の検査に関する書類の写しを保存しているかどうかは、次回以降の検査でも確認される項目なので、この機会に保管状況を見直しておきましょう。
防火設備の数量は種類ごとに数え方が違い、扉・シャッター・クロススクリーンは枚数、ドレンチャーは散水ヘッドの合計個数で記入します。
報告先の特定行政庁は建物の所在地によって異なるため、宛先を書く前に必ず確認します。
最後に検査結果表と報告書の記載内容を見比べ、チェック欄や数値にずれがないかを確かめてから提出しましょう。
提出前に見直すだけで、そんなに変わるものなんですか。
はい、確認漏れがあると窓口で差し戻されることもあります。
よくある質問
まとめ
報告書の書き方まで分かって、次の検査がぐっと楽になりそうです!
検査から報告書の提出まで、㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 建築基準法(昭和25年法律第201号)第12条第3項
- 建築基準法施行規則(昭和25年建設省令第40号)第6条第3項
- 建築基準法施行規則(昭和25年建設省令第40号)第6条の5第2項
- 平成28年国土交通省告示第723号(防火設備の定期検査報告における検査及び定期点検における点検の項目、事項、方法及び結果の判定基準並びに検査結果表を定める件)
※本記事は建築基準法・同施行規則の現行規定に基づき、㈱防災屋が独自に解説を作成したものです。個別の建築物における報告書の記載方法や必要書類は、所轄の特定行政庁や建築物の仕様によって異なる場合があります。具体的な報告書の作成・提出については、専門の検査資格者または所轄の特定行政庁にご確認ください。





