セルフ式のガソリンスタンドには、顧客の給油作業を見守るための「制御卓」が必ず置かれています。
危険物の規制に関する規則第二十八条の二の五第六号は、この制御卓の設置場所や備えるべき機能を細かく定めています。
直接見えない部分がある場合の対応も、あわせて規定されています。
この記事では、制御卓の設置位置と、備えるべき制御装置・放送機器の中身を条文から整理します。
うちのセルフスタンドの制御卓は、レジのすぐ近くに置いてあるだけです。
実は設置できる位置にも条件があるんです。
死角になる場所があるときは、どうすればいいんですか。
監視設備で補う仕組みがあります。
順番に見ていきましょう。
- 制御卓は、全ての顧客用固定給油設備・顧客用固定注油設備の使用状況を直接視認できる位置に設置しなければなりません(規則第二十八条の二の五第六号イ)。
- 直接視認できない部分があるときは、監視設備を設ける必要があります(同号ロ)
- 制御卓には、給油機ごとの個別の制御装置と、災害時の一斉停止装置の両方を備える義務があります(同号ハ・ニ)。
- 制御卓には、顧客と会話できる装置と放送機器も必要です(同号ホ)
- いずれの機能も、それぞれ独立した要件であり一つで済ませることはできません
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目次
セルフ給油所の制御卓はどこに設置しなければならないのか

基準になるのは、令第十七条第五項に基づく規則の規定です。
給油取扱所の中であることに加えて、全ての顧客用固定給油設備・顧客用固定注油設備が視野に入ることが条件です。
一部の給油機だけが見える位置では、この基準を満たしません。
この「直接視認」が原則で、次のセクションで見る例外につながります。
制御卓は、店のどこに置いても構わないと思っていました。
いいえ、全ての給油機が見える位置が条件です。
次は死角がある場合を見ましょう。
直接見えない部分があるときはどうするのか

その場合の規定を確認します。
イ号のただし書は、監視設備によって視認できる位置に制御卓を置く場合を認めています。
ロ号は、給油中の車などで視認が妨げられるおそれのある部分について、常時視認できる監視設備の設置を義務づけています。
つまり死角そのものをゼロにする発想ではなく、死角を監視設備で埋める発想です。
カメラを付けておけば、死角があっても大丈夫なんですね。
はい、常時視認できる監視設備が条件です。
次は制御装置そのものを見ましょう。
制御卓にはどんな制御装置を備えなければならないのか

条文で確認します。
ハ号は、給油機ごとに危険物の供給を開始・停止できる装置を求めています。
ニ号は、火災など災害時に全ての固定給油設備・固定注油設備を一斉に停止できる装置を、速やかに操作できる箇所に設けることを求めています。
個別の操作と非常時の一斉停止は、別の装置として両方備える必要があります。
一台ずつ止められれば、それで十分だと思っていました。
いいえ、一斉停止の装置も別に必要です。
次は顧客への指示の方法です。
顧客への指示はどうやって行うのか

条文を確認します。
一対一で顧客と会話できる装置に加えて、給油取扱所内の全ての顧客に向けた放送機器も別に求められています。
異常時に、その場の顧客だけでなく敷地内全体に指示を伝える手段が要るという考え方です。
既存の放送設備を兼用できるかどうかは、実務でよく問われる点です。
会話できる装置があれば、放送機器は無くてもいいと思っていました。
いいえ、放送機器も別に必要な設備です。
最後に確認の手順をまとめます。
明日からなにを確認すればよいのか

順番にチェックしてください。
- 自店の制御卓が、全ての顧客用固定給油設備・顧客用固定注油設備を直接視認できる位置にあるかを確認する
- 死角になる部分がある場合、常時視認できる監視設備が設けられているかを確認する
- 給油機ごとの個別の制御装置と、災害時の一斉停止装置の両方があるかを確認する
- 顧客と会話できる装置と、敷地内全体への放送機器の両方があるかを確認する
- 固定の制御卓ではなく可搬式の制御機器を使っている場合は、同じ機能が備わっているかを確認する
可搬式の機器を使っている場合も、同じ基準になるんですか。
はい、個別と一斉停止の機能は同じく必要です。
よくある質問もあわせてご確認ください。
よくある質問
まとめ
うちの制御卓の設置位置と機能を、まず確認してみます!
まずは直接視認できる位置から確認してください。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 危険物の規制に関する政令第十七条第五項
- 危険物の規制に関する規則第二十八条の二の五第六号イ・ロ・ハ・ニ・ホ
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





