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危険物を貯蔵する容器にはどんな基準があるのか|内装容器等と機械荷役容器の区分と表示義務を解説

危険物を貯蔵する容器にはどんな基準があるのかを解説する記事のアイキャッチ画像

危険物を屋内貯蔵所や屋外貯蔵所で保管したり、詰め替えたりするとき、
「容器は運搬のときと同じでよいのか」と迷うことがあります。
実は貯蔵や詰め替えには、運搬とは別に容器の基準が定められています。
どんな容器を使い、どんな表示をしておけばよいのかを解説します

屋内貯蔵所にドラム缶を置いているんですが、これは運搬のときの容器と同じでいいんでしょうか。

実は貯蔵や詰め替えには専用の容器の基準があります。
まずはどうしてそうなっているのかから見ていきましょう。

運搬の基準とは別物なんですね。

はい、貯蔵の基準としてきちんと条文が定められています。
順番に確認しましょう。

この記事の結論
  • 屋内貯蔵所・屋外貯蔵所での貯蔵や詰め替えには、規則第39条の3が定める容器の基準に従う必要があります
  • 容器は、別表第三・別表第三の二に適合する内装容器等と、つり具やフォークリフトポケットを備えた機械により荷役する構造を有する容器の二区分に分かれます
  • どちらの区分でも、密封収納や収納率など運搬容器と同じ収納基準に適合させる必要があります
  • 機械により荷役する構造を有する容器には、定期的な気密試験や内部点検も別途求められます
  • 同一敷地内で貯蔵・取扱いのために使う場合で防火上安全と認められるときは、この基準の対象外になります

貯蔵にも容器基準容器は二区分表示も義務付け同一敷地は例外という図解

危険物を貯蔵する容器にはなぜ運搬と別の基準があるのか

屋内の棚に並ぶ容器と屋外の柵で囲まれた保管スペースが並ぶイメージ
貯蔵や詰め替えにも、専用の容器の基準があります。
まずは根拠となる条文を確認します。
危険物の規制に関する政令第26条第2号
屋内貯蔵所においては、危険物は、総務省令で定めるところにより容器に収納して貯蔵すること。(ただし書略)
第11号
屋外貯蔵所(略)においては、危険物は、総務省令で定めるところにより容器に収納して貯蔵すること。
第27条第3項第1号
危険物を容器に詰め替える場合は、総務省令で定めるところにより収納すること。
貯蔵にも専用の容器基準があります
政令第26条第2号は屋内貯蔵所、第11号は屋外貯蔵所について、危険物を容器に収納して貯蔵するよう定めています。
第27条第3項第1号は、詰め替えるときも総務省令で定める収納をするよう求めています。
これらの中身を具体的に定めているのが規則第39条の3です。
運搬するときの容器の基準(規則第43条・第44条)とは、根拠となる条文が異なる点がポイントです。
まずは、自分の建物が屋内貯蔵所か屋外貯蔵所か、あるいは詰め替え作業をしているかを確認するところから始まります。

運搬の基準と何が違うんでしょうか。

収納の仕方や表示の基準が変わってきます。
次は使える容器の中身を見ていきましょう。

貯蔵や詰め替えにはどんな容器を使えばよいのか

小さな内装容器を外装容器に納める様子とつり具付きの大型容器が並ぶイメージ
容器は二区分に分かれています。
条文で確認します。
危険物の規制に関する規則第39条の3第1項
次の各号に掲げる容器の区分に応じ、当該各号の定めるところによるものとする。
第1号(次号に掲げる容器以外の容器)
固体の危険物にあつては別表第三、液体の危険物にあつては別表第三の二に定める基準に適合する内装容器(略)又は総務大臣が(略)同等以上であると認めて告示したもの(以下「内装容器等」という。)であり、かつ、第43条の3第1項に定める収納の基準に適合すること。
第2号(機械によるつり上げ又は持ち上げを行うためのつり具、フォークリフトポケット等を有する容器)
第43条第1項第2号に規定する運搬容器であり、かつ、第43条の3第2項に定める収納の基準に適合すること。
容器は二区分に分かれます
一つは内装容器等で、固体は別表第三、液体は別表第三の二に適合する容器か、総務大臣が同等以上と認めて告示した容器を指します。
もう一つは機械により荷役する構造を有する容器で、つり具やフォークリフトポケットを備え、運搬容器としての基準(規則第43条第1項第2号)を満たすものです。
どちらの区分でも、密封して収納することや収納率の上限など、収納そのものの基準(第43条の3)に適合させる必要があります。
機械により荷役する構造を有する容器はさらに、腐食や損傷がないことに加えて、2年6月以内の気密試験や5年以内の内部点検といった定期的な確認も求められます。
自分の貯蔵容器がどちらの区分に当たるかを、まず形状で見分けることが確認の第一歩です。

うちの容器はつり具が付いているんですが、これも対象になりますか。

フォークリフトポケット等があれば機械荷役容器に当たります。
次は表示について確認しましょう。

容器にはどんな表示をしておく必要があるのか

ドラム缶の空欄タグに手でラベルを添える様子とつり具付き容器に二枚のタグが付くイメージ
表示は容器の区分によって数が変わります。
条文で確認します。
危険物の規制に関する規則第39条の3第2項
前項第1号の内装容器等(内装容器等を他の容器に収納する場合にあつては、当該容器を含む。以下この条において同じ。)にあつては第44条第1項各号に定める表示を、前項第2号の容器にあつては同条第1項各号及び第6項各号に定める表示を、それぞれ見やすい箇所にしたものでなければならない。
貯蔵中の容器にも表示が必要です
内装容器等には規則第44条第1項各号(品名・数量・危険等級・注意事項など)の表示が必要です。
機械により荷役する構造を有する容器には、同項各号に加えて第44条第6項各号の表示も見やすい箇所に付けなければなりません。
これは、貯蔵しているだけの状態でも、運搬容器と同じ水準の表示が求められるという意味です。
内装容器等を別の容器に納めて保管する場合は、その外側の容器も表示の対象に含まれます。
表示が古い品名のままになっていないか、定期的に見直すことも実務では欠かせません。

表示の項目そのものはどこで確認できますか。

表示の項目自体は運搬容器の記事で解説しています。
ここでは貯蔵中の容器にも同じ表示が要る点を押さえてください。

同一敷地内なら別の容器でもよいのか

同じ柵の中にある二棟の建物の間をバケツを持つ担当者が行き来するイメージ
例外に当たる場面は限られます。
条文で確認します。
危険物の規制に関する規則第39条の3第1項ただし書
製造所等が存する敷地と同一の敷地内において危険物を貯蔵し、又は取り扱うため、次の各号に定める容器以外の容器に収納し、又は詰め替える場合において、当該容器の貯蔵又は取扱いが火災の予防上安全であると認められるときは、この限りでない。
例外が使えるのは限られた場面だけです
ただし書が適用されるのは、同一の敷地内にある製造所等どうしで貯蔵・取扱いのために使う場合に限られます。
敷地の外へ持ち出す場合や、他の事業者に譲り渡す場合はこの例外に当たりません。
容器も「火災の予防上安全であると認められるとき」という判断が伴うため、届出や消防署への確認なしに自己判断で決めてよいものではありません。
「同じ敷地内だから何でもよい」と広く解釈すると、本来必要な内装容器等や機械荷役容器の基準を外してしまう恐れがあります。
例外を使う場合は、その根拠と安全性の判断を記録に残しておくことをおすすめします。

同じ工場の中なら普段使っている容器のままでもいいということですか。

同一敷地内かつ安全と認められる場合に限られる例外です。
最後に明日からの確認手順をまとめます。

明日から何を確認すればよいのか

担当者がクリップボードを手に棚の容器のタグを確認しているイメージ
ここまでの内容を、実務での確認手順に落とし込みます。
順番に見ていきましょう。 まず、自分の建物が屋内貯蔵所か屋外貯蔵所か、あるいは詰め替え作業をしているかを確認してください
次に、使っている容器が別表第三・別表第三の二に適合する内装容器等か、つり具やフォークリフトポケットを備えた機械荷役容器かを見分けます。
機械荷役容器であれば、2年6月以内の気密試験や5年以内の内部点検が済んでいるかも確認してください。
表示については、内装容器等は第44条第1項各号、機械荷役容器はさらに第6項各号の表示が見やすい場所にあるかを確かめます。
同一敷地内の例外を使っている場合は、その安全性の判断根拠を記録に残し、判断に迷えば所轄消防署に確認することをおすすめします。

まず自分の貯蔵容器がどちらの区分か確認してみます!

区分と表示の両方を確認してみてください。
次によくある質問をまとめます。

よくある質問

Q貯蔵する容器と運搬する容器は同じ基準ですか?
Aいいえ。貯蔵や詰め替えには規則第39条の3という専用の条文があり、運搬容器の基準(規則第43条・第44条)とは根拠となる条文が異なります。
Q内装容器等と機械により荷役する構造を有する容器はどう違うのですか?
A内装容器等は別表第三・別表第三の二に適合する容器、機械荷役容器はつり具やフォークリフトポケットを備えた運搬容器です。どちらも収納の基準(第43条の3)を満たす必要があります。
Q貯蔵している容器にも運搬容器と同じ表示は必要ですか?
A必要です。内装容器等には規則第44条第1項各号の表示、機械荷役容器にはさらに第6項各号の表示も見やすい箇所に付けなければなりません。
Q同一敷地内であればどんな容器でも使えますか?
Aいいえ。同一敷地内で貯蔵・取扱いのために使う場合で、かつ防火上安全と認められるときに限られる例外です。自己判断で範囲を広げないことが大切です。

まとめ

屋内貯蔵所・屋外貯蔵所での貯蔵や詰め替えには、規則第39条の3が定める容器の基準に従う必要があります
容器は、別表第三・別表第三の二に適合する内装容器等と、つり具やフォークリフトポケットを備えた機械により荷役する構造を有する容器の二区分に分かれます
どちらの区分でも、密封収納や収納率など運搬容器と同じ収納基準(第43条の3)に適合させる必要があります
機械により荷役する構造を有する容器はさらに、2年6月以内の気密試験や5年以内の内部点検といった定期確認も求められます
表示は内装容器等が第44条第1項各号、機械荷役容器はさらに第6項各号も見やすい箇所に必要です
同一敷地内で貯蔵・取扱いのために使う場合で、防火上安全と認められるときに限り、この基準の対象外になる例外があります
該当する容器の区分と表示を確認し、判断に迷えば所轄消防署に確認することが実務の基本です

分かりました、容器の区分と表示から確認してみます!

区分の判断に迷ったら早めにご相談ください。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 危険物の規制に関する政令第26条・第27条
  • 危険物の規制に関する規則第39条の3・第43条の3・第44条
  • e-Gov 法令検索

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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