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古紙や木くずは指定可燃物としてどう管理すればよいのか|綿花類等の貯蔵基準と廃棄物固形化燃料の発熱対策を解説

古紙や木くずは指定可燃物として発熱対策が必要になるのか綿花類等の貯蔵基準と廃棄物固形化燃料の発熱対策を解説する記事のアイキャッチ画像

古紙や木くず、わら類などをまとめて保管している倉庫や作業場で、消防法令の対象になると意識したことはあるでしょうか。
これらは「指定可燃物」のうち綿花類等と呼ばれる区分にあたり、量が一定を超えると独自の貯蔵・取扱基準がかかります。
特に廃棄物固形化燃料のように水分で発熱するものは、一般の可燃物とは違う注意が必要です。
この記事では綿花類等の貯蔵基準と廃棄物固形化燃料の発熱対策を、条例の条文にそって解説します。

倉庫に古紙とか木くずを結構な量まとめて置いてるんですが、これも消防法令の対象になるんでしょうか。

それは「指定可燃物」のうち綿花類等という区分にあたります。

燃料用のペレットも一緒に置いてるんですが、それは他のものと同じ扱いでいいんでしょうか。

いいえ。
廃棄物固形化燃料は水分による発熱を防ぐ特別な基準があります。

この記事の結論
  • 古紙・木くず・わら類・再生資源燃料などは「指定可燃物」のうち綿花類等にあたり、量が基準を超えると独自の貯蔵・取扱基準がかかります
  • 綿花類等を扱う場所では火気厳禁・部外者の立入制限・整理清掃が共通の基準になります
  • くずやかすは一日一回以上安全な場所で処分しなければなりません
  • 廃棄物固形化燃料は水分管理と温度・可燃性ガス濃度の監視で発熱を防ぐ必要があります
  • 保管場所には標識と掲示板を設け、危険物とは区分して整理することが求められます

指定可燃物のうち綿花類等は古紙や木くずやわら類や再生資源燃料を指し火気厳禁や部外者の立入制限や整理清掃が共通基準で廃棄物固形化燃料は水分管理と温度監視で発熱を防ぐことを示した図解

指定可燃物のうち綿花類等とは何を指すのか

倉庫の中に古紙の梱包と木くずの袋とわら束が積まれている様子
危険物ほど量が多くなくても、火災になると燃え広がりやすい物品には別の規制がかかります。
その代表が「指定可燃物」です。
消防法第九条の四第一項 危険物についてその危険性を勘案して政令で定める数量(以下「指定数量」という。)未満の危険物及びわら製品、木毛その他の物品で火災が発生した場合にその拡大が速やかであり、又は消火の活動が著しく困難となるものとして政令で定めるもの(以下「指定可燃物」という。)その他指定可燃物に類する物品の貯蔵及び取扱いの技術上の基準は、市町村条例でこれを定める
指定可燃物は「燃え広がりやすさ」を基準に政令で品目と数量が決められています。
危険物の規制に関する政令の別表では、指定可燃物のうち可燃性固体類・可燃性液体類以外のものを「綿花類等」と呼び、綿花類・木毛及びかんなくず・ぼろ及び紙くず・糸類・わら類・再生資源燃料・石炭及び木炭類・木材加工品及び木くず・合成樹脂類が含まれます。
量の目安は品目ごとに違い、たとえば綿花類は200キログラム、木材加工品及び木くずは10立方メートルが基準の数量です。
自分の倉庫や作業場にある物品が、この品目と数量に当てはまるかどうかがまず出発点になります。

綿花類等っていう言葉、初めて聞きました。

古紙や木くずなど身近なものが多く含まれます。
まず数量を確認してみましょう。

どんな基準を守らなければならないのか

係員が整理整頓をしながら火気厳禁の掲示を確認する倉庫の様子
綿花類等を貯蔵し、または取り扱う場所には、共通して守るべき基準が定められています。
数量の多さにかかわらず、まずこの基準が土台になります。
火災予防条例(例)第三十四条第一項 指定可燃物のうち可燃性固体類等以外の指定可燃物(以下「綿花類等」という。)の貯蔵及び取扱いは、次の各号に掲げる技術上の基準によらなければならない。 一 綿花類等を貯蔵し、又は取り扱う場所においては、みだりに火気を使用しないこと。 二 綿花類等を貯蔵し、又は取り扱う場所においては、係員以外の者をみだりに出入りさせないこと。 三 綿花類等を貯蔵し、又は取り扱う場所においては、常に整理及び清掃を行うこと。この場合において、危険物と区分して整理するとともに、綿花類等の性状等に応じ、地震等により容易に荷くずれ、落下、転倒又は飛散しないような措置を講ずること。 四 綿花類等のくず、かす等は、当該綿花類等の性質に応じ、1日1回以上安全な場所において廃棄し、その他適当な措置を講ずること。
基準の柱は「火気厳禁」「部外者の立入制限」「整理清掃」の三つです。
まず火気の使用を避け、係員以外をみだりに出入りさせないことが求められます。
整理と清掃は日常業務として続ける必要があり、危険物とは区分して置くことも明記されています。
くずやかすは放置せず、一日一回以上は安全な場所で処分しなければなりません。

木くずの削りかす、週末にまとめて捨ててました。

それだと基準に足りません。
一日一回以上の処分に変えましょう。

廃棄物固形化燃料はどう管理すればよいのか

タンクに入った廃棄物固形化燃料の温度計と散水設備を係員が確認する様子
再生資源燃料のうち、水分によって発熱するおそれがあるものには、さらに踏み込んだ基準が設けられています。
一般の綿花類等とは分けて考える必要があります。
火災予防条例(例)第三十四条第一項第五号 再生資源燃料のうち、廃棄物固形化燃料その他の水分によつて発熱又は可燃性ガスの発生のおそれがあるもの(以下「廃棄物固形化燃料等」という。)を貯蔵し、又は取り扱う場合は、次によること。 イ 廃棄物固形化燃料等を貯蔵し、又は取り扱う場合は、適切な水分管理を行うこと。 ロ 廃棄物固形化燃料等を貯蔵する場合は、適切な温度に保持された廃棄物固形化燃料等に限り受け入れること。 ハ 3日を超えて集積する場合においては、発火の危険性を減じ、発火時においても速やかな拡大防止の措置を講じることができるよう5メートル以下の適切な集積高さとすること。 ニ 廃棄物固形化燃料等を貯蔵する場合は、温度、可燃性ガス濃度の監視により発熱の状況を常に監視すること。
廃棄物固形化燃料は水分と温度の管理が発熱を防ぐ鍵になります。
受け入れの時点で温度が適切なものだけに限り、水分管理を徹底することが求められます。
三日を超えて積み上げる場合は高さ5メートル以下に抑え、発火時に広がりにくい形にしておく必要があります。
温度と可燃性ガス濃度は一度確認して終わりではなく、常に監視を続けることが条文の要求です。

燃料用のペレット、けっこう高く積んでしまってました。

三日を超えて積むなら五メートル以下です。
温度計での確認もあわせて行いましょう。

実務で見落としやすいのはどこか

倉庫の入口に指定可燃物の標識と掲示板が掲げられている様子
貯蔵の中身に気を取られていると、掲示や構造の基準を見落としがちです。
特にタンクで貯蔵する場合は、追加の設備基準があります。
火災予防条例(例)第三十四条第二項第一号 綿花類等を貯蔵し、又は取り扱う場所には、綿花類等を貯蔵し、又は取り扱つている旨を表示した標識並びに綿花類等の品名、最大数量及び防火に関し必要な事項を掲示した掲示板を設けること。 同項第四号 廃棄物固形化燃料等を貯蔵し、又は取り扱う場所の位置、構造及び設備は、前号イ及びニの規定の例によるほか、次に掲げる技術上の基準によること。 イ 廃棄物固形化燃料等の発熱の状況を監視するための温度測定装置を設けること。 ロ 別表第8で定める数量の100倍以上の廃棄物固形化燃料等をタンクにおいて貯蔵する場合は、当該タンクは発熱が生じた場合に迅速に排出できる構造とすること。ただし、散水設備又は不活性ガス封入設備を設置した場合は、この限りでない。
標識と掲示板は、量が基準に達したらすぐに設ける必要があります。
掲示板には品名・最大数量・防火に関し必要な事項を書き、誰が見ても何が置かれているか分かるようにします。
タンクで大量の廃棄物固形化燃料を貯蔵する場合は、温度測定装置に加え、発熱時に迅速に排出できる構造か、散水設備・不活性ガス封入設備のどちらかが必要です。
「量は基準未満だから」と油断していると、繁忙期に在庫が増えて知らないうちに基準を超えていることもあります。

うちの倉庫、掲示板を出してなかったかもしれません。

品名と最大数量を書いた掲示板が必要です。
在庫量とあわせて確認してください。

明日からなにをすればよいのか

担当者がクリップボードを持ち倉庫内の積み荷を確認する様子
技術上の基準は貯蔵する場所の位置・構造・設備にも及びます。
まずは在庫と保管状況を洗い出すところから始めましょう。
消防法第九条の四第二項 指定数量未満の危険物及び指定可燃物その他指定可燃物に類する物品を貯蔵し、又は取り扱う場所の位置、構造及び設備の技術上の基準(第十七条第一項の消防用設備等の技術上の基準を除く。)は、市町村条例で定める。
  • 倉庫や作業場にある古紙・木くず・わら類等の数量を棚卸しして基準の対象かどうか確認する
  • 火気厳禁・部外者の立入制限・危険物との区分ができているか現場を見て回る
  • くずやかすの一日一回以上の処分ができているかルールを確認する
  • 廃棄物固形化燃料等がある場合は水分管理・積み上げ高さ・温度監視の体制を点検する

今日中に倉庫の在庫量を数え直してみます。

掲示板と処分ルールもあわせて見直しましょう。

よくある質問

Q綿花類等と可燃性固体類等はなにが違うのですか?
Aどちらも指定可燃物ですが、可燃性固体類・可燃性液体類以外の品目(古紙・木くず・わら類・再生資源燃料等)をまとめて綿花類等と呼びます。基準の中身も条文で分けて定められています。
Q数量が基準未満なら何もしなくてよいのですか?
A技術上の基準そのものは数量が基準に達した場合に適用されますが、季節や繁忙期で在庫が増減することも多いため、定期的な棚卸しで数量を把握しておくことが実務上は重要です。
Q廃棄物固形化燃料以外の再生資源燃料も発熱に注意が必要ですか?
A条文が特に踏み込んだ基準を置いているのは水分によって発熱又は可燃性ガスが発生するおそれがあるものです。該当するかどうかは物品の性状によって変わるため、個別に確認が必要です。
Q掲示板には何を書けばよいですか?
A綿花類等を貯蔵・取扱いしている旨に加え、品名・最大数量・防火に関し必要な事項を掲示します。標識とあわせて見やすい場所に設置してください。

まとめ

古紙・木くず・わら類・再生資源燃料などは「指定可燃物」のうち綿花類等にあたる
共通の基準は火気厳禁・部外者の立入制限・整理清掃の三つ
くずやかすは一日一回以上安全な場所で処分する
廃棄物固形化燃料は水分管理と温度・可燃性ガス濃度の監視で発熱を防ぐ
三日を超えて集積する場合は高さ5メートル以下に抑える
保管場所には標識と掲示板を設け、危険物とは区分して整理する
大量のタンク貯蔵では温度測定装置と迅速な排出構造・散水設備等を備える

今日中に倉庫の在庫量と掲示板を確認してみます!

発熱しやすい燃料があるかもあわせて確認してください。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

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監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 消防法第九条の四
  • 危険物の規制に関する政令別表第四
  • 火災予防条例(例)第三十四条
  • e-Gov法令検索

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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