危険物を屋外の貯蔵所に保管するとき、容器を地面に並べるだけでなく「架台」と呼ばれる棚状の設備に載せて保管する現場は少なくありません。
架台を使えば容器を積み重ねて保管できる分、限られた敷地を有効に使えますが、消防法令は高さ・材料・固定方法・落下防止の措置まで具体的に定めています。
知らずに棚を組んで容器を積み上げてしまうと、基準を外れたまま危険な状態で運用してしまうおそれもあります。
この記事では屋外貯蔵所の架台に関する基準を、根拠条文に沿って整理します。
うちの屋外貯蔵所、容器が増えてきたので棚を組んで積みたいんですが。
その棚は架台と呼ばれ、消防法令の基準があります。
知りませんでした、ただの棚じゃだめなんですね。
不燃材料で造り、地盤にしっかり固定する必要がありますよ。
- 屋外貯蔵所に架台を設ける場合は、危険物の規制に関する政令第十六条第一項第六号に基づき架台の構造・設備が総務省令(規則)で定められています。
- 架台は不燃材料で造り、堅固な地盤面に固定しなければなりません。
- 架台の高さは六メートル未満と定められています。
- 自重・危険物の重量・風荷重・地震の影響などの荷重に対して安全な構造でなければなりません。
- 危険物を収納した容器が容易に落下しない措置を講じる必要があります。
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目次
屋外貯蔵所の架台とは何を指すのか

この棚のことを消防法令では「架台」と呼び、独自の基準が設けられています。
限られた敷地でも容器を上へ積めれば、より多くの数量を貯蔵できます。
ただし棚を設ければ済むわけではなく、政令はその構造・設備の基準を総務省令(規則)に委任しています。
この委任を受けて、規則が架台そのものの材料・固定・高さ・落下防止までを具体的に定めています。
まずは架台という設備がどんな位置づけの基準なのかを押さえておきましょう。
架台って、ただの棚じゃなくてちゃんと法令上の設備なんですね。
政令と規則の二段構えで基準が決まっています。
どんな屋外貯蔵所の架台に基準が適用されるのか

これに対して、架台の基準には数量による違いがありません。
空地の幅は指定数量の倍数が増えるほど広く必要になりますが、架台の四つの要件はどの規模の屋外貯蔵所でも同じです。
つまり「うちは指定数量の倍数が小さいから架台の基準は緩い」という考え方は成り立ちません。
架台を設けると決めた時点で、規模の大小を問わずこの基準がかかると理解しておく必要があります。
次の章で、その四つの要件の中身を具体的に見ていきます。
うちは小さい屋外貯蔵所だから、架台の基準はゆるいと思ってました。
量に関係なく同じ基準がかかります。
架台の構造にはどんな基準が求められるのか

一つずつ確認していきましょう。
まず材料は不燃材料とし、堅固な地盤面への固定も欠かせません。
自重や危険物の重量だけでなく、風荷重や地震の影響まで含めた荷重に対して安全な構造でなければなりません。
高さは六メートル未満と明確な数値で区切られています。
そして容器が容易に落下しない措置、たとえば固定具や柵のような対策も必須です。
うちの架台、四メートルくらいなので高さは大丈夫そうです。
六メートル未満であることに加え、固定と落下防止も確認しましょう。
実務で見落としやすいのはどこか

実は同条には見落としやすい第二項があります。
規則第二十四条の十第二項は、この四つの号に加えて告示でさらに必要な事項を定めるとしています。
つまり「不燃材料で固定して六メートル未満にすれば足りる」と早合点すると、告示が定める細目を見落とすおそれがあります。
自己判断で済ませず、告示や所轄消防署への確認まで含めて基準を押さえることが大切です。
四つさえ守ればOKだと思ってました。
告示でさらに細かい基準が定められています。
油断は禁物です。
明日からなにを確認すればよいのか

基準を知っているだけでなく、現場で実際に確認することが重要です。
- 架台が不燃材料で造られているか
- 架台が堅固な地盤面に固定されているか(アンカーボルト等の緩み点検を含む)
- 架台の高さが六メートル未満か
- 容器の落下防止措置(固定具・柵等)が機能しているか
- 告示が定める細目を所轄消防署に確認しているか
不燃材料か・固定されているか・高さは六メートル未満か、この三つは目視と簡単な測定で確認できます。
落下防止の措置は固定具やベルトの劣化・緩みも合わせて見ておきましょう。
告示の細目は文章だけでは判断が難しいこともあるため、迷ったら所轄消防署に確認する姿勢が実務では欠かせません。
五つとも今日から見に行けそうです。
告示の細目だけは所轄消防署にも確認してくださいね。
よくある質問
まとめ
架台の基準がよく分かりました。
さっそく確認してみます!
架台の点検も含めて、㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 危険物の規制に関する政令第十六条第一項第六号
- 危険物の規制に関する規則第二十四条の十
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





