屋根はあるけれど壁もある、うちの給油取扱所はそのまま屋外の扱いでいいのでしょうか。
見た目だけでは判断できません。
屋内給油取扱所にあたるかどうかは、開放部分の割合という数字で決まります。
今回は区画面積の計算方法と、三分の二までの緩和条件を整理します。
うちは屋根だけで壁がない部分がほとんどなんですが、事務所や整備場もあります。
これって屋内扱いになるんでしょうか。
屋根の有無だけでは判断できません。
壁で区画された部分の面積の割合で決まります。
面積の割合ってどう計算するんですか。
ちょっと難しそうです。
実は引き算と割り算だけで出せます。
順番に見ていきましょう。
- 屋内給油取扱所にあたるかどうかは、屋根の有無ではなく開放部分の割合で決まる
- 水平投影面積から区画面積を引いた値を、敷地面積から区画面積を引いた値で割って割合を算出する
- この割合が三分の一を超えると、原則として屋内給油取扱所として扱われる
- 三分の二までにとどまり、かつ火災予防上安全と認められれば例外的に除外される
- 屋内給油取扱所になると自動火災報知設備など追加の基準が適用される
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目次
屋根付きの給油取扱所はなぜ屋内給油取扱所として扱われることがあるのか

ですが建築物の内部やそれに類する構造の中に設置されるものは、可燃性蒸気がこもりやすく事情が違います。
政令はこの区分を設け、屋外の給油取扱所より厳しい基準を追加で課しています。
問題は、どこからが「建築物内に設置するもの」にあたるのかという線引きです。
屋根だけの開放的な部分と、壁で仕切られた事務所や整備場が同じ敷地に混在するケースは実務でもよくあります。
見た目の印象だけで屋外・屋内を判断すると、思わぬ見落としにつながります。
屋根だけの部分と壁のある部分が混在してて、境目がよくわからないです。
境目は見た目ではなく面積の計算で決まります。
次で具体的に見ていきましょう。
屋内か屋外かはなにで決まるのか

規則が具体的な計算式を定めています。
壁で仕切られた事務所や整備場の面積(区画面積)を、いったん脇に置いて考えるのがポイントです。
その上で残った開放部分の広さを、開放部分だけの敷地に対する割合として測り直します。
三分の一という基準値そのものは、条文にはっきりと数字で書かれています。
なんとなく「屋根が大きいから屋内っぽい」と判断するのではなく、この計算式に当てはめる必要があります。
なるほど、三分の一が基準になるんですね。
はい、そこを超えると原則屋内扱いになります。
次は実際の測り方です。
区画面積と水平投影面積はどう計算するのか

どこまでの建築物がこの対象になるかは、政令が別に定めています。
まず建築物の給油取扱所部分を真上から見た広さ(水平投影面積)を測り、そこから区画面積を差し引きます。
次に敷地全体の面積からも同じ区画面積を差し引きます。
前者を後者で割った値が、判定に使う割合になります。
事務所や整備場を増築すれば区画面積が増え、この割合そのものが変わってしまう点に注意が必要です。
引き算するのはわかったんですが、実際にどこを測ればいいのか迷います。
まず屋根の下の面積、次に壁のある建物の面積を測ってください。
それだけで割合が出せます。
割合が三分の一を超えても屋内扱いを免れることがあるのか

条文には続きがあります。
つまり三分の一を超えても、三分の二までの範囲であれば例外の余地が残っています。
ただしこの判断は所轄消防署の個別審査によるもので、割合を自分で計算しただけで結論を出せるものではありません。
三分の二を超えてしまえば、火災予防上安全であっても例外は認められません。
増改築を検討する段階で、この境目に近づいていないかを確認しておく必要があります。
三分の一を超えたら、もう終わりなんですか。
いいえ、三分の二までなら安全性次第で除外される場合があります。
ただし自己判断は禁物です。
明日からなにを確認すればよいのか

その代表が火災の早期把握のための設備です。
増改築で事務所や整備場を広げると区画面積が増え、割合そのものが変わることがあります。
気づかないうちに屋内給油取扱所の基準に切り替わっていた、という事態は避けたいところです。
屋内給油取扱所と判定されると、自動火災報知設備をはじめとする追加の基準がかかります。
増改築を計画する段階で、所轄消防署に事前相談しておくのが確実です。
増改築のときに気をつければいいんですね。
はい、事前に消防署へ相談するのが確実です。
割合を測ってから相談しましょう。
よくある質問
まとめ
なるほど、屋根だけじゃなくて面積の割合で判断するんですね!
まずは開放部分の割合を測ってみてください。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 危険物の規制に関する政令第十七条
- 危険物の規制に関する規則第二十五条の四、第二十五条の六、第二十五条の七
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





