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危険物取扱者免状には何が書かれているのか|交付申請の添付書類と記載事項5つを解説

免状には何が書かれているのかを示すアイキャッチ画像

危険物取扱者免状は、試験に合格すれば自動的に手元に届くものではありません。
政令には交付を申請する手続きと、免状そのものに何を書くべきかが別々の条文として定められています。
複数の種類を同じ日に取ったときの扱いや、免状の記載がそのまま立会いできる範囲を決めるという点は、意外と知られていません。
この記事では免状の交付申請に必要な書類と、記載される5つの事項を条文にそって整理します

危険物取扱者試験に受かったら、免状は自動的に送られてくるんですよね。

いいえ、合格しただけでは免状にならず、別途申請書と書類を都道府県知事に提出する必要があります。
免状に何が書かれるかまで、条文で決まっているので順番に見ていきましょう。

乙種をあとから追加で取ったときは、免状は増えるんですか。

増えません、すでに持っている免状に新しい種類の事項を書き加えて一枚にまとめる仕組みです。
この仕組みも規則で決まっているので、あわせて確認しましょう。

この記事の結論
  • 免状の交付を受けるには、申請書と総務省令で定める書類を試験を行った都道府県知事へ提出します。
  • 添付書類は合格を証明する書類と、他の種類の免状をすでに持っている場合はその既得免状です。
  • 免状には交付年月日・氏名・本籍地の都道府県・免状の種類と危険物の範囲・写真の5項目が記載されます。
  • 乙種の記載事項は、自分が取り扱える範囲であると同時に他人の作業に立ち会える範囲でもあります
  • 同じ日に複数の種類に合格しても免状は増えず、一枚にまとめて記載されます。

危険物取扱者免状の交付申請と記載事項5つをまとめた図解

免状の交付を受けるとはそもそもどういうことか

申請書を窓口に提出する人物を示すイラスト
危険物取扱者試験に合格しただけでは、まだ免状は手元にありません。
交付を受けるための手続きが、政令に別途定められています。
(政令第三十二条)法第十三条の二第三項の危険物取扱者免状(以下この章において「免状」という。)の交付を受けようとする者は、申請書に総務省令で定める書類を添えて、当該免状に係る危険物取扱者試験を行つた都道府県知事(法第十三条の七第二項に規定する指定試験機関の行つた危険物取扱者試験を受けた者にあつては、当該危険物取扱者試験の実施に関する事務を当該指定試験機関に行わせることとした都道府県知事)に提出しなければならない。
免状は申請してはじめて交付されるもので、試験合格が自動的に免状になるわけではありません。
提出先は、その試験を行った都道府県知事です。
指定試験機関が実施した試験を受けた場合も、提出先はその試験機関に事務を行わせた都道府県知事になります。
つまり試験を受けた都道府県と、免状を申請する窓口は基本的に同じということです。
まずはこの提出先を取り違えないことが出発点になります。

試験を受けた都道府県と住んでいる都道府県が違う場合はどうなるんですか。

提出先は住所地ではなく、あくまで試験を行った都道府県知事です。
免状に記載される本籍地とは別の話なので、混同しないよう注意してください。

交付申請にはどんな書類を添えるのか

合格証明書と既得免状を並べて確認するイラスト
政令が「総務省令で定める書類」とだけ示していた部分は、規則が具体的に定めています。
必要な書類は、申請者がはじめて免状を取るのか、すでに他の種類を持っているのかで変わります。
(規則第五十条第二項)令第三十二条の総務省令で定める書類は、次のとおりとする。一 危険物取扱者試験に合格したことを証明する書類 二 現に交付を受けている免状(以下この条から第五十条の三まで及び第五十一条の三において「既得免状」という。)(他の種類の免状の交付を現に受けている者に限る。)
すべての申請者に共通して必要なのは、合格を証明する書類です。
そのうえで、すでに他の種類の免状を持っている人は、その既得免状そのものをあわせて提出する必要があります。
規則はこの既得免状を「既得免状」という言葉で呼び、以降の条文でも同じ意味で使っています。
やむを得ない事情で既得免状を添付できないときは、都道府県知事の判断で写しに代えられる規定もあります。
初めての申請か追加の申請かで、用意する書類が一枚増えるかどうかが変わると考えておくとよいでしょう。

既得免状の原本を提出したら、その免状は戻ってこないんですか。

このあと説明しますが、既得免状は新しい免状と引き換えに回収される仕組みです。
手元に残るのは、事項を書き加えた新しい一枚だけになります。

免状には何が記載されるのか

免状カードに記載される項目を示すイラスト
免状という一枚の書類に、具体的に何が書かれているのかも条文で決まっています。
項目はぜんぶで5つです。
(政令第三十三条)免状には、次に掲げる事項を記載するものとする。一 免状の交付年月日及び交付番号 二 氏名及び生年月日 三 本籍地の属する都道府県 四 免状の種類並びに取り扱うことができる危険物及び甲種危険物取扱者又は乙種危険物取扱者がその取扱作業に関して立ち会うことができる危険物の種類 五 その他総務省令で定める事項
交付年月日・交付番号/氏名・生年月日/本籍地の都道府県までは、身分証としてイメージしやすい項目です。
注目したいのは四号で、免状の種類とあわせて「取り扱うことができる危険物」と「立会いができる危険物」の両方が記載事項になっています。
五号の「総務省令で定める事項」は規則が具体化しており、過去10年以内に撮影した写真がこれに当たります。
つまり免状は氏名や種類を示すだけでなく、写真付きの本人確認書類としての機能もあわせ持っているということです。
自分の免状を実際に取り出して、この5項目がどう書かれているかを一度確認してみるとよいでしょう。

写真も記載事項の一つだったんですね、知りませんでした。

写真は五号の「総務省令で定める事項」として規則が具体化した項目です。
10年を過ぎた写真は書換えの対象になるので、あわせて確認してください。

複数の種類を持つとどう扱われるのか

二種類の免状が一枚にまとめられる様子を示すイラスト
同じ日に複数の種類の試験に合格した場合や、あとから別の種類を追加で取った場合の扱いも定められています。
免状が種類ごとに何枚も増えていくわけではありません。
(規則第五十条の二)都道府県知事は、同一人に対し、日を同じくして二以上の種類の免状を交付するときは、一の種類の免状に他の種類の免状に係る事項を記載して、当該他の種類の免状の交付に代えるものとする。都道府県知事は、免状の交付を現に受けている者に対し、既得免状の種類と異なる種類の免状を交付するときは、当該異なる種類の免状に既得免状に係る事項を記載して交付するものとする。
同じ日に複数の種類に合格しても、交付されるのは一枚の免状だけで、そこに他の種類の事項もあわせて記載されます。
すでに免状を持っている人が別の種類を追加で取ったときも同じで、新しい免状に既得免状の事項を書き加えて交付し、古い免状と引き換える仕組みです。
ここで見落としやすいのが、前の見出しで触れた四号の記載範囲です。
乙種を複数種類持つ人の免状には、自分が取り扱える危険物の種類立会いができる危険物の種類が種類ごとに積み重なって記載されるため、免状の記載欄を見ないまま「自分は何にでも立ち会える」と思い込むと現場で行き違いが起きます。
免状を更新するたびに、記載事項が最新の内容になっているかを確認しておくことが大切です。

乙種を二種類持っていれば、どちらの作業にも立ち会えると思っていました。

立会いができる範囲も、免状に記載された種類の分だけです。
取得している種類と免状の記載を、必ず一致させて確認してください。

明日から免状のどこを確認すればよいのか

免状の記載事項を指差し確認する人物のイラスト
ここまでの内容を、実際に手元の免状で確認する手順に落とし込みます。
  • 免状の交付年月日・交付番号・氏名・本籍地の都道府県が現在の状況と一致しているかを確認する。
  • 四号の欄に書かれた取り扱える危険物の種類と立会いができる危険物の種類を、自分が実際に担当する業務と突き合わせる。
  • 写真が過去10年以内に撮影したものかどうかを確認する。
  • 複数の種類を持っている場合は、最新の免状一枚にすべての種類がまとめて記載されているかを確認する。
免状は取得した日で止まっている書類ではなく、種類が増えるたびに記載事項が更新されていく書類だと考えると、確認すべきことが見えてきます。
記載事項に変更が必要な場合は、書換えという別の手続きに進むことになります。

記載事項がずれていたら、自分ではどうすればいいんでしょうか。

氏名や本籍地の変更、写真の期限切れは書換えの手続きで対応します。
手続きの流れは別の記事で解説しているので、あわせて確認してください。

よくある質問

Q試験に合格した都道府県と違う都道府県に引っ越した場合、免状の申請先はどちらになりますか?
A申請先は住所地ではなく、その危険物取扱者試験を行った都道府県知事です。引っ越し後の住所地とは関係ありません。
Qはじめて免状を取るときも、既得免状を提出する必要がありますか?
A必要ありません。既得免状の提出が求められるのは、他の種類の免状をすでに持っている人だけです。はじめての申請では合格を証明する書類のみで足ります。
Q免状に記載される「立会いができる危険物の種類」とは何ですか?
A乙種または甲種の危険物取扱者が、無資格者の取扱作業に立ち会える危険物の種類のことです。取り扱うことができる範囲とあわせて、免状の記載事項として定められています。
Q既得免状を手元に残しておきたい場合、原本の提出を避けられますか?
A都道府県知事がやむを得ない事情があると認めた場合に限り、既得免状の写しを添付することが認められています。原則は原本の添付です。

まとめ

免状は申請してはじめて交付されるもので、試験合格だけでは手元に届かない。
申請先は住所地ではなく、試験を行った都道府県知事である。
添付書類は合格証明書類と、既に持っている場合は既得免状である。
免状には交付年月日・氏名・本籍地の都道府県・種類と危険物の範囲・写真の5項目が記載される。
記載事項には取り扱える危険物の種類と立会いができる危険物の種類の両方が含まれる。
複数の種類に合格しても免状は増えず、一枚にまとめて記載される。
記載事項の変更が必要になったときは、書換えの手続きで対応する。

自分の免状を引き出しから出して、記載事項を確認してみます!

免状の記載と実際の業務範囲がずれていないか不安なときは、㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

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お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 危険物の規制に関する政令(昭和三十四年政令第三百六号)第三十二条(免状の交付の申請)・第三十三条(免状の記載事項)
  • 危険物の規制に関する規則(昭和三十四年総理府令第五十五号)第五十条(免状の交付の申請書の様式及び添付書類)・第五十条の二(免状の交付)・第五十一条(免状の様式及び記載事項)

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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