CNGスタンドを併設した給油取扱所には、通常の給油取扱所には無い独自の基準が積み重なっています。
用途の制限や建築物の構造基準、ガス設備の技術基準をひとつずつクリアしても、それだけでは終わりません。
防火設備の放水や漏れた危険物の行き先まで、条文はさらに細かく指定しています。
この上乗せの特例を、条文の号ごとに順番に確認していきます。
CNGスタンドがある給油取扱所は、普通のスタンドと同じ基準で大丈夫なんでしょうか。
実は用途や設備の基準を満たしても、まだ特例が上乗せされているんです。
どんな特例が上乗せされるんですか。
防火設備の水や漏れた危険物の行き先まで、条文は具体的に決めています。
順番に条文を見ていきましょう。
- 危険物の規制に関する規則第二十七条の三第七項は、圧縮天然ガス等充塡設備設置給油取扱所の追加の特例を定めています
- 防火設備の放水は給油空地やタンクの注入口に届かないようにしなければなりません
- 簡易タンクや専用タンクから漏れた危険物はガス設備の設置部分に流れ込ませてはいけません
- 固定給油設備・固定注油設備・簡易タンクには自動車等の衝突を防止する措置が必要です
- 簡易タンクを設ける場合はガス設備からの延焼を防止する措置も欠かせません
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目次
圧縮天然ガス等充塡設備設置給油取扱所にはなぜさらに特例が重ねられるのか

条文はさらにもう一段、追加の特例を用意しています。
第三項の用途制限、第四項の建築物の構造、第六項の圧縮天然ガススタンドやディスペンサーの技術基準——ここまでをクリアしても条文はまだ終わりません。
第七項が定めるのは、水・危険物・自動車・火災という四つの脅威への備えです。
号を一つずつ見ていくと、CNGスタンドと給油取扱所という異なる設備が同居することの難しさが見えてきます。
用途と建物の基準さえ守れば、あとは大丈夫だと思っていました。
実はそこからもう一段、特例が上乗せされているんです。
順番に見ていきましょう。
防火設備の放水はなぜ給油空地やタンクの注入口に届いてはいけないのか

条文はその流れ先まで具体的に決めています。
「ポンプ室等」とは、政令第十七条第一項第二十号が定めるポンプ室その他危険物を取り扱う室のことです。
第二十五条第二号のタンクとはボイラー等に直接接続するタンクを指し、これも同じく防護の対象に含まれます。
水は消火のために不可欠ですが、その流れ先まで設計段階で決めておく必要があります。
堰や勾配で流れの向きをあらかじめコントロールしておくのが基本です。
消火用の水が、逆に危険を広げることもあるんですね。
水の逃げ道を先に決めておくのがポイントです。
簡易タンクや専用タンクから漏れた危険物はなぜガス設備側に流れ込ませてはいけないのか

向きは逆ですが、考え方は同じです。
対象になるのは、第六項第四号から第六号までに定める圧縮機・貯蔵設備・ディスペンサー・ガス配管や防火設備が設置されている部分です。
ただし地盤面下の部分は除かれるため、地下に埋設された配管等までは対象になりません。
水はガス設備側からタンク側へ、危険物はタンク側からガス設備側へ——互いに行き来しない設計が求められています。
水と危険物、それぞれ逆方向に流れ込ませない設計なんですね。
その通りです。
次は自動車の衝突対策を見てみましょう。
簡易タンクを設けるとなぜ衝突防止だけでなく延焼防止まで求められるのか

順番に条文で確認します。
これに加えて簡易タンクだけは、ガス設備から火災が発生した場合の延焼防止措置も求められます。
専用タンクは地盤面下に埋設されるため延焼の心配が薄い一方、簡易タンクは地上に置かれるためガス設備の火災の影響を直接受けます。
簡易タンクを選ぶ計画では、衝突対策と延焼対策を別々の図面項目として管理する必要があります。
簡易タンクだけ、対策がひとつ多いんですね。
地上に置く分、火災の影響を受けやすいからです。
明日からなにを確認すればよいのか

図面を前に、号の順番どおりに確認していきましょう。
- 防火設備の放水が給油空地やタンクの注入口に届かないか
- 簡易タンクや専用タンクから漏れた危険物がガス設備側に流れ込まないか
- 固定給油設備・固定注油設備・簡易タンクに衝突防止措置があるか
- 簡易タンクにガス設備からの延焼防止措置があるか
措置の具体的な仕様(堰の高さ、壁の耐火性能など)は条文に明記されていないため、所轄消防署との事前協議で固めるのが確実です。
簡易タンクを選ぶかどうかで、必要な措置の数そのものが変わることも忘れないでください。
計画段階でこの四項目をチェックリスト化しておくと、審査での指摘を減らせます。
四つとも図面のどこかに関わってくるんですね。
順番にチェックして、迷ったら消防署に相談してください。
よくある質問
まとめ
特例の中身が全部つながって分かりました!
特例の適合確認のご相談もお受けしています。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 危険物の規制に関する規則第二十七条の三
- 危険物の規制に関する規則第二十五条
- 危険物の規制に関する政令第十七条
- e-Gov 法令検索
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





