危険物取扱者免状は、交付を受けた都道府県だけでなく全国どこでも使うことができます。
記載事項が変わったときの書換えや、免状をなくしたときの再交付も、実は交付元以外の都道府県知事に申請できる場合があります。
では申請先の知事が免状を交付した本来の知事と違うとき、免状の情報はどうやって橋渡しされるのでしょうか。
規則が定める通知と照会の仕組みを、条文から確認します。
危険物取扱者の免状を持っているんですが、引っ越しをしたら書換えの手続きはどうすればいいですか。
引っ越し先の居住地の知事にも申請できますよ。
ただ、免状を交付した本来の知事とは別の窓口になることもあります。
その場合、免状を交付してもらった本来の知事にはちゃんと伝わるんですか。
はい。
交付元の知事への連絡も、規則で定められています。
- 免状の書換えは、交付元の知事だけでなく居住地・勤務地の知事にも申請できます。
- 書換えをした知事が交付元と違うときは、規則第五十二条の二により交付元の知事へ通知されます。
- 再交付は交付元又は書換えをした知事にしか申請できません。
- 再交付をする知事が交付元と違うときは、規則第五十三条の二により事前に免状の内容が照会されます。
- 申請者自身が都道府県間の調整を行う必要はありません。
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目次
免状の書換えはなぜ交付元以外の知事にも申請できるのか

引っ越しや転勤で交付元と違う都道府県に住んでいても、免状自体は使い続けられます。
免状を交付した都道府県知事に加えて、居住地または勤務地を管轄する都道府県知事にも申請できます。
つまり、免状を交付した知事と、実際に書換えを処理する知事が別の都道府県になることが起こり得ます。
この場合、免状に記録されている情報は交付元の知事の手元にあるままなので、両者の間で連絡が必要になります。
免状を交付してもらった県と、書換え先の県が違うこともあるんですね。
はい。
交付元の知事への連絡も、規則で定められています。
書換えをした知事は交付元の知事に何をしなければならないのか

このとき、免状を交付した知事にはどう伝わるのでしょうか。
居住地や勤務地の知事が書換えを行った場合、その知事は交付元の知事へ書換えをした旨を通知しなければなりません。
ただし、免状の写真の書換え(記載事項のうち撮影から10年を経過した写真の更新)は、この通知の対象から除かれています。
理由までは条文に書かれていませんが、写真だけの書換えは記載事項全体を左右しない事務として扱われていると考えられます。
通知は書換えのあとに送られるんですね。
はい。
ただ写真だけの書換えは対象外です。
再交付は書換えと同じように別の都道府県でも申請できるのか

こちらも交付元以外の知事に申請できるのでしょうか。
書換えのような居住地・勤務地の知事という選択肢はなく、交付元の知事か、それまでに書換えをした知事のどちらかにしか申請できません。
以前に居住地の知事へ書換えをしていれば、その知事にも再交付を申請でき、申請先が交付元と違う都道府県になることもあります。
この場合、免状の内容を確認しあうやり取りが、都道府県の間で必要になります。
再交付は書換えより申請先が絞られるんですね。
そうです。
次は、その申請先が交付元と違うときの手続きを見ましょう。
再交付をする知事はなぜ交付元にあらかじめ確認するのか

順番の違いに注目してみましょう。
書換えをした知事は手続きが終わったあとに交付元へ知らせるだけですが、再交付をしようとする知事は手続きの前に交付元へ免状の内容を確認しなければなりません。
同じ「他の都道府県知事から免状の交付を受けている者」を扱う規定でも、書換えは通知、再交付は照会と、条文の書きぶりそのものが異なります。
どちらの手続きも、免状の内容そのものは都道府県間の連絡によって確認される仕組みになっています。
通知と照会で順番が逆になっているのは知りませんでした。
実はよく似た規定なのに書きぶりが違います。
最後に実務の手順を確認しましょう。
書換え・再交付を申請するときに何を確認しておけばよいか

申請者本人が何かを取り次ぐ必要はありません。
- まず、記載事項が変わったのか、免状という現物を亡失・破損したのかで、書換えか再交付かを判断する
- 申請先は、交付元の都道府県知事か、居住地・勤務地を管轄する都道府県知事(書換えの場合)、または交付元・書換えをした知事(再交付の場合)から選ぶ
- 申請書には、免状の交付を受けた都道府県・交付年月日など、元の免状を特定できる情報を正確に書いておく
- 通知や照会は行政の内部手続きなので、申請者は通常の申請書類をそろえて窓口に出せば足ります
結局、こちらから知事同士に何か働きかける必要はないんですね。
窓口への申請だけで足ります。
最後によくある質問を見てみましょう。
よくある質問
まとめ
免状の手続きがどう都道府県をまたぐか、よく分かりました!
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第十三条の二
- 危険物の規制に関する政令(昭和三十四年政令第三百六号)第三十四条・第三十五条・第三十五条の二
- 危険物の規制に関する規則(昭和三十四年総理府令第五十五号)第五十二条の二・第五十三条の二
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





