花火を打ち上げる煙火製造事業所も、消防法上は危険物施設として扱われることがあります。
火薬の原料の段階では、消防法上の危険物を貯蔵したり取り扱ったりする工程を経るためです。
鹿児島市の煙火製造所で起きた爆発火災を機に、消防庁は都道府県に向けて防火安全対策の通知を出しました。
10名の死者を出した事故を受け、消防と火薬類取締部局の連携強化が求められました。
うちは花火を扱う施設じゃないので、この通知は関係ないですよね。
実は花火の原料も消防法上の危険物にあたることが多いんです。
だから煙火製造所も危険物施設として消防法の対象になります。
危険物を扱う施設なら、うちの許可の仕組みと同じということですか。
基本は同じ許可の仕組みです。
ただ火薬類そのものの規制は別の法律が担当しています。
- 平成15年に鹿児島市の煙火製造所で死者10名を出す爆発火災が起き、これを機に消防庁が防火安全対策の通知を出しました
- 通知の名称は「煙火製造事業所における防火安全対策について」(消防危第78号)で、平成15年7月29日に消防庁次長から各都道府県知事へ発出されました
- 対象は火薬類の原料として消防法上の危険物を貯蔵し、又は取り扱う煙火製造事業所です
- 通知は火薬類取締部局と消防部局の連携・立入検査での是正・警察を含めた合同立入検査という3つの柱を求めています
- 特に火薬類取締法と消防法という2つの許可を別々の部局が管理していることは見落としやすい落とし穴です
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目次
煙火製造事業所の防火安全対策はなぜ通知にまとめられたのか

実際にその危険物が原因とみられる大きな爆発火災が起きました。
鹿児島市の煙火製造所で起きたこの火災では、10名の死者という重い被害が出ました。
この事故を受けて消防庁次長は各都道府県知事に対し、煙火製造事業所の安全対策を徹底するよう通知を出しました。
つまり花火という身近な製品の裏側にも、危険物施設と同じ注意が必要な工程があるということです。
花火の工場でそんなに大きな火災が起きていたとは知りませんでした。
被害の大きさから、国も速やかに動いた通知なんです。
だからこそ内容を知っておく価値があります。
通知が対象にする煙火製造事業所とはどんな施設か

まずなぜ煙火製造所が消防法の対象になるのか、根拠を確認します。
煙火製造所は花火そのものより先に、原料となる薬品の段階で消防法上の危険物を扱う工程を持つのが通例だと通知は述べています。
そのため煙火製造事業所も、製造所・貯蔵所・取扱所として消防法第11条の許可を受ける危険物施設にあたります。
一方で花火そのものである火薬類は、消防法とは別の火薬類取締法という法律が規制しています。
ひとつの工場に、消防法と火薬類取締法の両方がかかってくるんですね。
そのとおりです。
だから通知は部局間の連携を強く求めています。
通知は都道府県にどんな連携を求めているのか

どれも新しい設備投資ではなく、行政庁どうしの体制づくりが中心です。
まず都道府県内で火薬類取締担当部局と消防担当部局が十分に連携し、総合的な防火安全対策を進めます。
次に消防機関は危険物施設に対する立入検査を行い、法令違反などの不備が見つかれば是正させます。
そして必要に応じて警察部局も加えた合同の立入検査を実施し、行政庁どうしが目的を共有して動く体制を求めています。
警察まで一緒に立入検査するとは思っていませんでした。
必要に応じてですが、そこまで踏み込んだ内容です。
行政庁どうしの連携が事故防止の鍵になります。
現場の立入検査で見落としやすいのはどこか

とくに2つの法律の許可がずれてしまう場面に注意が必要です。
消防庁からの通知だけでなく、火薬類を所管する部局や警察からも同じ事故を受けた通知が別々に出されています。
消防法上の危険物施設の許可が更新されていても、火薬類取締法上の許可が同じタイミングで見直されているとは限りません。
都道府県だけで完結せず、都道府県内の市町村の消防機関にまで情報が届いているかも確認しておく必要があります。
片方の許可だけ確認して安心してしまいそうです。
そこが一番の落とし穴です。
両方の許可をセットで確認してください。
明日からなにを確認すればよいのか

早めに確認するほど、立入検査当日の混乱を防げます。
消防法上の危険物施設としての許可と、火薬類取締法上の許可の両方を確認し、更新時期がずれていないか照らし合わせましょう。
消防機関側も、煙火製造事業所への立入検査を行う際は火薬類取締担当部局との情報共有を忘れないことが大切です。
必要と判断される場合には、警察部局も含めた合同の立入検査を検討する選択肢があることも覚えておいてください。
まずは自社の許可がどの法律に基づくものか、整理してみます。
はい、それが確実な近道です。
まずは許可の一覧をまとめるところから始めましょう。
よくある質問
まとめ
身近な花火の裏にこんな仕組みがあるとは、勉強になりました!
危険物施設の許可全般についても、お気軽にご相談ください。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 「煙火製造事業所における防火安全対策について」(平成15年7月29日 消防危第78号 消防庁次長)
- 消防法第11条第1項(製造所、貯蔵所又は取扱所の設置・変更の許可)
- 消防法第16条の5第1項(立入検査及び危険物の収去)
※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





