第二種中高層住居専用地域は、中高層のマンションを中心にしながらも、一定の利便施設を認める用途地域です。
同じ中高層住居専用地域でも、第一種は「建てられる建物」を列挙する方式なのに対し、第二種は「建ててはならない建物」を列挙する方式に変わります。
その禁止リストには、ホテルや旅館、自動車教習所、さらに小さな畜舎まで含まれています。
第二種中高層住居専用地域では、ホテルや旅館、自動車教習所、十五平方メートルを超える畜舎が原則建てられません
第二種中高層住居専用地域の土地にホテルを建てたいという相談があったのですが、そのまま建てられますか。
実は建築基準法別表第二(に)項第四号により、ホテルは原則建てられないんです。
まず条文で仕組みを確認しましょう。
マンションが建ち並ぶ地域だから、宿泊施設はふさわしくないということですか。
それだけでなく、自動車教習所や畜舎まで同じ号でまとめて規制されています。
順番に見ていきましょう。
- 第二種中高層住居専用地域では、建築基準法第48条第4項により別表第二(に)項に掲げる建築物は原則建てられません。
- 同項第四号は、ホテルや旅館を規模を問わず禁止しています。
- 第五号は自動車教習所を、規模の限定なく禁止対象にしています。
- 第六号が禁止する畜舎は、施行令第百三十条の七により床面積十五平方メートルを超えるものに限られます。
- 例外的に建てる道は、特定行政庁の許可に限られます。
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目次
第二種中高層住居専用地域とはどんな地域か

同じ中高層住居専用地域でも、第一種と第二種では条文の書き方そのものが正反対になります。
建築基準法第48条第4項 第二種中高層住居専用地域内においては、別表第二(に)項に掲げる建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が第二種中高層住居専用地域における良好な住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。
第一種(は項)は病院・大学・老人福祉センターなど特定の用途だけを積極的に許すポジティブリストで、そこに載っていない用途は原則建てられません。
一方、第二種(に項)は原則自由に建てられる中で、特定の用途だけを名指しで禁止するネガティブリストです。
つまり第二種のほうが建てられる用途の幅は広いものの、禁止された用途を個別に確認しないと見落としやすいという性質があります。
次は、この禁止リストのうち実務で相談を受けやすい3つの用途を確認しましょう。
同じ中高層住居専用地域なのに、書き方がそんなに違うんですね。
はい、第二種のほうが原則自由な分、個別の禁止に注意が必要です。
次はホテルの規定を見てみましょう。
ホテルや旅館はなぜ建てられないのか

条文を確認します。
工業地域を規制する第12項の(を)項第二号にも同じくホテルや旅館を禁止する号がありますが、そちらは工場の操業環境を守るための規制です。
一方、住居系である第二種中高層住居専用地域での禁止は、不特定多数の宿泊者が出入りする施設が、中高層マンションを中心にした閑静な住環境になじまないという趣旨によるものです。
第一種中高層住居専用地域(は項)にもホテルを許容する号は無いため、中高層住居専用地域は第一種・第二種のどちらでもホテルを建てられません。
次は、自動車教習所がどう扱われるかを確認しましょう。
ホテルはやっぱり住宅街にはふさわしくないということですね。
それだけでなく、自動車教習所も同じ号でまとめて禁止されています。
次はその中身を見ましょう。
自動車教習所も同じように建てられないのか

条文を確認します。
ホテルや旅館(第四号)が不特定多数の出入りを理由にするのに対し、自動車教習所はコースの走行音やクラクションの音による騒音が、閑静な住環境を害するおそれがあるためと考えられます。
条文には床面積や規模による例外規定が無いため、小規模な教習所であっても第五号の対象から外れることはありません。
次は、同じ号にまとめて規制されているもう一つの用途、畜舎を確認しましょう。
教習所は騒音のイメージがありますし、納得です。
次は意外な小ささで規制される畜舎を見てみましょう。
畜舎はなぜ十五平方メートルという小さな面積で規制されるのか

条文と政令をあわせて確認します。
建築基準法施行令第百三十条の七 法別表第二(に)項第六号に規定する政令で定める規模の畜舎は、床面積の合計が十五平方メートルを超えるものとする。
十五平方メートルは一般的な物置や小屋とほとんど変わらない大きさで、家畜を飼育する畜舎としてはかなり小規模な部類に入ります。
つまり、庭先で数羽の鶏や小動物を飼う程度の小屋であれば規模の基準を下回りますが、それを超える畜舎は原則建てられません。
第六号は住宅の敷地内で家畜を飼う小規模な例までは規制せず、一定規模を超えて飼育目的が明確になった段階から規制する仕組みだと分かります。
次は、明日から実務で確認すべき点を整理しましょう。
十五平方メートルって、思ったよりずっと小さいんですね。
はい、規模の小ささが落とし穴になりやすい号です。
次は確認すべき点を整理しましょう。
明日からなにを確認すればよいのか

確認すべき点を整理します。
- 計画地が第二種中高層住居専用地域か、ホテル等を建てられる他の用途地域かを都市計画図で確認する
- ホテル・旅館・自動車教習所は、規模を問わず(に)項第四号・第五号の対象になることを確認する
- 畜舎は施行令第百三十条の七の基準(床面積十五平方メートル)を超えるかどうかを実測して確認する
- 例外的に建てたい場合は、特定行政庁への事前相談を選択肢に入れる
都市計画図で第二種中高層住居専用地域かどうかを見極め、(に)項の禁止対象に当てはまるかを個別に判断します。
ホテル・旅館・自動車教習所は規模を問わず禁止対象ですが、畜舎だけは施行令の面積基準で線引きされる点に注意が必要です。
相談を受けたら、まず用途地域と建物の用途区分、必要なら面積の実測まで確認しましょう。
用途地域と面積、まずその2点を確認します。
はい、その2点が出発点です。
次はよくある質問を見ていきましょう。
よくある質問
まとめ
相談してくれた方には用途地域と面積を確認するよう伝えてみます!
特定行政庁への相談も含めて、㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 建築基準法第48条第3項・第4項(e-Gov法令検索)
- 建築基準法別表第二(は)項・(に)項第四号・第五号・第六号(e-Gov法令検索)
- 建築基準法別表第二(を)項第二号(e-Gov法令検索)
- 建築基準法施行令第百三十条の七(e-Gov法令検索)
※本記事は公表されている法令に基づく一般的な解説です。該当性の判断や特例許可の可否は個別の内容によって異なる場合があります。個別の判断は所轄の特定行政庁にご確認ください。





