消防用設備等の点検票には、点検を行った点検資格者の押印欄がありますよね。
令和のいまでも「認印を押してください」と言われて戸惑った経験はありませんか。
実はこの押印、平成31年の告示改正で一部が不要になっています。
今回はその改正の中身と、いまも様式を確認するときに見落としやすい点を解説します。
点検票に判子を押す欄があるんですが、これって今も必要なんですか。
実は平成31年の告示改正で押印が簡素化されました。
点検を行った方の欄は、もう判子が要らないんです。
えっ、そうなんですか。
うちの様式、まだ古いのかもしれません。
様式が新しくなっているか、今日一緒に確認していきましょう。
- 平成31年4月18日の消防予第79号により、点検結果報告書と点検票の様式が改正されました。
- 点検を行った点検資格者や消防設備士など、報告義務者以外の押印が不要になりました。
- 点検結果報告書の記載内容も、確認不要な項目を整理する形で見直されています。
- 各様式の備考にある「日本工業規格」の表記は「日本産業規格」に改められました。
- 改正後の様式へは経過措置があり、平成31年9月30日までは旧様式も使用できました。
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目次
消防用設備等の点検結果報告書はなぜ押印を見直すことになったのか

なぜ、この押印を見直す通知が出されたのでしょうか。
点検結果報告書には、建物を管理する防火対象物の関係者だけでなく、実際に点検を担当した点検資格者や消防設備士の欄にも押印欄が設けられていました。
けれど押印は、あくまで書類の慣行として続いていたもので、法令上どうしても必要というわけではありませんでした。
そこで平成31年4月18日、消防予第79号という通知で、様式の押印欄そのものが整理されることになりました。
背景には、書類を扱う現場の負担を減らそうという考え方があります。
押印欄、うちの様式にもいっぱいあります。
これ全部要るんでしょうか。
全部ではありません。
報告義務者以外の欄は、もう押さなくて大丈夫です。
押印が不要になったのはどの欄なのか

実は「不要になった欄」と「そのまま残る欄」があります。
建物を管理する防火対象物の関係者、つまり報告義務者自身の押印欄については、この通知では触れられていません。
点検を担当した側の㊞マークだけが様式から削除されたとイメージすると分かりやすいはずです。
様式を見比べるときは、どちらの欄の話をしているのかを取り違えないようにしましょう。
点検資格者証や資格を示す記載欄は、押印が無くなったあとも引き続き必要です。
じゃあ、うちが出す報告書の押印は
そのままでいいんですね。
はい、なくなったのは点検した側の欄です。
関係者様の押印はこれまでどおりで大丈夫です。
告示改正は具体的に何を求めているのか

通知には大きく3つの改正事項が示されています。
1つ目はここまで説明した押印の簡素化、2つ目は点検結果報告書の記載欄そのものの整理です。
確認の必要が薄い項目や、書き方が分かりにくかった項目を見直す内容でした。
3つ目は日本工業規格という表記を日本産業規格に改める、法律改正に合わせた事務的な修正です。
どれも様式の使い勝手を整える改正で、点検の技術基準そのものが変わったわけではありません。
印鑑だけじゃなくて、
規格の名前まで変わってたんですね。
そうなんです。
法律の改正にあわせた事務的な修正も含まれています。
経過措置の期限を見落とすとどうなるのか

実務で見落としやすいのが、この経過措置の期間です。
押印欄と記載内容の見直しは公布の日から、規格名称の変更だけは平成31年7月1日からと、施行日が2段階に分かれていた点にも注意が必要です。
この経過措置の期限はすでに過ぎているため、いま現場で見かける様式は、本来はすべて改正後のものであるはずです。
もし古い様式のまま押印欄が残っていたら、更新が済んでいない可能性を疑ってよいでしょう。
様式は消防設備業者やビル管理会社が用意していることも多いので、発行元に確認するのが確実です。
うちの様式、まだ古いやつかもしれません。
ちょっと不安になってきました。
経過措置はとっくに終わっているので、
いま一度、様式を見比べてみましょう。
点検票を使うときに明日から何を確認すればよいのか

最後に、明日からできる確認のポイントをまとめます。
様式の備考欄で「日本工業規格」という古い表記のままになっていないかも、あわせて見ておきたいところです。
点検を委託している業者がいる場合は、最新の様式を使っているかどうか、一度問い合わせてみるとよいでしょう。
点検基準そのものが緩和されたわけではないので、点検の中身まで省略してよいわけではありません。
書類の様式は消防庁のホームページでも公表されているので、迷ったときは最新版と見比べてください。
さっそく手元の様式を、
見直してみますね。
それが一番確実です。
気になる点があれば、いつでもご相談ください。
よくある質問
まとめ
押印のことも様式のことも、
スッキリ分かりました!
お困りごとがあれば、いつでもどうぞ。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 「消防用設備等の点検の基準及び消防用設備等点検結果報告書に添付する点検票の様式の一部を改正する件」(平成31年消防庁告示第5号)及び「消防法施行規則第三十一条の六第一項及び第三項の規定に基づく消防用設備等又は特殊消防用設備等の種類及び点検内容に応じて行う点検の期間、点検の方法並びに点検の結果についての報告書の様式の一部を改正する件」(平成31年消防庁告示第6号)の公布について(平成31年4月18日消防予第79号)
- 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第三十一条の六
※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





