「うちのロープウェイ乗り場にも、避難確保計画を出すよう言われました。」
火山のふもとにある旅館やロープウェイ会社から、そんな相談が増えています。
実はその計画、すでにある消防計画を直すだけで足りることがあります。
消防庁は活火山法上の避難確保計画と消防法上の消防計画を1本にまとめられると整理しました。
うちの旅館は活火山法の避難促進施設に指定されました。
消防計画とは別に、避難確保計画を一から作ることになるのでしょうか。
避難促進施設に当たるなら、消防計画を直すだけで避難確保計画を兼ねられます。
一から作り直す必要はありません。
2つの計画を1本にできるなら助かります。
どこをどう直せば足りるのか知りたいです。
5つの視点で順に見ていきましょう。
対象になる施設と直し方の順番から確認します。
- 火山のふもとの避難促進施設は、消防計画を直すだけで避難確保計画を兼ねられるとされました
- 対象になるのは市町村地域防災計画に名称・所在地が載った施設だけです
- 消防法令の要件を欠かないよう、防災部局と消防部局が調整することが前提です
- 消防計画の中身を直す場合は消防計画の変更届出を忘れてはいけません
- まず自分の施設が避難促進施設に当たるかを市町村に確認するところから始めます
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目次
活火山法の避難確保計画はなぜ消防計画とセットで問題になるのか

きっかけは平成27年の法改正です。
すでに消防計画を作っている旅館やロープウェイ会社が避難促進施設にも指定されると、同じような内容を2回書く手間が生まれます。
消防庁はこの重複を心配し、内閣府・消防庁予防課・消防庁国民保護防災部防災課の連名で整理を発出しました。
つまりこの通知は、書類を増やすためではなく減らすための整理です。
自分の施設が対象になるかどうかは、次の章で確認します。
うちは旅館なので、もう消防計画を作っています。
それとは別にもう1つ作るのは正直つらいです。
そこがこの通知の狙いです。
重ねて作らせないための整理だと考えてください。
どんな施設が避難促進施設として対象になるのか

対象になるのは、市町村があらかじめ決めた施設に限られます。
イには、ロープウェイの停留場やホテル・旅館・山小屋、展望台や休憩所、スキー場やキャンプ場のような不特定多数が使う施設が並びます。
ロには、学校や病院、社会福祉施設のような配慮を要する人が使う施設が並びます。
どちらも、火山の警戒地域に入っているだけでは対象になりません。市町村が地域防災計画にその施設の名前を書き込んで、はじめて対象になります。
自分の施設名が地域防災計画に載っているかどうかは、市町村の防災担当窓口で確認できます。
うちは旅館だから、イの宿泊施設に入りそうです。
本当に対象かどうかはどこで分かるのでしょうか。
地域防災計画に施設名が載っているかどうかで決まります。
まずは市町村の防災担当に問い合わせるのが確実です。
消防計画をどう直せば避難確保計画を兼ねられるのか

通知はここで、2つの計画を1本にする具体的な道筋を示しています。
施行通知はもともと、既存の計画に法定事項を補えば避難確保計画にできるという考え方を示していました。
今回の整理は、その既存の計画に消防法上の消防計画も含まれることを明記した点が新しいところです。
足りない事項は、避難訓練の内容や利用者への周知方法など、活火山法が求める項目です。
どの項目が足りないかは、次の章で見る資料を消防計画と突き合わせて確認します。
一から作らず、いまの消防計画に足りない部分を書き足せばいいんですね。
それなら現実的です。
そのとおりです。
足りない部分だけを補うという発想で十分です。
一体化したときに見落としやすいのはどこか

通知はここにも釘を刺しています。
消防計画の中身を書き換えた以上、それは消防法施行規則が求める消防計画の変更そのものになります。
逆に、防災部局の指導だけで内容を追加すると、今度は消防法令が求める事項が抜け落ちる心配もあります。
通知が防災部局に消防部局へ確認するよう求めているのは、このすれ違いを防ぐためです。
書類を1本にまとめるからこそ、届け先も確認先も2つあることを忘れないでください。
内容を直すだけのつもりでした。
消防署への届出まで要るとは知りませんでした。
そこが一番見落とされる点です。
消防計画の変更届出だけは必ずセットで出してください。
明日から何を確認すればよいのか

確認する順番を間違えなければ、大きく手戻りしません。
載っていなければ、この通知の対象にはなりません。
載っていたら、施行通知が示す記載事項を見て、いまの消防計画に足りない項目を洗い出します。
書き足す内容が固まったら、防災部局と消防部局の両方に事前に見てもらうと手戻りがありません。
最後に、消防計画の変更届出を所轄消防署に提出して手続きを終えます。
地域防災計画の確認から始めればいいんですね。
順番が分かって助かりました。
はい。
載っているか確認してから動くのが一番の近道です。
よくある質問
まとめ
対象かどうか、まず市役所に聞いてみます。
2つ作らずに済むと分かって助かりました。
消防計画の変更届出だけは忘れないでください。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 「活動火山対策特別措置法の一部を改正する法律」の施行に伴う避難確保計画と消防計画との関係に係る留意事項について(平成28年3月11日付け事務連絡)
- 活動火山対策特別措置法(昭和48年法律第61号)第6条・第8条
- 活動火山対策特別措置法施行令(昭和53年政令第274号)第1条
- 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第3条
※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





