用途地域や道路の記事を読んでいると「特定行政庁が建築審査会の同意を得て許可」という言い回しに何度も出会います。
許可の要件は号ごとに条文で確認できても、その同意を出している建築審査会そのものはあまり説明されません。
実はこの会議体には、組織のつくり方から委員が外れなければならない場面まで、独自の条文が用意されています。
建築審査会がどんな組織で、どこまで関わるのかを解説します
敷地の特例や接道の許可の記事で「建築審査会の同意」ってよく見るんですが、これは誰が何を審査しているんでしょうか。
建築基準法第七十八条から第八十三条が定める、市町村や都道府県に置かれる会議体です。
まず何のために置かれているのかから見ていきましょう。
役所の中の一部署のようなものかと思っていました。
実は専門家で構成される独立した会議体です。
次はその組織のつくりを確認していきましょう。
- 建築審査会は、法が定める同意の議決と審査請求に対する裁決を行うために、建築主事を置く市町村・都道府県に置かれる会議体です。
- 接道の特例や道路内の建築など、特定行政庁の許可の前提として建築審査会の同意が要求される場面が条文の各所にあります。
- 委員は法律・経済・建築・都市計画・公衆衛生・行政の知識経験者から市町村長又は知事が任命する五人以上で構成されます。
- 破産手続で復権していない者や拘禁刑以上の刑に処せられた者は委員になれず、利害関係のある事件では議事から外れます。
- 処分に不服があるときの審査請求の裁決も建築審査会が行い、請求の日から一月以内という期限があります。
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目次
許可の申請でたびたび出てくる建築審査会とはなにか

この建築審査会そのものを定めているのが第七十八条です。
一つ目は法が定める同意の議決で、特定行政庁が個別の許可を出す前提として審査会の同意を求める場面に対応します。
二つ目は審査請求に対する裁決で、処分に不服がある人からの申立てに答える役目です。
三つ目は特定行政庁からの諮問に応じた調査審議で、法の施行に関する重要事項について意見を述べる役目です。
建築主事を置く市町村と都道府県には、この会議体を置くことが義務づけられています。
同意だけじゃなく、不服の申立てにも答える役目まであるんですね。
はい、同意と裁決の両方を担っています。
次はどんな場面で同意が求められるのかを見ていきましょう。
どんな場面で建築審査会の同意が必要になるのか

代表的な一つを確認します。
接道義務の特例のように敷地や建築物の個別事情を認める許可では、審査会の同意が要件そのものに組み込まれていることがあります。
道路内に建てる公共用歩廊のように、条文の号自体は単なる許可でも、別の項であらかじめ同意を得ることが重ねて義務づけられている例もあります。
共通しているのは、特定行政庁一人の判断に委ねず、複数の専門家の目を通すという考え方です。
次は、その専門家たちがどのように選ばれているのかを見ていきましょう。
号によって同意がいる場合といらない場合があるんですね。
はい、号ごとに条件が違います。
次は審査会の中身を確認していきましょう。
審査会はどんな人たちで構成されているのか

委員の人数と資格を条文で確認します。
委員に求められる知識は法律・経済・建築・都市計画・公衆衛生・行政という六つの分野にわたり、建築の専門家だけで固められているわけでもありません。
任命するのは市町村長又は都道府県知事で、公共の福祉に関して公正な判断ができる人物であることが条件です。
会長は委員の互選で選ばれ、会務を総理して審査会を代表する役目を持ちます(第八十一条)。
次は、その委員に誰でもなれるわけではないという点を見ていきましょう。
建築の専門家だけじゃなく、法律や公衆衛生の人まで入っているんですね。
はい、六つの分野から選ばれます。
次は委員になれない人・外れる場面を見ていきましょう。
誰でも同意の議事に加われるわけではない

公正さを保つための条文が二つ用意されています。
第八十条は委員そのものになれない人を定めた欠格条項で、破産手続で復権していない者や拘禁刑以上の刑を受けた者が対象です。
第八十二条は委員自身や三親等以内の親族が利害関係を持つ事件では、その議事に加わることができないという除斥の規定です。
つまり委員であっても、自分や身内が関係する案件の同意・裁決には関われません。
この仕組みがあるからこそ、同意は特定の申請者に有利・不利に偏らない前提で出されます。
身内の案件だと、その委員は審査から外れる決まりなんですね。
はい、三親等以内まで対象です。
次は実務で確認すべき手順を整理しましょう。
明日からなにを確認すればよいのか

根拠になる条文を先に押さえておきます。
同意を要する場合は、審査会の開催頻度や必要書類を特定行政庁の窓口に早めに相談します。
委員の任期・報酬など運営の細部は条例に委任されているため(第八十三条)、自治体ごとに扱いが異なる点を踏まえます。
処分に納得できないときは、建築審査会への審査請求という手段があることを知っておきます。
審査請求をした場合は、請求の日から一月以内に裁決が行われ、原則として公開の口頭審査を経ることを見込んでおきます。 同意を要する許可は、通常の許可より手続きに時間がかかることを見込んで動くのが実務のコツです。
審査会の開催は毎月とは限らず、自治体ごとに頻度が異なるため、計画段階で早めに窓口へ相談しておくと手戻りを防げます。
委員の任期や報酬といった運営の細部は条例に委任されているため、同じ建築基準法でも自治体によって運用に違いが出ます。
処分そのものに疑問があるときは、審査請求という不服申立ての手段が用意されていることも押さえておきましょう。
今度の計画、窓口に早めに相談してみます。
はい、同意が要るかどうかを先に確認してみてください。
不明な点があれば窓口で聞いてみてください。
よくある質問
まとめ
今度の計画、同意が要るかどうかを窓口で確認してみます!
許可手続きのご相談を含め、㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 建築基準法第七十八条・第七十九条・第八十条・第八十一条・第八十二条・第八十三条(e-Gov法令検索)
- 建築基準法第四十三条第二項第二号(e-Gov法令検索)
- 建築基準法第九十四条第一項・第二項・第三項(e-Gov法令検索)
※本記事は公表されている法令に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄の特定行政庁にご確認ください。





