建物の改修や修繕で新しい材料を選ぶとき、そこに国が定めた品質基準があることをご存知でしょうか。
建築基準法は、基礎や主要構造部だけでなく、防火設備や間仕切壁などにも国が指定した材料しか使えないと定めています。
この仕組みを知らないまま工事を進めると、確認申請の段階で思わぬ差し戻しを受けることがあります。
この記事では指定建築材料の対象範囲と、消防用の検定品との違いまで整理します
今度の改修で使う建築材料って、なんでも自由に選べるんですよね。
いえ、建築基準法が指定建築材料という仕組みで品質を縛っている部分があります。
基礎や防火設備に使う材料は、国が定めた基準に適合しないと使えません。
うちの防火戸や間仕切壁も対象になるということですか。
はい、対象になる部分は施行令で決まっています。
今回はその範囲と、消防用の検定品との関係まで一緒に確認しましょう。
- 指定建築材料とは、基礎や主要構造部などに使う木材・鋼材・コンクリート等のうち国土交通大臣が指定するものです。
- 対象になるのは構造耐力上主要な部分・耐火構造等・防火設備・内外装・間仕切壁など、施行令が定める六つの区分です。
- 品質は日本産業規格や日本農林規格への適合、または国土交通大臣の個別認定のいずれかで証明します。
- 消防法の検定対象機械器具等や自主表示対象機械器具等は、この指定建築材料の対象から除かれています。
- 改修で材料を選ぶときは、使う部分が対象区分に当たるかを先に確認すると手戻りを防げます。
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目次
指定建築材料とは何を指すのか

安全上・防火上・衛生上とくに重要な部分には、国が指定した材料だけが使えるという仕組みがあります。
どんな木材や鋼材でもよいわけではなく、国が定めた条件を満たすものだけが使用を認められます。
対象になる重要な部分の具体的な範囲は、建築基準法本体ではなく政令に委任されています。
そのため、どこまでが対象なのかを知るには施行令まで確認する必要があります。
次はその対象範囲を具体的に見ていきます。
指定建築材料って、うちの建物のどこかに関係あるんですか。
基礎や防火設備など、安全上とくに重要な部分に関係してきます。
次はその具体的な範囲を確認しましょう。
どの部分に使う材料が対象になるのか

基礎や柱だけでなく、間仕切壁や防火設備まで幅広く含まれています。
施行令第百九条は防火設備を防火戸やドレンチャーその他火炎を遮る設備と定めており、日常の点検対象と重なります。
第五号の間仕切壁やバルコニーも、増改築や修繕でよく手を入れる部分です。
つまり指定建築材料は、新築時だけでなく既存建物の改修でも意識する必要がある仕組みだといえます。
どの区分に当たるかを先に確認しておくと、材料選びで迷いにくくなります。
防火戸を交換するときも、この指定建築材料に関わってくるんですか。
はい、防火設備は第三号にはっきり含まれています。
次は品質をどう確認するのかを見ていきましょう。
品質はどうやって確認されるのか

建築基準法第三十七条は、その証明方法を二つの経路に絞っています。
第一号は日本産業規格(JIS)や日本農林規格(JAS)に適合していることを示す方法です。
第二号は規格が無い材料や工法について、大臣が個別に認定を与える方法です。
どちらの経路も、最終的には第三者が確認できる形の証明が残ることが前提になっています。
新しい工法や輸入材料を使うときほど、どちらの経路で証明されているかを確認する意味が大きくなります。
見た目が同じ鋼材でも、証明の有無で扱いが変わるということですね。
はい、証明の無い材料は指定建築材料として使えません。
次はよくある誤解を確認しましょう。
消防用の機械器具まで対象になるのか

第六号は建築設備又はその部分を対象に含めていますが、実はここに大きな除外規定があります。
消火器や自動火災報知設備の感知器などは、既に消防法の検定制度や自主表示制度で品質が担保されているためです。
同じ理由で、ガス用品や電気用品、液化石油ガス器具等も除外されています。
つまり一つの製品が二つの制度で二重に品質を証明させられることを避ける仕組みになっています。
防火管理者としては、消防用設備等は消防法側の検定・自主表示の確認で足りると理解しておけば十分です。
うちの消火器にも、この建築基準法の認定は別に必要になるんでしょうか。
いいえ、消防法の検定・自主表示があれば足り、二重の確認は不要です。
最後に確認申請での扱いを見ておきましょう。
改修や確認申請で何を確認すればよいのか

規格にも大臣認定にも当てはまらない特殊な材料を使いたい場合の道筋も、法律上用意されています。
確認申請では、使用する指定建築材料がJIS・JASに適合するか、大臣認定を受けているかを示す資料の添付が求められます。
改修工事で防火設備や間仕切壁の材料を変えるときも、同じ確認が必要になります。
証明書類が揃わないまま工事を進めると、確認や検査の段階で差し戻しを受けることになります。
材料を選ぶ前に、対象区分と証明方法の二点を先に押さえておくことが遠回りを避ける近道です。
材料を決める前に、証明書類まで確認しておいた方がよさそうですね。
はい、工事の前の確認が結局いちばんの近道です。
次はよくある質問を見ていきましょう。
よくある質問
まとめ
改修の相談を受けたときは、材料の証明書類まで確認するようにします!
改修に使う材料の確認まで含めて、㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 建築基準法第三十七条・第三十八条(e-Gov法令検索)
- 建築基準法施行令第百四十四条の三・第百九条(e-Gov法令検索)
- 消防法第二十一条の二・第二十一条の十六の二(e-Gov法令検索)
※本記事は公表されている法令に基づく一般的な解説です。該当性の判断は個別の内容によって異なる場合があります。個別の判断は所轄の特定行政庁または消防署にご確認ください。





