スプリンクラーが作動し、消火できたように見える一方で水は流れ続けています。
水損を減らすため、すぐ制御弁を閉めてよいのでしょうか。地震で配管だけが壊れた場合は、誰がどこを止めるのでしょうか。
結論は、火災か漏水かを確認し、火災なら消火を確認してから、影響する系統だけを止めることです。
止水後は終わりではなく、警戒の代替措置と早期復旧までをBCPに組み込みます。
水が止まらへんと、床が水浸しになりますよね?
せやけど、消火確認前の止水は危険です。
地震で配管が割れただけなら、どうしますか?
火災でないことを確かめ、該当系統だけ止めます。
- 火災中や消火確認前に、スプリンクラーの水を止めてはいけません。
- 火災による作動か、地震などによるヘッド・配管の損傷かを現場と受信機で確認します。
- 消火確認後、放水している階や区画の制御弁を閉め、設備仕様に沿ってポンプと警報を復旧します。
- 止水した系統は消火機能が低下するため、監視強化と代替措置を講じます。
- 図面、制御弁、停止権限、連絡先、復旧判定を一枚の放水停止手順にまとめます。
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目次
スプリンクラーが作動したらすぐ水を止めてよいのか

水が流れ続けると水損が広がりますが、火が残っているうちに止めれば、再燃や延焼を止める力まで失います。
煙や熱で立入りが危険な場所へ、施設担当者だけで確認に向かってはいけません。消防隊が到着している場合は、その指揮に従います。
表面の炎が見えなくても、棚の裏、天井裏、積み荷の内部に残火があることがあります。
制御弁を閉める判断は、建物の消防計画と設備ごとの手順に従い、権限のある担当者が行います。
炎が見えへんかったら、止めてもええですか?
残火まで確認してから判断します。
どの作動と漏水を対象に確認するのか

受信機の表示だけで決めず、安全を確保したうえで放水場所、煙、炎、におい、熱、破損状況を突き合わせます。
どの階・区画の制御弁がその場所を受け持つか、ポンプは運転しているか、受信機にどの信号が出ているか、他区画へ漏水が広がっていないかを確認します。
本当の火災を配管損傷と思い込むことが最も危険です。判断できない場合は火災として通報し、避難と安全確保を優先します。
一方、漏水だけと確認できた場合は、電気設備への浸水や他の消防用設備等への影響を減らすため、影響範囲を限定した止水を急ぎます。
- 受信機の発報場所と現場が一致しているか
- 煙、炎、熱、焦げたにおいがあるか
- ヘッド、継手、配管に破断や変形があるか
- 放水階・区画と制御弁の系統が一致するか
受信機だけ見れば分かりますか?
表示と安全に確認できる現場情報を合わせます。
放水停止はどの順番で行うのか

次に、設備の取扱説明書や消防計画に従ってポンプを停止し、火災受信機などの表示を復旧します。
| 段階 | 確認すること |
|---|---|
| 1 原因確認 | 火災か、破損による漏水かを判別する |
| 2 消火確認 | 残火と再燃のおそれを確認する |
| 3 系統止水 | 放水階・区画の制御弁を閉める |
| 4 設備停止 | 機種別手順に従いポンプ・警報を操作する |
| 5 復旧管理 | 代替措置、修理、試験、開放復旧、記録を行う |
地震による破損で火災がない場合も、該当区画の制御弁を閉めた後、排水、警報停止、ポンプ停止を設備仕様に沿って進めます。
バルブ、ポンプ、受信機の操作は建物ごとに異なります。分からないまま操作せず、消防設備業者や消防隊へ連絡してください。
元栓を全部閉めたら早いですか?
対象系統だけを図面で確かめて止めます。
水を止めたまま業務を続けてよいのか

水が止まったから通常営業へ戻れる、とは判断できないのです。
消防庁の資料は、損傷した消防用設備等の早期復旧が重要であると示しています。
修理までの間は、火気使用の制限、巡回監視、消火器の増強、危険区画の閉鎖、在館者制限など、建物の用途と停止範囲に応じた措置を検討します。
営業継続の可否は、停止区画、火災危険、避難安全、代替措置、復旧見込みをまとめて判断します。
所轄消防署への届出や相談が必要になる場合もあるため、建物所有者、管理会社、消防設備業者と連携してください。
止水できたら営業再開してよいですか?
消火機能が止まった影響まで確認します。
明日から放水停止手順をどう確認するのか

次に、作動表示の読み方、消火確認、止水、ポンプ停止、受信機復旧、修理連絡の担当を並べます。
手順書には、止め方だけでなく「止めてよい条件」を最初に書きます。
「火災でないことを確認した場合」「火災なら消火と残火を確認した場合」とし、判断できない場合は止水せず通報・避難を優先すると明記します。
操作後は、閉鎖した弁、停止時刻、現場確認者、ポンプ・受信機の状態、代替措置、修理依頼先を記録します。
修理と試験が終わったら、制御弁が通常の開放状態へ戻り、警報とポンプが正常であることを確認します。ヘッド交換や配管修理は資格・技能のある消防設備業者へ依頼してください。
- 平面図と系統図に制御弁の担当区画を書く
- 夜間・休日を含む正副の操作担当を決める
- 消防隊と消防設備業者の連絡先を掲示する
- 止水中の代替措置と営業判断者を決める
- 復旧後の開放確認と記録様式を用意する
実機操作を伴う場合は、建物所有者、管理会社、消防設備業者と調整し、設備を無断で停止しないようにします。
まず何を見ればええですか?
図面と現場の制御弁を照合しましょう。
よくある質問
まとめ
止めてよい条件から確認します!
消火機能を戻すところまでが手順です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- e-Gov法令検索 消防法施行規則第3条
- 東京消防庁 自衛消防活動マニュアル
- 東京消防庁 消火後のスプリンクラー設備の停止方法
- 消防庁 地震等により消防用設備等が損傷した場合の対応資料
- 消防庁 消防用設備等の点検基準・点検要領・点検票
- 内閣府 事業継続ガイドライン 令和5年3月
※本記事は公表されている法令および消防庁、内閣府、東京消防庁の資料に基づく一般的な解説です。スプリンクラー設備の方式、制御弁の区画、ポンプや受信機の停止・復旧方法、必要な届出や代替措置は建物と地域によって異なります。火災時は消防隊の指示に従い、個別の操作と復旧は建物所有者、管理会社、消防設備業者、所轄消防署へご確認ください。





