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BCPで非常食の加熱袋を室内で使ってよいのか|高温蒸気とやけどを防ぐ運用を解説

非常食の加熱袋を安定した場所で使用する施設管理者

停電時に温かい非常食を出すため、発熱剤と加熱袋を備蓄していませんか。
火を使わない製品でも、使用中は高温の蒸気加熱後の溶液に注意が必要です。
職員ごとに使い方が違うと、避難所や一時滞在場所でやけどを起こしかねません。
製品表示を基準に使用場所と片付け方まで決めましょう

火を使わへんなら、会議室でもすぐ使えますか?

製品表示を確認し、蒸気が人へ向かない安定した場所を選びます。

使い終わったら、すぐごみ箱へ入れてええんですか?

まず反応終了と冷却を確認し、表示どおりに処理しましょう。

この記事の結論
  • 火を使わない製品でも取扱説明書を先に確認します
  • 加熱袋は安定した耐熱性のある場所へ置きます
  • 蒸気の出口を人や物へ向けません
  • 指定された水量と加熱時間を守ります
  • 使用後は十分に冷めたことを確認して処理します

非常食の加熱袋を安定した場所へ置き蒸気の向きと冷却後の回収を確認するアイソメ図

非常食の加熱袋は室内で使ってよいのか

施設内の専用テーブルで非常食の加熱袋を安全に使うアイソメ図
室内使用の可否は、製品の取扱説明書と施設側の使用条件を突き合わせて判断します。
「火を使わない」という一文だけで場所を決めてはいけません。
独立行政法人地域医療機能推進機構の災害時食事管理ガイドブックは、専用袋へ発熱溶液と発熱剤を入れて化学反応で温める方法を紹介し、加熱後の溶液によるやけどに注意するよう示しています。
使用できる場所を製品ごとに決めます
加熱袋は、通行人がぶつからず、子どもや利用者が触れにくい専用テーブルへ置きます。
蒸気や熱で周囲の紙、掲示物、電気機器を傷めないよう距離を取り、避難通路や防火戸の動きを妨げない場所を選んでください。
説明書が屋外使用や換気を求める製品は、その条件に従います。
担当者が迷わないよう、使用可否と場所を備蓄品一覧へ記録しましょう。

火気を使わなくても、置き場所は決めるんですね。

人の動線と蒸気の向きを確認できる場所に固定しましょう。

どの製品と使用条件を対象に確認するのか

加熱袋と発熱剤と専用水と非常食を一組にして確認するアイソメ図
同じように見える加熱袋でも、反応させる材料、水量、加熱時間、使用場所、処理方法は製品ごとに異なります。
別製品の手順を流用しないでください。
独立行政法人農畜産業振興機構は、加熱剤に水を加え、発生した蒸気で食品や水を温める方法を紹介しています。加熱剤と食品を別の袋へ入れる製品例も示されています。
一製品を一セットとして確認します
加熱袋、発熱剤、指定水、非常食、取扱説明書を一組にし、欠品と組み合わせ違いを防ぎます。
確認対象は使用期限だけではありません。
袋の破れ、発熱剤の濡れ、説明書の欠落、専用水の不足、食品容器の加熱可否を見ます。
アレルギー対応食や食事制限食は、一般食と混ざらない別区画へ表示しておきましょう。
  • 製品名とロット
  • 加熱袋と発熱剤の数量
  • 指定された水の種類と量
  • 加熱できる食品容器
  • 使用場所と換気条件
  • 加熱時間と待ち時間
  • 使用後の処理方法

発熱剤だけ余っていても、別の袋には使わん方がええんですね。

はい。
指定の組み合わせを崩さず管理してください。

水を入れて加熱を始めるとき何を確認するのか

担当者が計量した水を加熱袋へ入れ蒸気口を人から離すアイソメ図
作業前に説明書を読み、袋を立てる位置と蒸気の逃げる方向を確認します。
使用中に袋を移動させずに済む場所で始めてください。
消費者庁の災害用備蓄食品に関する資料には、発熱材と加熱袋を組み合わせて温める備蓄食品が掲載されています。付属品まで含めた一式の確認が必要です。
水を入れる前に配置を完成させます
袋が倒れない平らな場所へ置き、蒸気の出口を顔、手、壁、天井、電気機器から離します。
次に、製品が指定する水量を量り、指定された順序で加えます。
反応が始まった袋をのぞき込んだり、素手で触ったり、途中で開けたりしないでください。
担当者は開始時刻を記録し、製品表示の加熱時間と待ち時間を守ります。
利用者が近づかないよう、加熱中の表示と簡易な区画を設けましょう。

水を入れてから安全な場所へ運ぼうとしていました。

反応前に置き場所を決め、途中では動かさない運用にしましょう。

使用後ならすぐ捨ててよいと思い込みやすいのはなぜか

使用済み加熱袋を耐熱トレーで冷ましてから回収箱へ移すアイソメ図
食品を取り出した後も、袋や発熱剤、内部の溶液が熱い場合があります。
加熱が終わったことと、安全に触れられることは同じではありません。
独立行政法人地域医療機能推進機構の資料は、火災の心配がない加熱方法として紹介する一方、加熱後の溶液によるやけどへ注意を促しています。
取り出しと廃棄を別の手順にします
食品を取り出す際は蒸気の出口へ顔や手を近づけず、表示された方法で袋を開けます。
使用済みの袋は耐熱性のあるトレーで冷まし、反応が終わって十分に冷えたことを確認します。
内容物を勝手に流したり、他のごみと混ぜたりせず、製品表示と自治体または事業所の分別方法に従ってください。
液漏れや袋の破損があった場合は、利用者を離し、担当者が製品の緊急時表示を確認して対応します。

食べ物を出したら、もう安全やと思っていました。

袋と溶液が冷めるまで、回収場所を分けてください。

明日から加熱袋の使用訓練をどう始めるのか

施設管理者が非常食加熱袋の使用手順を点検表で訓練するアイソメ図
実物を使わない説明だけでは、袋の置き方、蒸気の向き、待ち時間、使用後の熱さを把握しにくいものです。
期限更新の対象品を活用し、少人数で一連の手順を確認します。
内閣府の事業継続ガイドラインは、事業継続の実効性を高めるため、教育・訓練、点検及び是正処置を継続する考え方を示しています。
開封から冷却まで通して訓練します
担当者と代行者を決め、取扱説明書を声に出して確認しながら一セットを使用します。
使用場所、必要な水、計量器具、耐熱トレー、立入表示、回収容器を準備してください。
開始から食事提供までの時間と、一回に安全に扱える処理数を記録します。
最後に冷却と分別まで行い、迷った手順を写真付き手順書へ反映しましょう。
  • 製品表示と使用期限を確認する
  • 担当者と代行者を決める
  • 安定した使用場所を決める
  • 水量と投入順序を確認する
  • 蒸気の向きと立入範囲を確認する
  • 加熱時間と提供時刻を記録する
  • 冷却後の回収と分別まで訓練する

次の期限更新で、実物を一つ使って確認します。

開封から回収まで通すと、必要な道具も見えてきます。

よくある質問

Q火を使わない加熱袋なら、どの室内でも使えますか?
A製品表示にある使用場所や換気条件を確認し、通行を妨げず蒸気が人や物へ向かない安定した場所を選びます。
Q飲料水以外の水も使えますか?
A製品によって指定が異なります。自己判断で代えず、取扱説明書が示す水の種類と量を守ってください。
Q加熱中に袋を移動させてもよいですか?
A反応後の移動は転倒や蒸気への接触につながります。水を入れる前に場所を決め、製品表示にない移動は避ける運用にします。
Q使用済み発熱剤はすぐ捨てられますか?
A反応終了と冷却を確認し、製品表示と自治体または事業所の分別方法に従います。熱いままごみ箱へ入れません

まとめ

製品表示を使用手順の基準にします
加熱袋は安定した専用場所で使います
蒸気の出口を人や物へ向けません
水量と投入順序を自己判断で変えません
反応後の袋を途中で動かしません
使用後は十分な冷却を確認します
開封から分別まで一連で訓練します

加熱袋も、使って片付けるまでが訓練なんですね!

安全な食事提供をBCPへ組み込みましょう。
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監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

本記事は一般的な情報提供を目的としています。製品の成分、使用場所、水量、加熱時間、冷却時間、廃棄方法は製品ごとに異なります。必ず現物の表示と取扱説明書を確認し、施設の消防計画、管理規程、自治体の分別方法に従ってください。

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