停電に備えて、懐中電灯やラジオ用の乾電池を袋へまとめて入れていませんか。
未使用の電池でも、端子同士や硬貨などの金属が触れると短絡して発熱するおそれがあります。
特に9V形乾電池は端子が同じ面に並ぶため、保管方法を先に決めておくことが大切です。
備蓄量だけでなく包装状態と使用後の戻し先まで決めましょう。
乾電池は一つの袋にまとめた方が、持ち出しやすいと思っていました。
裸の電池をまとめると、端子が触れて発熱や破裂につながることがあります。
未使用の電池なら、そのままでも大丈夫やと思っていました。
未使用でも端子の接触は起こります。
包装と分別を見直しましょう。
- 未使用の乾電池は元の包装や専用ケースで保管します
- 包装から出した電池は端子を絶縁して接触を防ぎます
- 9V形乾電池は同じ面の端子をまとめて覆います
- 硬貨やクリップを電池と同じ容器へ入れません
- 新品・使用中・使用済みを別の区画で管理します
▼

目次
備蓄乾電池を同じ袋にまとめて保管してよいのか

ただし、数をそろえるだけでは安全な備蓄になりません。
消費者庁は、新旧のボタン電池を袋へ詰めた場合や、ボタン電池が9V形乾電池の端子へ接触した場合の破裂再現映像を公表しています。
電池同士や金属が端子をつなぐと過電流が流れ、異常発熱や破裂につながるおそれがあります。
したがって、元の包装を保つか、端子同士が触れない専用ケースへ分けることが基本です。
明日、備蓄袋を開き、包装から出た乾電池が混在していないか確認しましょう。
持ち出し袋の中で、電池がばらばらになっていました。
元の包装か専用ケースへ戻し、端子が触れない状態にしてください。
どの電池と保管場所を対象に確認するのか

機器から外した電池や、点検で一度使った電池も対象です。
単形の違う乾電池、ボタン電池、9V形乾電池では、端子の形や機器への使い方が異なります。
さらに、未開封、開封済み、機器に装着中、使用済みでは保管状態も違います。
次のものを同じ確認表に載せ、置き場所を特定してください。
- 未開封の予備乾電池
- 包装から出した予備乾電池
- 懐中電灯やラジオに装着している電池
- 点検で一度取り外した電池
- 回収待ちの使用済み乾電池
- ボタン電池や9V形乾電池
- 液漏れ、さび、変形、水ぬれがある電池
備蓄庫だけでなく、受付、警備室、各階の防災箱まで対象を広げましょう。
使いかけの電池も、予備箱に戻していました。
未開封と開封済みを分けると、点検もしやすくなります。
端子の絶縁と在庫の分け方をどう決めるのか

とくに9V形は二つの端子が上面に並んでいます。
9V形乾電池は二つの端子をまとめて絶縁テープで覆い、他の電池や金属に触れない専用区画へ入れます。
円筒形やボタン形の電池も、包装から出して保管する場合はすべての電極を絶縁します。
未開封品、開封済み品、使用済み品は容器を分け、混ぜて戻さない運用にしてください。
硬貨やクリップは電池と離した別容器へ移し、備蓄箱の中で接触しない配置にします。
9V形は端子が上に二つ並んでいるから、触れやすいんですね。
はい。
二つの端子を一緒に覆うと接触を防ぎやすくなります。
未使用の乾電池なら安全と思い込みやすいのはなぜか

保管中も、端子の接触や混在が事故のきっかけになります。
包装から外れた未使用電池は、運搬中の振動で他の電池や金属へ触れる可能性があります。
またNITEは、新しい電池と古い電池を混ぜて使用すると、古い電池が過放電状態になり液漏れにつながることを示しています。
見た目が同じでも、購入時期や使用履歴が違う電池を一緒に機器へ入れないよう管理します。
液漏れ、さび、変形、水ぬれがあれば正常品から隔離し、素手で触れず製品表示と自治体の回収方法を確認してください。
袋に未使用品と使いかけが混ざっていて、見分けがつきません。
使用状態ごとに箱を分け、戻す場所を固定しましょう。
明日から乾電池の備蓄をどう確認するのか

点検の担当者と代行者を決めておくと、災害時にも同じ手順を続けられます。
懐中電灯やラジオが必要とする種類と本数を確認し、備蓄数が合っているかを見ます。
次に包装、端子の絶縁、金属との分離、使用状態の区分を確認します。
さらに備蓄箱が避難通路や消防用設備等を塞がず、担当者がすぐ取り出せる安全な場所にあるかを確かめます。
最後に試用した電池を新品の箱へ戻さず、使用済み容器へ入れる回収手順まで訓練してください。
- 懐中電灯やラジオごとに必要な電池の種類と本数を記録する
- 未使用品が元の包装や専用ケースに入っているか確認する
- 包装から出た電池の端子を絶縁する
- 9V形乾電池を専用区画へ分ける
- 硬貨、クリップ、工具を電池から離す
- 新品、開封済み、使用済みの戻し先を分ける
- 担当者と代行者が同じ手順で点検する
次の点検で、機器ごとの必要本数まで確認します。
試用後の電池をどこへ戻すかまで、点検表に入れてください。
よくある質問
まとめ
乾電池の残数だけでなく、端子と戻し先まで確認します!
安全な備蓄管理を整えましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- e-Gov法令検索 消防法第8条
- e-Gov法令検索 消防法施行規則第3条
- 総務省消防庁 消防庁防災業務計画
- 消費者庁 電池保管時には破裂にも注意しましょう
- 製品評価技術基盤機構 ショートしたボタン電池の破裂
- 製品評価技術基盤機構 身・守りハンドブック
- 内閣府 事業継続ガイドライン 令和5年3月
※本記事は公表されている法令および消防庁・消費者庁・製品評価技術基盤機構・内閣府の資料に基づく一般的な解説です。製品ごとの保管方法と廃棄方法は表示や取扱説明書に従ってください。液漏れや変形など異常のある電池は無理に使用せず、製造事業者や自治体の案内をご確認ください。





