火災時、車いす利用者を階段の前まで誘導したあと、どう避難させるか決めていますか。
「階段が使えないならエレベーター」と考えがちですが、一般用エレベーターは火災時の避難手段にできません。
その場で介助方法を考えると、利用者も支援者も煙や混雑へ近づくおそれがあります。
水平避難と一時待避と救出までを建物ごとに決めましょう。
階段を使えない人は、エレベーターで降りてもらえばええんですか?
一般用は使わず、まず安全な区画へ水平避難させます。
非常用エレベーターなら、誰でも操作できますか?
いいえ。
避難誘導用として確認済みの設備と体制がある建物に限ります。
- 一般用エレベーターを火災時の避難に使いません
- 階段を使いにくい人は安全な区画へ水平避難させます
- 利用者情報と支援担当を事前に整理します
- 一時待避場所から救出まで連絡を切らしません
- 避難誘導用エレベーターは確認済みの建物だけで運用します
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目次
火災時に車いす利用者を一般用エレベーターで避難させてよいのか

火災時は停止や煙の流入を想定し、建物で定めた避難経路へ切り替えます。
火元と煙の位置を確認し、車いす利用者を防火戸の先や建物で定めた一時待避場所へ誘導します。
エレベーター前で待たせたままにせず、防災センターや自衛消防隊へ現在地と人数を伝えてください。
階段を人力で下ろす方法は、器具、介助者、訓練がそろわなければ転落につながります。
その場の思いつきではなく、消防計画とBCPに次の引継ぎ先まで記録します。
まず同じ階で安全な場所へ移すんですね。
はい。
火や煙から離れる水平避難を先に行います。
どの利用者と建物設備を対象に確認するのか

けが、高齢、視覚障害、妊娠などで階段避難に時間や支援を要する人も含めます。
従業員は本人の希望と必要な介助を確認し、来訪者が多い施設は受付から防災センターへ情報を渡す流れを決めます。
建物側では、利用階から防火戸を通って移動できる段差の少ない経路、一時待避場所、通話装置を見ます。
さらに、一般用、非常用、避難誘導用の各エレベーターを区別してください。
名簿は個人情報へ配慮しつつ、災害時に必要な担当者がすぐ確認できる方法で管理します。
- 階段避難に支援を要する人
- 本人が希望する支援方法
- 利用する階と通常の居場所
- 火元から離れる水平避難経路
- 一時待避場所と通話装置
- 支援担当者と代行者
- 消防隊へ渡す情報
来訪者は名簿におらんので、受付の連絡も要りますね。
受付から避難担当へ、必要な支援情報を渡しましょう。
一時待避から救出まで何を決めるのか

火煙から離れ、救出まで所在を伝え続けられる建物ごとの場所を選びます。
担当者は一時待避場所の名称、階、人数、必要な介助を防災センターまたは消防隊へ伝えます。
通話装置が使えない場合に備え、携帯電話、無線、伝令などの代替連絡も決めてください。
支援者がその場に残るか、連絡後に別の任務へ移るかも、火災状況と計画に基づきます。
防火戸の閉鎖や一般避難者の通行を妨げないよう、一時待避場所と経路に物品を置きません。
安全な場所へ着いたら、そこで終わりやと思っていました。
現在地を伝え、救出へ引き継ぐまでが一続きです。
非常用エレベーターなら使えると思い込みやすいのはなぜか

消防隊の活動用と、計画的な避難誘導への活用を混同しないでください。
自社建物に非常用エレベーターがあっても、避難誘導用として届出や検査を終えているとは限りません。
標識、操作要員、運転手順、一時待避場所との連携、使えない場合の代替を管理会社へ確認します。
利用者自身や一般従業員が呼び出して乗る計画にはしません。
火災受信機や現場情報から使用可否を判断し、使えない場合は一時待避と消防隊への引継ぎへ切り替えます。
非常用と書いてあれば使えるわけやないんですね。
建物の届出、設備、要員、訓練まで確認して判断します。
明日から車いす利用者の避難訓練をどう始めるのか

本人の意向を聞き、安全な範囲で小さく始めてください。
警報を知らせ、支援担当と代行者が合流し、防火戸を通って一時待避場所まで移動します。
到着後は通話装置や無線で、階、場所、人数、必要な支援を短く報告してください。
移動時間だけでなく、扉の開けにくさ、段差、曲がり角、物品のはみ出しも記録します。
最後に管理会社と結果を共有し、消防計画の避難誘導とBCPの要員確保と代替連絡へ反映しましょう。
- 本人の希望する支援方法を確認する
- 支援担当者と代行者を決める
- 一般用エレベーターを使わないことを共有する
- 水平避難経路を実際に通る
- 一時待避場所から連絡する
- 消防隊へ渡す情報を声に出す
- 記録を消防計画とBCPへ反映する
まず一時待避場所まで、本人と一緒に歩いてみます。
扉や段差も確認できる実地訓練にしましょう。
よくある質問
まとめ
本人と一緒に経路確認して、役割を見直します!
一時待避から救出までを消防計画とBCPへつなぎましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 東京消防庁 避難誘導のポイント 本部隊
- 東京消防庁 高層建築物等における歩行困難者等に係る避難安全対策の概要
- 東京消防庁 高層建築物等における歩行困難者等に係る避難安全対策
- 国土交通省 高齢者 障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準 令和7年度改正版
- 総務省消防庁 外国人来訪者等が利用する施設における災害情報の伝達 避難誘導に関するガイドライン
- 内閣府 事業継続ガイドライン 令和5年3月
- e-Gov法令検索 消防法
- e-Gov法令検索 消防法施行規則
本記事は公表されている法令および公的資料に基づく一般的な解説です。一時待避場所、避難誘導用エレベーター、必要な支援方法は、建物の構造、設備、地域の指導、本人の状態によって異なります。実際の計画は本人、建物管理者、所轄消防署、設計者、保守事業者と確認してください。





