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BCPで社内待機中に古い扇風機を使ってよいのか|経年劣化と異常発熱を防ぐ運用を解説

社内待機場所でえんじ色の上着と黒い長ズボンの作業員が古い扇風機の銘板を確認する様子

地震や大雪で従業員が社内待機するとき、倉庫から出した古い扇風機をそのまま使ってよいのでしょうか。
外見に大きな傷がなくても、長期使用で内部部品や配線が劣化していることがあります。
NITEの集計では、扇風機の事故は過去10年間に約120件あり、約3割が経年劣化に関連する火災でした。
使用年数と異常の有無を確認できない扇風機は使いません
使用前の点検から運転中の監視、終了後の抜栓までをBCPの手順へ落とし込みます。

古くても動けば、社内待機で使ってええんですか?

まず使用年数と異常を確認しましょう。

運転できたら、あとは席を離れても大丈夫ですか?

使用中の監視まで担当者の役割です。

この記事の結論
  • 製造年と設計上の標準使用期間を確認します
  • コードや羽根やガードやモーター部の異常を点検します
  • 安定した場所に置き担当者が使用中を監視します
  • 異音や振動や発熱や焦げ臭さがあれば直ちに使用を中止します
  • 使用後はスイッチを切り抜栓と記録まで行います

社内待機中に古い扇風機の使用年数確認と異常点検と使用中監視と抜栓を行う中央一場面のアイソメ図

社内待機中に古い扇風機を使ってよいのか

施設担当者が古い扇風機の銘板と周囲を確認するアイソメ図
古い扇風機は、製造年や状態を確かめ、異常がないことを確認し、使用中の担当者を決められる場合に限って使用を検討します。
単に羽根が回ることだけで安全とは判断できません。
NITEは、扇風機の事故について過去10年間に約120件の報告があり、約3割が経年劣化に関連する火災だったと公表しています。主な原因として、コンデンサーやモーター巻線の絶縁劣化、軸受の固着、首振り部の内部配線の断線などを挙げています。
使えるかは使用年数と異常の有無と監視体制で決めます
製造年や設計上の標準使用期間を確認し、取扱説明書があれば点検方法も照合します。
スイッチ、電源コード、プラグ、羽根、ガード、台座、モーター周辺に破損や変形がないか見ます。
運転中は担当者が近くにいて、回転の不安定さ、異音、振動、異常な熱、焦げ臭さを確認します。
異常があれば直ちに使用を中止し、発煙や火災があれば周囲へ知らせて通報と避難を優先します。

羽根が回るだけでは判断できないんですね。

年数と状態の確認が出発点です。

どの扇風機と使用場所を対象に確認するのか

担当者が古い扇風機と取扱説明書を照合するアイソメ図
対象は扇風機本体だけではありません。
銘板、取扱説明書、コードとプラグ、コンセント、設置場所、人の動線、監視できる位置まで確認します。
2009年4月以降に製造された扇風機には、長期使用製品安全表示制度に基づく製造年と設計上の標準使用期間などが表示されています。標準使用期間は保証期間ではなく、安全上の目安です。期間を超えた製品や表示を確認できない古い製品は、より慎重に扱います。
銘板の製造年と設計上の標準使用期間を読み取ります
コードに触れると動いたり止まったりする、回転が遅い、首振りが不規則といった兆候があれば使いません。
羽根やガードの割れ、がたつき、ほこりの付着、プラグの変色、コードの傷も確認します。
倒れにくい平らな場所を選び、カーテンや紙類などの可燃物から離します。
避難通路や防火戸の前を避け、異常時にプラグへ安全に手が届く配置にします。
コードを家具で踏む、束ねたまま使う、強く曲げるといった負荷を避けます
  • 銘板の製造年と設計上の標準使用期間
  • 取扱説明書と点検方法
  • 羽根とガードと台座の破損
  • モーター部の異音と異常な熱
  • 電源コードとプラグの傷や変色
  • 安定した設置場所と可燃物との距離
  • 監視位置と避難通路と消火器の位置

本体の表示と置き場所を一緒に見るんですね。

扇風機と周囲を一組で確認しましょう。

使用前から片付けまで何を決めるのか

担当者が社内待機中の扇風機を近くで監視するアイソメ図
運用はスイッチを入れる瞬間だけではありません。
使用前点検、設置、通電、運転中の監視、停止、抜栓、清掃、保管、記録までを一つの手順にします。
内閣府の事業継続ガイドラインは、緊急時の行動を「いつ」「誰が」「何をするか」で時系列に整理し、必要に応じてチェックリストや記入様式を用意する考え方を示しています。
使用開始と終了を確認する担当者を決めます
使用前に銘板、各部の状態、コンセント、設置場所を確認します。
通電後は回転や首振りの状態を見て、異音や振動や焦げ臭さがないか確かめます。
運転中は担当者が長時間その場を離れず、交代する場合は使用状況を引き継ぎます。
使用終了時刻を決め、スイッチを切り、プラグ本体を持って抜きます。
羽根が完全に止まってからほこりを取り、所定の場所へ安全に保管します。
最後に使用時間と異常の有無を記録して引き継ぎます。

スイッチを切った後も手順があるんですね。

停止と抜栓と記録まで含めてください。

異音や焦げ臭さを見落とすとどうなるのか

異常発熱した扇風機の電源を切る担当者のアイソメ図
見落としやすいのは、外から見えないコンデンサーやモーター巻線の絶縁劣化、首振り部の内部配線の損傷です。
止まった羽根を手で回して運転を続けるような使い方は危険です。
NITEは、扇風機が動かない、コードに触れると動作が変わる、回転が遅い、異音や振動がある、首振りが不規則、モーター部が異常に熱い、焦げ臭いといった症状があれば、スイッチを切ってプラグを抜くよう注意喚起しています。
いつもと違う音や動きは使用中止の合図です
軸受が固着してモーターが回らない状態で通電を続けると、異常発熱につながるおそれがあります。
コードや首振り部の内部配線が傷んでいる場合は、火花や出火につながる可能性があります。
安全にできる場合だけスイッチを切り、プラグを持って抜き、周囲から人を離します。
発煙や火災を確認したら、無理に近づかず、周囲へ知らせ、119番通報と避難を優先します。
異常を起こした扇風機は、原因が確認されるまで再使用しません

少し音が変わっただけでも止めるんですね。

はい。
違和感の時点で使用を止めます。

明日から扇風機の運用をどう確認するのか

担当者が扇風機のプラグを抜いて点検表へ記録するアイソメ図
まず使用予定の扇風機を一台だけ出し、銘板の製造年と設計上の標準使用期間を読み取ります。
次に取扱説明書を用意し、本体と電源コードと設置場所を確認してください。
消防法第8条と消防法施行規則第3条は、防火管理者が消防計画に基づき、消火、通報、避難の訓練などを行う枠組みを定めています。内閣府は、BCPやマニュアルの役割分担と手順を確認する訓練、結果を踏まえた是正を示しています。
使用前点検から抜栓と記録まで一度通します
故障や異常を意図的に起こす試験はせず、平常時に担当者が説明書どおりの手順を実行できるか確認します。
訓練では、異音や焦げ臭さを想定し、使用中止、電源遮断、周囲への声かけ、通報、避難を机上で確認します。
結果は消防計画の出火防止と、BCPの暑熱対策を続ける機器使用手順へ反映します。
機器や使用場所を変えたときは、銘板、コード、コンセント、監視位置を再確認してください。
  • 製造年と設計上の標準使用期間を読み取る
  • 取扱説明書と各部の状態を確認する
  • 安定した場所へ設置してコードを保護する
  • 運転開始時の回転と首振りを確認する
  • 使用中の担当者と中止条件を決める
  • スイッチ切断と抜栓を確認する
  • 使用時間と異常の有無を記録する

一台で、点検から片付けまで試します。

その結果を施設の手順へ反映しましょう。

よくある質問

Q古くても正常に回れば使えますか?
A回ることだけでは判断できません。製造年と設計上の標準使用期間、コード、羽根、ガード、異音や発熱を確認し、異常があれば使用しません
Q羽根が回らないままスイッチが入っていたらどうしますか?
A安全にできる場合は直ちにスイッチを切り、プラグを抜きます。通電したまま放置せず、原因が確認されるまで再使用しません
Q運転中に担当者が席を離れてもよいですか?
A社内待機用の手順では監視担当を決め、運転したまま長時間無人にしません。交代する場合は使用状況を引き継ぎます
Q消防計画とBCPには何を書き分けますか?
A消防計画には出火防止、通報、初期消火、避難などを、BCPには使用する扇風機、担当、点検、中止条件、終了確認、記録など社内待機の運用を接続して整理します。

まとめ

製造年と設計上の標準使用期間を確認します。
コードや羽根やガードの損傷を点検します
安定した場所に置きコードへ負荷をかけません。
使用中は担当者が異常を監視します
異音や振動や異常発熱があれば使用を中止します
発煙や火災時は通報と避難を優先します。
スイッチ切断と抜栓と記録までBCPへ反映します。

銘板の確認から順に、一台で試します!

点検と異常時中止と記録をBCPへ落とし込みましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

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監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

※本記事は公表されている法令および製品安全に関する公的資料に基づく一般的な解説です。製造年、設計上の標準使用期間、点検方法、停止、抜栓、清掃方法は製品によって異なります。実際の運用は取扱説明書を確認し、必要に応じてメーカー、電気設備担当者、防火管理者、所轄消防署へご相談ください。

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