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BCPで社内待機中に電気フライヤーを使ってよいのか|地震時の油飛散を防ぐ運用を解説

社内待機場所でえんじ色の上着と黒い長ズボンの作業員が電気フライヤーの設置場所を確認する様子

地震や大雪で従業員が社内待機するとき、卓上の電気フライヤーで温かい食事を用意してよいのでしょうか。
平常時と違い、余震や人の出入りが続く場所では、熱い油の飛散や転倒にも備える必要があります。
東京消防庁の振動実験では、地震時に電気フライヤーから調理油が飛散する危険が確認されています。
使用中に揺れを感じたら機器へ近づかず1m以上離れます
設置、油量、監視、揺れへの対応、冷却後の片付けまでをBCPの手順へ落とし込みます。

社内待機で電気フライヤーを使ってもええんですか?

まず設置場所と油量を確認しましょう。

揺れたら、すぐ電源を切りに行くんですか?

熱い油へ近づかず、自分の安全を優先します。

この記事の結論
  • 取扱説明書どおりの油量と設置条件を守ります
  • 使用中は担当者が離れず加熱状態を監視します
  • 揺れを感じたら1m以上離れて身を守ります
  • 油へ水をかけず通報と避難を優先します
  • 使用後は十分に冷ましてから片付けと記録を行います

社内待機中の電気フライヤーについて設置確認と使用中監視と揺れからの退避と冷却後の片付けを示す中央一場面のアイソメ図

社内待機中に電気フライヤーを使ってよいのか

施設担当者が卓上電気フライヤーの設置場所と取扱説明書を確認するアイソメ図
電気フライヤーは、取扱説明書どおりに設置し、担当者が使用中を監視でき、揺れたときの退避手順まで決められる場合に限って使用を検討します。
温かい食事を用意できる便利さだけで判断してはいけません。
東京消防庁は、卓上型電気フライヤーを振動台で揺らし、調理油の飛散を検証しています。実験では揺れが強くなるにつれて油の飛散範囲が広がり、地震を感じたときは電気フライヤーから1m以上離れる対策を示しています。
使えるかは平常運転と地震時の両方で判断します
安定した台、周囲の可燃物、電源容量、機器の状態、油量、監視担当を確認します。
使用中に揺れた場合は、油が飛散する範囲へ入らず、まず1m以上離れます
揺れが収まり、安全を確認できてから、無理のない範囲で電源を切ります。
油に着火した場合は水をかけず、周囲へ知らせ、119番通報と避難を優先します。

揺れている最中は機器へ近づかないんですね。

はい。
熱い油から離れるのが先です。

どの機器と油と使用場所を対象に確認するのか

担当者が電気フライヤーの型式と油量表示とコンセントを確認するアイソメ図
対象は電気フライヤー本体だけではありません。
型式、リコール情報、油の種類と量、台の安定性、コンセント、周囲の可燃物、人の動線まで一組で確認します。
消費者庁リコール情報サイトには、本体容器の亀裂から油が漏れ、やけどや火災のおそれがあるとして回収対象になった電気フライヤーが掲載されています。使用前に製品名、型式、製造番号を確認し、対象品は使用しません。
型式と容器の状態と指定油量を確認します
容器の亀裂、変形、油漏れ、電源コードの傷、プラグの変色があれば使いません。
取扱説明書が指定する油の種類と上限、下限を守り、水分の多い食材は表面の水気を取り除きます。
水平で丈夫な台に置き、紙類、カーテン、段ボール、備蓄品から離します。
避難通路や防火戸の前を避け、揺れたときに人が1m以上離れられる空間を確保します。
電源タップを使う場合は定格容量を確認し、コードを束ねたまま使う過負荷を避けます
  • 製品名と型式と製造番号
  • リコール対象の有無
  • 油槽の亀裂や変形や油漏れ
  • 取扱説明書が指定する油量
  • 電源コードとプラグとコンセント
  • 水平で丈夫な設置台と周囲の可燃物
  • 1m以上離れられる退避空間

機器だけやなく、周囲の空間も見るんですね。

機器と油と場所を一緒に確認しましょう。

準備から冷却後の片付けまで何を決めるのか

担当者が電気フライヤーを近くで監視しながら温度と周囲を確認するアイソメ図
運用は食材を揚げる時間だけではありません。
設置、油の投入、予熱、調理、停止、冷却、油の処理、清掃、記録までを一つの手順にします。
内閣府の事業継続ガイドラインは、緊急時の行動を「いつ」「誰が」「何をするか」で時系列に整理し、必要に応じてチェックリストや記入様式を用意する考え方を示しています。
通電開始から油が冷えるまで担当者を途切れさせません
使用前に容器、コード、プラグ、油量、設置台を確認します。
予熱中から担当者が近くにいて、温度表示、異臭、煙、油漏れを監視します。
食材は一度に入れ過ぎず、凍った食材や水分の多い食材は取扱説明書に従います。
交代するときは、調理状況、油温、異常の有無を口頭と記録で引き継ぎます。
使用後は電源を切り、安全にできる場合はプラグを抜き、油が十分に冷えるまで触れません。
冷却後に油と本体を処理し、油漏れや異常の有無を記録して保管します。

電源を切っても、すぐ片付けたらアカンのですね。

はい。
十分な冷却までが使用手順です。

揺れたときに電源を切りに近づくと危ないのはなぜか

地震の揺れで電気フライヤーから離れて身を守る施設担当者のアイソメ図
見落としやすいのは、揺れた瞬間に電源を切ろうとして熱い油へ近づく行動です。
油槽が倒れなくても、油面が大きく動けば周囲へ飛散します。
東京消防庁の実験では、卓上型電気フライヤーへ実際の地震波を加えると、最大で機器から約60cmの範囲まで調理油が飛散しました。この結果から、地震を感じた場合は機器から1m以上離れるよう示しています。
揺れている間は電源操作より退避を優先します
機器の近くへ手を伸ばすと、飛散した油でやけどを負うおそれがあります。
揺れで水や飲料が油槽へ入ると、油が激しくはねる危険もあります。
まず1m以上離れ、頭部を守り、避難経路と周囲の安全を確認します。
揺れが収まり、油の飛散や出火がなく、安全に近づける場合だけ電源を停止します。
着火や大量の煙があれば無理に消火へ近づかず、周囲へ知らせ、119番通報と避難を優先してください。

電源を切る善意が、やけどにつながるんですね。

揺れたら、まず1m以上離れてください。

明日から電気フライヤーの運用をどう確認するのか

担当者が電気フライヤーの停止と冷却と点検記録を確認するアイソメ図
まず使用予定の電気フライヤーを一台だけ出し、製品名、型式、製造番号、取扱説明書を照合します。
次に油を入れず、設置場所、退避空間、電源容量、消火器、避難経路を確認してください。
消防法第8条と消防法施行規則第3条は、防火管理者が消防計画に基づき、消火、通報、避難の訓練などを行う枠組みを定めています。内閣府は、BCPやマニュアルの役割分担と手順を確認する訓練、結果を踏まえた是正を示しています。
最初は油を加熱せず机上で手順を通します
リコール確認、容器とコードの点検、設置、担当の交代、停止、冷却後の片付けを読み合わせます。
地震を想定し、合図と同時に全員が機器から1m以上離れられるか確認します。
油や火を使った実地訓練は行わず、通報、初期消火、避難は安全な模擬訓練とします。
結果は消防計画の出火防止と、BCPの食事提供を続ける機器使用手順へ反映します。
  • 製品名と型式と製造番号を記録する
  • リコール対象でないことを確認する
  • 油槽とコードとプラグを点検する
  • 水平な台と1m以上の退避空間を確保する
  • 使用中の担当者と交代方法を決める
  • 揺れたら近づかず退避する手順を確認する
  • 停止と冷却と片付けと記録を通す

まず油を入れず、退避まで試します。

安全な机上と模擬訓練から始めましょう。

よくある質問

Q電気フライヤーなら炎がないので安全ですか?
A炎が見えなくても高温の油と電熱部を使います。油漏れ、過熱、電源コードの異常、地震時の油飛散を想定し、監視と退避を決めてください。
Q揺れたら、すぐプラグを抜きますか?
A揺れている間は油が飛散する危険があるため近づかず、まず1m以上離れます。揺れが収まり、安全を確認できてから停止を検討します。
Q油に火がついたら水をかけてもよいですか?
A水をかけると燃えた油が飛散するおそれがあります。無理に近づかず、周囲へ知らせ、119番通報と避難を優先してください。
Q消防計画とBCPには何を書き分けますか?
A消防計画には出火防止、通報、初期消火、避難などを、BCPには機器の選定、担当、食事提供、停止条件、片付け、記録など社内待機の運用を接続して整理します。

まとめ

型式とリコール情報と油槽の状態を確認します。
取扱説明書が指定する油量を守ります
水平な台と1m以上の退避空間を確保します。
通電中は担当者が加熱状態を監視します
揺れたら機器へ近づかず1m以上離れます
油へ水をかけず通報と避難を優先します。
停止と冷却と片付けと記録までBCPへ反映します。

油を入れない確認から始めます!

監視と退避と冷却をBCPへ落とし込みましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

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監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

※本記事は公表されている法令および製品安全に関する公的資料に基づく一般的な解説です。油量、使用できる食材、設置条件、停止、冷却、清掃方法は製品によって異なります。実際の運用は取扱説明書を確認し、必要に応じてメーカー、電気設備担当者、防火管理者、所轄消防署へご相談ください。

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