BLOG

BCPで災害復旧中に延長コードを避難経路へ通してよいのか|火災と転倒を防ぐ仮設配線を解説

災害復旧中にえんじ色の上着と黒い長ズボンで壁沿いの延長コードを確認する施設管理者の写真

停電や設備故障の復旧中は、投光器や送風機へ電気を送るため延長コードを使うことがあります。最短距離だからと避難経路へ横切らせてもよいのでしょうか。
延長コードは便利ですが、踏みつけや挟み込み、容量超過、束ねたままの使用によって火災や転倒の原因になります。
結論は、避難の歩行線を横切らせず、接続機器と容量を確認し、使用中の巡回から撤去までを管理することです。
仮設配線の責任者と停止条件を消防計画とBCPでつなぎます。

コードを廊下へ通してもええですか?

避難の歩行線を外すのが先です。

保護カバーを付ければ十分ですか?

容量と損傷と経路も確認します。

この記事の結論
  • 延長コードは避難の歩行線を横切らせません。
  • 接続前に機器の消費電力とタップの容量を確認します。
  • 踏みつけや挟み込みと束ねたままの使用を避けます。
  • 始業前と使用中と終了時に発熱や損傷を巡回します。
  • 作業後は抜いて撤去し、消防計画とBCPへ異常を記録します。

仮設電源の機器と容量を確認して避難経路を避けて配線し巡回後に撤去する流れのアイソメ図

災害復旧中に延長コードを避難経路へ通してよいのか

避難階段へ続く廊下を横切る延長コードに気づく施設管理者のアイソメ図
復旧作業に必要でも、延長コードを避難経路の歩行線へ横切らせる配置は避けます。
停電や地震のあとには照明不足、床の段差、搬送物が重なり、平常時よりつまずきやすくなるからです。
消防法施行規則第3条は、消防計画に避難施設の維持管理や案内、工事中の防火管理者等の立会い、火気の使用や取扱いの監督などを定めることとしています。
最短距離よりも、避難に使う人の流れと扉の動きを優先します。
まず別のコンセント、壁沿いの経路、作業区域の変更を検討し、歩行線へコードを出さない方法を選びます。
やむを得ない配置を現場だけで決めず、防火管理者、復旧責任者、電気設備の専門者で確認します。
煙、焦げ臭いにおい、変色、異常な熱、火花があれば、使用を直ちに止めて電源から離す手順を決めます。

短時間でも廊下は避けますか?

人が通る線から外しましょう

どのコードと通路を対象に確認するのか

延長コードと電源タップと接続機器と平面図を並べて確認する施設管理者のアイソメ図
確認するのは延長コードだけではありません。壁のコンセント、電源タップ、コードリール、接続する投光器や送風機までを一つの系統として見ます。
避難口、階段、防火戸、搬送路、台車が通る場所も平面図へ重ねます。
機器の表示と取扱説明書から消費電力を確認し、電源タップやコードリールの定格を超えない組合せにします。
東京消防庁は、テーブルタップの容量を超える接続、コードの踏みつけや挟み込み、束ねた使用による発熱や火災の危険を示しています。
コードの外観がきれいでも、プラグの変形、差し込みの緩み、被覆の傷、途中の接続、熱のこもり方まで確認します。
水がかかる場所や湿った床、熱源の近くでは使用条件が変わるため、機器の仕様を確認できない物は使わないことが安全です。
  • 壁のコンセントと分電盤の系統
  • 延長コードと電源タップの定格
  • 接続する機器の消費電力
  • プラグと被覆と接続部の状態
  • 避難口と階段までの歩行線
  • 防火戸と台車が動く範囲

コードだけ見れば足りますか?

電源から機器まで一続きで見ます。

仮設電源の設置から撤去までどう進めるのか

避難の歩行線を外して壁沿いへ延長コードを固定する施設管理者のアイソメ図
最初に使用目的、接続機器、電源元、配線経路、使用時間、管理者を記録します。
使用前はコードを全て伸ばして外観を確認し、扉や台車で挟まれない経路へ配置します。
壁沿いへ寄せる場合も、防火戸の閉鎖や点検口の開閉を妨げないようにします。保護カバーは段差を減らす補助手段であり、歩行線を横切らせる前提にしません。
接続後は機器を一つずつ動かし、プラグ、タップ、コードリール、途中の接続部に異常な発熱がないか確認します。
作業中に機器や経路を変えたら記録と周知を更新し、終了時は機器を停止してからプラグを抜きます。
撤去後はコードを点検して保管し、焦げ跡や損傷があった物を再使用品へ戻さないよう区分します。
段階確認すること止める条件
接続前容量と経路と外観仕様不明や損傷
起動時接続部の発熱異臭や変色や火花
使用中踏みつけと荷物経路変更や異常
終了時停止後に抜いて点検損傷品は区分

つないだら最後まで触らなくてええですか?

使用中も熱と経路を巡回します。

保護カバーがあれば安全と思いやすいのはなぜか

台車に踏まれた延長コードと束ねたコードを危険として示すアイソメ図
保護カバーを付けると見た目が整い、転倒対策が終わったように感じます。
しかし、容量超過、束ねたコードの蓄熱、プラグの緩み、台車による圧迫まで解消するものではありません。
床面のカバー自体が段差になったり、扉の下へコードを通して被覆が傷んだりすることもあります。人の流れや搬送経路が変われば、設置時に安全だった場所も危険になります。
東京消防庁の火災事例では、床面のコードが長期間踏みつけられて被覆が損傷し、短絡して出火した事例が紹介されています。
保護カバーの有無だけで安全と判断せず、コードへ力が加わらないことと電気的な条件を分けて確認します。
焦げ跡、溶け、変形、異常な熱が一つでもあれば、代替品へ交換するまでその系統を使用しない判断が必要です。
コードを床へ固定する方法や使用できる場所は製品ごとに異なります。屋外、湿潤場所、車両が通る場所、高温部の近くでは、一般用の延長コードや保護カバーをそのまま使えるとは限りません。

カバーがあれば台車も通れますか?

製品の条件と荷重を確認してください。

明日から仮設配線をどう確認するのか

延長コードを撤去しながら点検記録を確認する二人の施設管理者のアイソメ図
最初に、復旧工程表、平面図、消防計画、BCP、使用する機器と延長コードの取扱説明書を集めます。
電源元から機器までを現地で歩き、避難口、階段、防火戸、台車の経路と重ならない線を図面へ書きます。
仮設配線ごとに管理札を作り、接続機器、容量、設置者、開始時刻、終了予定、巡回担当を記録します。
始業前、機器追加時、休憩後、終了時に、発熱、変色、差し込みの緩み、踏みつけ、荷物の接触を確認します。
訓練では停電中の暗さを想定し、避難する人がコードやカバーにつまずかず出口へ進めるかを実際に歩いて確かめます。
異常時の停止と報告先、代替機器、撤去後の点検までを一枚の手順書にまとめます。
  • 接続機器と容量を一覧にする
  • 避難の歩行線を図面へ書く
  • コードの全長と外観を確認する
  • 防火戸と台車の動きを確認する
  • 始業前と使用中の巡回者を決める
  • 異常時の停止と報告先を決める
  • 終了後の撤去と保管を記録する

訓練では何を歩いて確かめますか?

暗い状態の避難経路を歩きます。

よくある質問

Q保護カバーを付ければ避難経路を横切らせられますか?
Aカバーだけでは容量超過や挟み込みを防げません。まず歩行線を外す経路を検討してください。
Qコードリールは巻いたまま使えますか?
A許容できる容量が使用状態で異なる製品があります。取扱説明書を確認し、原則として必要な長さまで伸ばして使います。
Q電源タップをつなぎ足してもよいですか?
A容量超過や接続部の増加につながります。多段接続を避け、必要な電源は電気設備の専門者へ相談します。
Q作業を止めるのはどんなときですか?
A焦げ臭いにおい、変色、異常な熱、火花、被覆の傷、経路の閉塞があれば、直ちに使用を停止します。

まとめ

延長コードは避難の歩行線を横切らせません。
接続前に機器と容量を確認します。
踏みつけや挟み込みと束ねた使用を避けます。
防火戸と台車の動く範囲を確認します。
使用中も発熱と経路を巡回します。
異常時は直ちに使用を停止します。
撤去と異常を消防計画とBCPへ記録します。

電源から機器まで毎回確認します!

避難経路を空けたまま復旧するのが要点です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

※本記事は公表されている法令および消防庁、東京消防庁、内閣府の資料に基づく一般的な解説です。延長コード、電源タップ、コードリール、保護カバーを使用できる場所と容量は、製品、電源設備、接続機器、使用環境、避難経路、復旧作業の内容によって異なります。個別の仮設配線、電源容量、避難経路、消防計画、BCPは、建物所有者、防火管理者、管理会社、電気設備の専門者、消防設備業者、所轄消防署へご相談ください。

BLOGカテゴリ
最新の記事
防火管理者代行サービス
無料1分概算見積
災害復旧中にえんじ色の上着と黒い長ズボンで壁沿いの延長コードを確認する施設管理者の写真
停電や設備故障の復旧中は、投光器や送風機へ電気を送るため延長コードを使うことがあります。最短距離だからと避難経路へ横切らせてもよいのでしょうか。 延長コードは便利ですが、踏みつけや挟み込み、容量超過、束ねたままの使用によ...
リクルート 採用情報はこちら →
採用ページ 一緒に働く仲間を募集中 → フランチャイズ (株)防災屋と一緒に開業する → 協力業者 協力業者さん募集中 →