会社更生や民事再生の開始後も、建物の防火管理は止められません。
ただし、手続の種類と裁判所の命令によって、誰が管理権原者として動くかは変わります。
古い選任届や消防計画をそのままにすると、実態とのずれが生じます。
手続開始の通知を受けたら、まず建物を管理する権限の所在を確認しましょう。
会社が再生手続に入ったと聞きました。
防火管理者も直ちに替えるのでしょうか。
手続名だけでは決まりません。
誰が建物を管理する権限を持つかを見ます。
契約や担当者が変わる途中です。
消防計画の扱いも心配です。
防火管理の空白を作らないことが最優先です。
届出の前に実態を整理しましょう。
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目次
手続開始後も防火管理が止まらないのはなぜか

会社の再建手続は経営上の変化であって、建物にいる人の安全を一時停止する理由にはなりません。
まず建物を管理できる人を途切れさせないことが要点です。
選任済みの人が業務を続けられるか、鍵・設備記録・連絡網を引き継げるかを確認します。
肩書だけでなく、点検、訓練、避難施設の維持管理を動かせる実務上の権限を見ます。
担当者が退職していても。
選任届の名前だけ残ることがあります。
届出と実態がずれたら見直します。
引継ぎ表を一枚作ると確認しやすくなります。
会社更生では誰が管理権原者になりやすいか

会社更生手続では、開始決定があると、更生会社の事業の経営と財産の管理・処分をする権利は原則として管財人に専属します。
会社更生は管財人が起点になります。
したがって、建物管理の判断や防火管理者の選任を誰が決めるかは、管財人の権限を確認して判断します。
ただし、更生計画等で会社の機関に権限が戻る場合もあるため、常に管財人と決めつけないことが重要です。
会社更生なら管財人へ。
まず連絡先を確認するのですね。
はい。
決定書や管財人からの案内で権限の範囲を確認してください。
民事再生では会社が管理を続けるのか

民事再生は、通常は再生債務者が業務と財産を管理しながら再建を進める制度です。
民事再生では会社側の管理が原則です。
一方で、裁判所が管理命令を出した場合には管財人が選任され、管財人が業務と財産の管理を行います。
「民事再生だから従来担当者のまま」とせず、管理命令の有無と社内の委任関係を確認しましょう。
民事再生は一律ではないのですね。
裁判所の命令も見る必要があります。
その通りです。
手続の名称だけで届出先を決めないようにしましょう。
引継ぎで見落としやすい書類はなにか

選任届だけを確認して終えると、実務に必要な情報が抜け落ちます。
書類と現場をセットで引き継ぐことが大切です。
消防計画、消防用設備等の点検報告、防火対象物点検の記録、鍵、緊急連絡網、委託先一覧を確認します。
設備管理を外部委託している場合は、誰がどこまで連絡できるかも整理します。
設備の点検会社にも。
管理者が変わることを伝えます。
連絡先の更新は見落とされがちです。
緊急時につながる番号を優先して確かめましょう。
手続開始を知ったらなにから確認すればよいか

最初に、裁判所の決定や管財人・会社からの通知で、建物管理の権限を持つ窓口を確認します。
決定書を見て、現場の連絡網を更新する順番です。
次に、防火管理者と消防計画が現在の権限関係に合うかを確認します。
判断が難しいときは、所轄消防署へ事情を説明し、届出や計画の扱いを相談してください。
手続開始の文書を確認して。
消防計画と連絡網を見直します。
その順番なら混乱を減らせます。
記録を残して所轄へ相談してください。
よくある質問
まとめ
会社の事情が変わっても。
建物の安全は守ります。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
監修:㈱防災屋
参考・出典
※本記事は公表されている法令に基づく一般的な解説です。個別の権限関係や届出の判断は所轄消防署にご確認ください。





