給油所の地下タンクを新しいものに入れ替える工事には、国の補助制度があります。
ただし補助金の申請には、消防機関が発行する書類が欠かせません。
許可申請書や完成検査済証を紛失していると、そのままでは申請が進みません。
そんなときに使えるのが「地下貯蔵タンク構造及び設置年月日照合願い」という書式です。
給油所の地下タンクを新しくしたいんですが、補助金が使えると聞きました。
はい、経済産業省の補助制度があります。
ただし申請には消防機関の書類が必要です。
古い給油所なので、許可申請書なんて残っていないかもしれません。
その場合でも大丈夫です。
照合してもらう書式が用意されています。
- 地下タンクの入換えや漏えい防止工事には経済産業省の補助制度が使える
- 申請には許可申請書・構造設備明細書・完成検査済証の3点が原則必要
- 書類を紛失していても照合願いで代用できる場合がある
- 照合は所轄消防機関の窓口へ持参して行う。郵送では受け付けられない
- タンクの構造が変わると照合書は失効するので、そのつど最新化が必要
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目次
なぜ給油所の地下タンク工事に国の補助制度があるのか

漏えい事故を防ぐための工事には、国の後押しがあります。
対象になるのは、給油所の地下埋設タンクにまつわる工事です。
古い地下タンクほど腐食による漏えい事故のリスクが高く、早期の対策が望まれています。
そこで経済産業省資源エネルギー庁が、入換えなどの工事費用の一部を助成する事業を行っています。
申請の窓口は経済産業省側ですが、書類の一部に消防機関の関与が必要になります。
うちの給油所も古いので、この補助金が使えるかもしれません。
対象になる工事の範囲を、次で確認しましょう。
どんな工事なら補助の対象になるのか

まずはどんな工事が当てはまるのかを見ていきます。
- 地下埋設タンク等の入換えにかかる工事費用
- 内面ライニング・電気防食システム・精密油面計の設置など漏えい防止対策の工事費用
- 過疎地域での事業者間の統合や集約にともなうタンク・配管の入換えや移転の工事費用
入換えは、老朽化したタンクをそのまま新しいタンクに置き換える工事です。
内面ライニングや電気防食は、既存のタンクを残したまま漏えい防止性能を高める工事です。
精密油面計は、タンク内の油量をわずかな変化まで検知できる計器に取り替える工事です。
自分の工事がどれに当たるかは、施工業者や経済産業省側の窓口にも確認しておくと安心です。
うちはタンクを残したまま、コーティングだけやり直す予定です。
それも対象です。
次は申請に必要な消防機関の書類を見ていきます。
補助金の申請になぜ消防機関の書類が要るのか

なぜ消防機関の書類が求められるのかを確認します。
給油所の地下貯蔵タンクは、設置するときも構造を変えるときも市町村長等の許可が要ります。
許可の申請書には、危険物の規制に関する規則が定める構造及び設備明細書を添えることになっています。
工事が終われば、基準に適合しているかどうかの完成検査を受け、済証が交付されます。
補助金の申請でこの3点の写しが求められるのは、タンクの構造と設置時期を公的に裏づけるためです。
うちは何十年も前の給油所なので、当時の書類は残っていない気がします。
紛失していても方法はあります。
次で説明します。
書類を紛失していたらどうすればよいのか

消防機関に照合してもらう方法が用意されています。
油種や容量、タンクの種類、完成検査済年月日などを自分で書き込み、所轄消防機関に照合を依頼します。
消防機関は、消防法第11条にもとづく許可・検査の記録と内容を照らし合わせ、不備がなければ照合書に記入して返してくれます。
ただし、この照合書はタンクの構造等に変更があると失効するので、そのつど最新の状態で照合を受け直す必要があります。
照合の対象になるのは、あくまで申請している給油所の地下貯蔵タンクだけです。
照合してもらえれば、書類が無くても大丈夫なんですね。
はい。
ただし提出の仕方にも決まりがあるので、次で確認しましょう。
明日から何を確認しておけばよいのか

明日から確認しておきたいことをまとめます。
- 必ず所轄消防機関の窓口へ出向いて提出する。郵送では受け付けられない
- 照合願いは、その回の補助金申請書類の一部としてのみ有効
- タンクごとに油種・容量・完成検査済年月日・板厚などを正確に記入する
- 自社に許可申請書や完成検査済証が残っているか、まず社内の書庫を確認しておく
許可申請書や完成検査済証が見つかれば、照合の手間そのものが要りません。
見つからない場合は、早めに所轄消防機関へ相談し、照合願いの様式を確認しておくと安心です。
経済産業省側の補助金の公募時期にも締切があるため、書類の準備は余裕をもって進めましょう。
つまり、まず自分の書庫を探すのが先なんですね。
そのとおりです。
見つからなければ、早めに消防機関へ相談しましょう。
よくある質問
まとめ
書類が無くても道があるとわかって、安心しました!
手続きに迷ったときは、㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法第11条第1項・第5項(製造所等の許可・完成検査)
- 危険物の規制に関する規則第4条第3項第一号(構造及び設備明細書の添付)
- 「災害時に備えた地域におけるエネルギー供給拠点の整備事業費」及び「離島・SS過疎地等における石油製品の流通合理化支援事業費」に関する経済産業省からの協力依頼について(令和元年6月14日消防危第62号)
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





