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給油所の地下タンク工事の補助金申請になぜ消防機関の書類が要るのか|地下貯蔵タンク構造及び設置年月日照合願いの使い方を解説

給油所の地下タンク工事の補助金申請に必要な消防機関の書類を示す写真

給油所の地下タンクを新しいものに入れ替える工事には、国の補助制度があります。
ただし補助金の申請には、消防機関が発行する書類が欠かせません。
許可申請書や完成検査済証を紛失していると、そのままでは申請が進みません。
そんなときに使えるのが「地下貯蔵タンク構造及び設置年月日照合願い」という書式です。

給油所の地下タンクを新しくしたいんですが、補助金が使えると聞きました。

はい、経済産業省の補助制度があります。
ただし申請には消防機関の書類が必要です。

古い給油所なので、許可申請書なんて残っていないかもしれません。

その場合でも大丈夫です。
照合してもらう書式が用意されています。

この記事の結論
  • 地下タンクの入換えや漏えい防止工事には経済産業省の補助制度が使える
  • 申請には許可申請書・構造設備明細書・完成検査済証の3点が原則必要
  • 書類を紛失していても照合願いで代用できる場合がある
  • 照合は所轄消防機関の窓口へ持参して行う。郵送では受け付けられない
  • タンクの構造が変わると照合書は失効するので、そのつど最新化が必要

地下タンクの書類が無いときの照合の流れを示す図解

なぜ給油所の地下タンク工事に国の補助制度があるのか

給油所の建物と地下に埋設された腐食したタンクの断面イラスト
給油所の地下タンクは、老朽化すると内部から腐食が進みます。
漏えい事故を防ぐための工事には、国の後押しがあります。
地下タンクの流出事故時の被害の大きさに鑑みると、地下タンク等の入換、内面ライニング等の流出事故防止対策は、できるだけ早期に講じられることが望ましい(令和元年6月14日消防危第62号)
国が用意しているのは、あくまで工事費用の一部を補助する制度です。
対象になるのは、給油所の地下埋設タンクにまつわる工事です。
古い地下タンクほど腐食による漏えい事故のリスクが高く、早期の対策が望まれています。
そこで経済産業省資源エネルギー庁が、入換えなどの工事費用の一部を助成する事業を行っています。
申請の窓口は経済産業省側ですが、書類の一部に消防機関の関与が必要になります。

うちの給油所も古いので、この補助金が使えるかもしれません。

対象になる工事の範囲を、次で確認しましょう。

どんな工事なら補助の対象になるのか

地下タンクを新しいタンクに入れ替える工事のイラスト
補助の対象は、大きく分けて三つの工事に整理できます。
まずはどんな工事が当てはまるのかを見ていきます。
  • 地下埋設タンク等の入換えにかかる工事費用
  • 内面ライニング・電気防食システム・精密油面計の設置など漏えい防止対策の工事費用
  • 過疎地域での事業者間の統合や集約にともなうタンク・配管の入換えや移転の工事費用
三つのどれに当てはまるかで、必要になる書類の細かさも変わってきます。
入換えは、老朽化したタンクをそのまま新しいタンクに置き換える工事です。
内面ライニングや電気防食は、既存のタンクを残したまま漏えい防止性能を高める工事です。
精密油面計は、タンク内の油量をわずかな変化まで検知できる計器に取り替える工事です。
自分の工事がどれに当たるかは、施工業者や経済産業省側の窓口にも確認しておくと安心です。

うちはタンクを残したまま、コーティングだけやり直す予定です。

それも対象です。
次は申請に必要な消防機関の書類を見ていきます。

補助金の申請になぜ消防機関の書類が要るのか

許可申請書などの書類が積まれ消防のスタンプが押されたイラスト
経済産業省の補助金ですが、申請書類の一部は消防法にもとづくものです。
なぜ消防機関の書類が求められるのかを確認します。
製造所、貯蔵所又は取扱所を設置しようとする者は、政令で定めるところにより(略)当該各号に定める者の許可を受けなければならない(消防法第11条第1項)
地下タンクの設置や変更そのものが、消防法の許可の対象だからです。
給油所の地下貯蔵タンクは、設置するときも構造を変えるときも市町村長等の許可が要ります。
許可の申請書には、危険物の規制に関する規則が定める構造及び設備明細書を添えることになっています。
工事が終われば、基準に適合しているかどうかの完成検査を受け、済証が交付されます。
補助金の申請でこの3点の写しが求められるのは、タンクの構造と設置時期を公的に裏づけるためです。

うちは何十年も前の給油所なので、当時の書類は残っていない気がします。

紛失していても方法はあります。
次で説明します。

書類を紛失していたらどうすればよいのか

使えない古い書類フォルダと使える照合願いの用紙を見比べるイラスト
書類が残っていなくても、申請をあきらめる必要はありません。
消防機関に照合してもらう方法が用意されています。
当該給油所の地下貯蔵タンクの構造及び設置年月日については、市町村長等が当該給油所の設置・変更に係る許可・検査を行った内容と照合した書類の提出をもって所定の書類の提出に代えることも可能(令和元年6月14日消防危第62号)
使うのは「地下貯蔵タンク構造及び設置年月日照合願い」という書式です。
油種や容量、タンクの種類、完成検査済年月日などを自分で書き込み、所轄消防機関に照合を依頼します。
消防機関は、消防法第11条にもとづく許可・検査の記録と内容を照らし合わせ、不備がなければ照合書に記入して返してくれます。
ただし、この照合書はタンクの構造等に変更があると失効するので、そのつど最新の状態で照合を受け直す必要があります。
照合の対象になるのは、あくまで申請している給油所の地下貯蔵タンクだけです。

照合してもらえれば、書類が無くても大丈夫なんですね。

はい。
ただし提出の仕方にも決まりがあるので、次で確認しましょう。

明日から何を確認しておけばよいのか

給油所の経営者が消防署の窓口へ書類を提出するイラスト
照合願いを使うときは、提出の仕方にも注意点があります。
明日から確認しておきたいことをまとめます。
  • 必ず所轄消防機関の窓口へ出向いて提出する。郵送では受け付けられない
  • 照合願いは、その回の補助金申請書類の一部としてのみ有効
  • タンクごとに油種・容量・完成検査済年月日・板厚などを正確に記入する
  • 自社に許可申請書や完成検査済証が残っているか、まず社内の書庫を確認しておく
照合を依頼する前に、まず手元の書類を探すことが近道です。
許可申請書や完成検査済証が見つかれば、照合の手間そのものが要りません。
見つからない場合は、早めに所轄消防機関へ相談し、照合願いの様式を確認しておくと安心です。
経済産業省側の補助金の公募時期にも締切があるため、書類の準備は余裕をもって進めましょう。

つまり、まず自分の書庫を探すのが先なんですね。

そのとおりです。
見つからなければ、早めに消防機関へ相談しましょう。

よくある質問

Q照合願いの様式はどこでもらえるのか?
A経済産業省の補助金案内や所轄消防機関で確認できます。必要事項を記入したうえで、消防機関の窓口に持参します。
Q郵送で照合を依頼することはできないのか?
Aできません。必ず所轄消防機関の窓口へ出向いて提出することになっています。
Q照合書はいつまで使えるのか?
A対象の地下貯蔵タンクの構造等に変更があった場合など、照合の基礎となる事実に変更があると失効します。
Q照合を受けられるのはどんな給油所なのか?
A災害時に備えた地域におけるエネルギー供給拠点の整備事業費、または離島・SS過疎地等における石油製品の流通合理化支援事業費の補助金の申請対象となる給油所の地下貯蔵タンクが対象です。

まとめ

地下タンクの入換えや漏えい防止工事には、国の補助制度がある
申請には消防機関が関わる書類が必要になる
原則は許可申請書・構造設備明細書・完成検査済証の3点
書類が無くても照合願いで代用できる場合がある
照合は消防法第11条の許可・検査の記録にもとづいて行われる
必ず窓口へ持参する。郵送は不可
タンクの構造が変わると照合書は失効する

書類が無くても道があるとわかって、安心しました!

手続きに迷ったときは、㈱防災屋でもご相談を承っております。

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お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 消防法第11条第1項・第5項(製造所等の許可・完成検査)
  • 危険物の規制に関する規則第4条第3項第一号(構造及び設備明細書の添付)
  • 「災害時に備えた地域におけるエネルギー供給拠点の整備事業費」及び「離島・SS過疎地等における石油製品の流通合理化支援事業費」に関する経済産業省からの協力依頼について(令和元年6月14日消防危第62号)

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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