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住宅用防災警報器はなぜ壁やはりから離して取り付けるのか|天井と壁それぞれの位置基準を解説

住宅用防災警報器はなぜ壁やはりから離して取り付けるのか|天井と壁それぞれの位置基準を解説

天井に付いている白い丸い機械、実は壁やはりのすぐそばに付けてよいものではありません。
これは住宅用防災警報器で、置き場所には消防法にもとづく細かい基準があります。
なんとなく天井の真ん中に付いていれば安心と思われがちですが、条文を読むと理由がわかります。
住宅用防災警報器は壁やはりから〇・六メートル、換気口からは一・五メートル以上離して取り付けることが基準で定められています。

うちは去年新築したんですが、業者さんが天井のはりのすぐ近くに警報器を付けていました。
あれでよかったんでしょうか。

はりからの距離までちゃんと基準で決まっています。
まず全体のルールから確認しましょう。

天井のどこに付けても同じだと思っていました。

天井に付ける場合と壁に付ける場合で、離す距離の基準が違います。
順番に見ていきましょう。

この記事の結論
  • 住宅用防災警報器の設置場所は消防法施行令第5条の7第2項にもとづき市町村条例で定められます
  • 天井に付ける場合は壁やはりから〇・六メートル以上離す
  • 壁に付ける場合は天井から下方〇・一五メートル以上〇・五メートル以内の位置とする
  • 換気口等の空気吹出し口からは一・五メートル以上離して設置します
  • この基準は市町村条例の中身そのものなので、実際の距離は所轄消防署か条例文で確認するのが確実です

住宅用防災警報器の取付け位置の基準をまとめた図解

住宅用防災警報器はなぜ取り付け位置まで決まっているのか

天井の隅で梁の近くに設置された住宅用防災警報器と滞留する煙のイメージ
天井に付いていれば、それだけで火災をすぐ感知できると思われがちです。
実は取り付ける位置によって、煙が届くまでの時間が大きく変わります。
消防法施行令第5条の7第2項 前項に規定するもののほか、住宅用防災機器の設置方法の細目及び点検の方法その他の(略)条例の制定に関する基準については、総務省令で定める。
取り付け位置の細かい基準は総務省令が定めています。
消防法施行令第5条の7第1項は住宅用防災警報器を「有効に感知できるように」設置するとしか定めておらず、具体的な距離などの細目は総務省令に委ねられています。
この総務省令が「住宅用防災機器の設置及び維持に関する条例の制定に関する基準を定める省令」で、各市町村の条例はこの基準にもとづいて作られています。
天井の真ん中に適当に付けるのではなく、壁やはり、換気口からの距離という具体的な数字で判断します。
次からは、天井に付ける場合と壁に付ける場合、それぞれの基準を見ていきます。

条例で決まっているなら、うちの市町村のルールを見ないといけないということですね。

そのとおりです。
ここでは多くの条例のもとになっている基準を確認していきましょう。

天井に付ける場合と壁に付ける場合でどう違うのか

天井の中央付近と壁の上部それぞれに設置した住宅用防災警報器を比較したイメージ
住宅用防災警報器には、天井に付けるタイプと壁に付けるタイプがあります。
それぞれ守らなければならない距離の基準が違います。
住宅用防災機器の設置及び維持に関する条例の制定に関する基準を定める省令(平成16年11月26日総務省令第138号)第7条第2号 住宅用防災警報器は、天井又は壁の屋内に面する部分(天井のない場合にあつては、屋根又は壁の屋内に面する部分。この号において同じ。)の次のいずれかの位置に設けること。イ 壁又ははりから〇・六メートル以上離れた天井の屋内に面する部分 ロ 天井から下方〇・一五メートル以上〇・五メートル以内の位置にある壁の屋内に面する部分
天井と壁では守る距離がまったく違います。
天井に付ける場合は、壁やはりから〇・六メートル以上離れた位置に設けます。
壁に付ける場合は、天井から下方〇・一五メートル以上〇・五メートル以内の範囲に収めます。
火災の煙は天井付近にたまりやすいため、天井から離れすぎた位置に付けると感知が遅れます。
賃貸住宅などで壁付けのタイプを見かけたら、この範囲に収まっているか確認してみてください。

うちは壁に付いているタイプでした。
高さまでは意識したことがなかったです。

天井にぴったり近すぎても、逆に低すぎても基準から外れてしまいます。

換気口の近くに付けてはいけないのはなぜか

はりと換気口の両方から距離をとって設置された住宅用防災警報器のイメージ
はりだけでなく、エアコンの吹き出し口などの換気口にも注意が必要です。
換気口の近くは、火災の煙にとって特に届きにくい場所になります。
住宅用防災機器の設置及び維持に関する条例の制定に関する基準を定める省令第7条第3号 住宅用防災警報器は、換気口等の空気吹出し口から、一・五メートル以上離れた位置に設けること。
換気口の近くは煙が流れてしまいます。
エアコンや換気扇の吹き出し口の近くに付けると、気流で煙が拡散し、感知が遅れるおそれがあります。
そのため換気口等の空気吹出し口からは、一・五メートル以上離すことが基準になっています。
はりからの〇・六メートルと、換気口からの一・五メートルは別々の基準なので、両方を満たす位置を選ぶ必要があります。
部屋の間取り図があれば、はりと換気口の位置を先に書き出しておくと、付け替えの判断がしやすくなります。

エアコンのすぐ横に付いているのを見たことがあります。
あれは基準に合っていないということですか。

一・五メートルより近ければ基準から外れます。
次は見落としやすい点を確認しましょう。

実務で見落としやすいのはどこか

換気口のすぐそばに設置した警報器と十分に離して設置した警報器を比較したイメージ
この基準は「よくある目安」ではなく、条例そのものの中身になっています。
努力目標だと思って後回しにすると、実際の取り付け直しが必要になります。
住宅用防災機器の設置及び維持に関する条例の制定に関する基準を定める省令第7条(柱書・抜粋) 令第5条の7第2項の規定により、(略)住宅用防災警報器の設置及び維持に関し住宅における火災の予防のために必要な事項に係る条例は、次の各号に定めるところにより制定されなければならない。
この基準は条例の設計図そのものです。
「基準を定める省令」という名前から、参考程度の目安だと誤解されることがあります。
実際には多くの市町村が、この省令が示す数字をそのまま条例の条文に取り込んでいます。
つまり〇・六メートルや一・五メートルという数字は、そのまま所轄消防署の条例違反の判断基準になり得ます。
数字だけを覚えるのではなく、最終的には自分の住む市町村の条例そのものを確認しておくと安心です。

てっきり目安の数字だと思っていました。

多くの条例がこの基準をそのまま採用しています。
最後に確認の手順をまとめます。

明日から何を確認すればよいのか

チェックリストとメジャーで住宅用防災警報器の位置を確認するイメージ
最後に、自宅の住宅用防災警報器を確認する手順を整理します。
特別な工具がなくても、メジャー一本あれば十分に確認できます。
  • メジャーで壁やはりまでの距離が〇・六メートル以上あるか測る
  • 壁付けタイプは天井から〇・一五メートル以上〇・五メートル以内の範囲に収まっているか確認する
  • エアコンの吹き出し口や換気扇から一・五メートル以上離れているか確認する
  • 基準に合わない位置にあれば、無理に自分で動かさず所轄消防署か施工業者に相談する

メジャーなら家にもあります。
今日確認してみます。

基準から外れていても、多くは付け直すだけで直せます。
心配なときはご相談ください。

よくある質問

Q賃貸住宅でも取り付け位置の基準は同じですか?
Aはい。住宅用防災警報器の設置基準は所有形態に関係なく、住宅として使われている部分に適用されます。取り付け位置が基準に合っていない場合は、管理会社や貸主に確認するのが確実です。
Q天井が低い部屋では基準はどう考えればよいですか?
A壁に付ける場合の天井から下方〇・一五メートル以上〇・五メートル以内という基準は、天井の高さに関係なく適用されます。天井が低い部屋でも、はりや換気口からの距離を優先して位置を決めてください。
Qはりが複数ある部屋ではどこから測ればよいですか?
A設置しようとする位置に最も近いはりから測ります。複数のはりがある場合は、それぞれのはりとの距離がいずれも〇・六メートル以上になる位置を選ぶ必要があります。
Q基準に合わない位置に付いていたらどうすればよいですか?
Aすぐに違反になるわけではありませんが、火災を感知しにくい状態が続くことになります。施工業者や所轄消防署に相談し、基準を満たす位置への付け替えを検討してください。

まとめ

住宅用防災警報器の取り付け位置は消防法施行令第5条の7第2項にもとづき市町村条例で定められる
実際の距離の基準は「住宅用防災機器の設置及び維持に関する条例の制定に関する基準を定める省令」が示している
天井に付ける場合は壁やはりから〇・六メートル以上離す
壁に付ける場合は天井から下方〇・一五メートル以上〇・五メートル以内の範囲に収める
換気口等の空気吹出し口からは一・五メートル以上離して設置する
この基準は条例の中身そのものであり、単なる目安ではない
自宅の位置が基準に合わなければ施工業者や所轄消防署に相談する

はりと換気口、両方からの距離を確認してみます!

取り付け位置の確認だけでも、火災を早く見つけられる可能性が変わります。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 消防法施行令第5条の7(住宅用防災機器の設置及び維持の基準)
  • 住宅用防災機器の設置及び維持に関する条例の制定に関する基準を定める省令(平成16年11月26日総務省令第138号)第7条
  • 各市町村の火災予防条例(住宅用防災機器の設置及び維持に関する規定)

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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