消火器や住宅用火災警報器も、いつかは壊れます。
壊れ方によっては、その情報が消防庁に集まり、公表されることを知っていますか。
根拠は消費者安全法にもとづく通知の仕組みで、消防機関がその窓口になります。
どこに何を伝えればよいのかを、条文から確認します。
うちの消火器、そろそろ古いんですが、これって不具合になるんでしょうか。
壊れ方次第では、消防庁への報告の対象になることがあります。
報告と言われても、どこに何を伝えればいいのか分かりません。
窓口や対象、公表される中身まで、条文を見ながら順番に確認しましょう。
- 消火器や住宅用火災警報器などの不具合・事故は、消防機関を通じて消防庁に報告される仕組みがあります
- 対象になるのは、不具合が直接の原因で被害が生じたものや、生じるおそれが高いものです
- 消防庁に集まった情報は集約・分析され、結果の公表が義務づけられています
- この報告は定期点検報告とは別の制度で、点検を出していても自動的には伝わりません
- 公表されている情報は、新しく設備を選ぶときの手がかりにもなります
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目次
消防用設備等の不具合はなぜ消防庁に集まるのか

その消防機関が得た情報が、なぜ国の消防庁まで届くのか。
消防本部・消防署・消防団は、いずれも市町村が置く消防機関にあたります。
消火器や住宅用火災警報器の不具合を利用者から相談されるのは、まずこの窓口です。
そこで得た情報は消防庁に集められ、消費者安全法にもとづき国へ通知される仕組みに乗ります。
つまり身近な消防署が、全国の情報を集める最初の受け口になっています。
うちの建物の消防署が、そこまで関わっているとは思いませんでした。
相談を受けるのも消防機関の役目です。
まずは身近な消防署が窓口になります。
どんな不具合や事故が報告の対象になるのか

消火器や住宅用火災警報器など、身近な製品も含まれます。
条文が定めるのは、行政機関や自治体が重大事故等を知ったときに、直ちに国へ通知する義務です。
消防の現場では、消火器・住宅用火災警報器・エアゾール式簡易消火具など、消防用設備等および消防関係製品の不具合・事故が対象になります。
具体的には、不具合が直接の原因で被害が生じたもの、被害が生じるおそれが高いもの、社会的影響が大きいと考えられるものが挙げられています。
被害の大きさや広がりやすさで、対象かどうかが決まると考えておくと分かりやすいです。
うちの消火器が古いだけなのか、それとも不具合なのか、正直分かりません。
判断に迷うときほど、まず消防機関へ相談してください。
対象かどうかはそこで整理してもらえます。
消防庁に届いた情報はその後どう扱われるのか

国のレベルで集められ、外へも発信されています。
消防庁に集まった不具合・事故の情報は、消費者庁とも共有されたうえで集約・分析され、その結果は公表されます。
消防庁のホームページでは、消防関係製品の不具合・事故等の情報がまとめて公開されています。
建物側にとっては、この公表情報が設備を選ぶときや点検を頼むときの手がかりになります。
自分の建物にある製品名や型式を、公表情報と照らし合わせておく価値があります。
公表されている情報って、誰でも見られるものなんですか。
消防庁のホームページで誰でも確認できます。
新しく設備を選ぶ前に一度目を通しておくと安心です。
実務で見落としやすいのはどこか

実はこの二つ、目的も根拠も別のものです。
条文は、他の法律の規定にもとづいてすでに同じ内容を通知・報告することになっている者には、この規定を重ねて適用しないとしています。
つまり消防用設備等の定期点検報告とこの不具合・事故の報告は、根拠となる法律も目的も別の制度だということです。
点検報告をきちんと出しているからといって、不具合・事故の情報が自動的に消防庁へ伝わるわけではありません。
点検で見つかった異常は、点検報告とは別に消防機関へ伝える意識を、防火管理者のあいだで共有しておく必要があります。
点検報告さえ出していれば、それで十分だと思っていました。
点検報告と不具合の報告は別物です。
気になる症状は点検業者にもはっきり伝えてください。
明日からなにを確認すればよいのか

今日からできることを整理しておきます。
- 消火器や住宅用火災警報器を新しく選ぶ前に、消防庁の公表情報を確認する
- 設備の壊れ方に違和感があれば、点検業者や消防機関にそのまま伝える
- 点検報告と不具合・事故の報告は別の制度だと、防火管理者どうしで共有しておく
消防庁のホームページで消防関係製品の不具合・事故情報を確認してから、消火器や住宅用防災警報器を選ぶと、同じ不具合を避けやすくなります。
設備の様子がおかしいと感じたら、点検の順番を待たずに一度消防機関や点検業者に伝えてください。
点検報告と不具合・事故の報告は別の制度だと知っているだけで、建物側の対応がひとつ増えます。
公表情報を見る癖をつければ、選ぶときの安心材料になるんですね。
選ぶ前のひと手間が、安全につながります。
気になる不具合は遠慮なく伝えてください。
よくある質問
まとめ
報告の仕組みと公表情報の見方がよく分かりました。
これからは選ぶ前に確認します!
設備選びも点検も、迷ったらお気軽にご相談ください。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消費者安全法(平成21年法律第50号)第12条・第13条
- 消防組織法(昭和22年法律第226号)第9条
- 消防庁「消防用設備等及び消防関係製品に関する不具合・事故等に係る情報の消防庁への報告について」(平成22年3月31日消防予第156号・消防危第50号)
- 消防庁「消防用設備等及び消防関係製品に関する不具合・事故等に係る情報の消防庁への報告について」(平成27年9月7日消防予第334号・消防危第216号)
- 総務省消防庁「消防関係製品の不具合・事故等について」(消防庁ホームページ公表ページ)
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





