災害用の水や折り畳みベッドを屋上へ運んだところ、黄色い枠と「R」の表示がある場所しか空いていませんでした。
短時間の仮置きなら問題ないのか、どこへ移せばよいのか迷う場面です。
屋上の緊急救助用スペースは、消防防災ヘリコプターによる救助活動を支える場所です。
BCPでは火災と屋上損傷を確認する、対象範囲を特定する、物品と動線を分ける、所轄消防署へ相談するという順番を決めます。
黄色いRの場所へ箱を置いてもええですか?
通常の備蓄場所には使いません。
枠の外なら置けますか?
出入口からの通路と周囲の空間も空けます。
- 緊急救助用スペースは通常の備蓄場所として使いません
- 最初に火災・煙・屋上の損傷を確認します
- 黄色い枠だけでなく屋上出入口からの通路と待避場所も確保します
- 設備追加や他用途への併用は所轄消防署へ事前に相談します
- 点検結果と復旧条件を残しBCPの屋上管理へ反映します
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目次
屋上の緊急救助用スペースへ備蓄品を置いてよいのか

黄色い枠やR表示の内側を通常の備蓄場所として使わないでください。
緊急救助用スペースは、消防防災ヘリコプターがホイスト救助などを行う際の活動場所として設けられます。
災害時は物資を早く運びたい一方、箱や台車を置けば活動面、進入経路、境界灯の見通しを狭めます。
最初に火災、煙、漏油、外壁や手すりの損傷、落下物を確認し、危険があれば屋上へ立ち入りません。
安全を確認できた範囲で物品を枠外へ移す、屋上出入口をふさがない、変更点を写真で残すことが初動です。
短時間でも置かない方がええんですね。
はい。
救助活動の空間として空けます。
どの屋上と表示と救助動線を対象に確認するのか

黄色い枠だけでなく屋上出入口、連絡通路、待避場所、境界灯、連絡装置まで一組で確認します。
図面上の名称が「屋上緊急離着陸場」か「緊急救助用スペース」かも確認します。
- 黄色い境界線とH・Rなどの表示
- 屋上出入口から活動場所までの通路
- 扉の開閉と非常解錠の方法
- 待避場所と転落防止施設
- 境界灯や夜間照明設備
- 連絡装置と屋上の管理番号
- 機械設備や物品による障害
大阪市消防局の設置指導基準では、緊急救助用スペースは原則として長さと幅をそれぞれ10メートル以上とし、黄色の境界線とR標識を表示する例が示されています。
屋上出入口からは原則として段差のない通路で連絡し、扉は内外から非常解錠できる構造とする基準もあります。
ただし、これは大阪市の基準例です。実際は建物所在地の基準を使う、竣工図と届出図を照合する、現場寸法を勝手に決めないことが重要です。
Rの枠だけ見ればええと思ってました。
出入口から救助場所までつなげて見ます。
発見から物品移動と所轄消防署への確認までどう進めるのか

屋上の安全確認、対象範囲の特定、物品移動、設備確認、消防署への共有まで順番を固定します。
強風時や余震中に、重い箱や台車を無理に動かしてはいけません。
- 火災、煙、屋上損傷、強風を確認する
- 竣工図と届出図で対象範囲を特定する
- 枠内と救助動線の物品を数える
- 安全な代替保管場所へ物品を移す
- 扉、通路、待避場所、境界灯を確認する
- 変更や不具合を所轄消防署へ共有する
- 確認結果と再使用条件を記録する
東京消防庁の基準は、屋上へ機械設備などを追加して進入表面等へ突出するおそれがある場合、消防署へ相談するよう示しています。
また、運用停止や廃止には届出を求めています。施設側だけで「当面使わない場所」と扱わないことが大切です。
記録には発見時刻と写真、移動先と担当者、消防署へ確認した内容を残します。
箱を移すだけでは終わらないんですね。
そうです。
設備と届出状態も確認します。
枠の外なら置けると思うと何を見落とすのか

枠外でも出入口、通路、待避場所、照明、連絡装置を妨げる位置には物を置けません。
救助活動は床面の枠だけで完結せず、人が屋上へ出て移動し、待機し、連絡する一連の動きで成り立ちます。
- 開いた扉が通路を狭めている
- 台車が避難階段からの出口をふさいでいる
- 折り畳み設備が強風で移動する
- 境界灯や夜間照明が隠れている
- 待避場所を物資置場にしている
- 屋上設備が救助空間へ突出している
- 連絡装置の前へ箱を積んでいる
「ヘリコプターが着陸しないなら空いていなくてもよい」という理解も避けます。
緊急救助用スペースでは、機体が着陸せずホバリングしながら救助する場面があります。
特に着陸場と救助用スペースを混同しない、平面表示だけで判断しない、一時置きの期限を曖昧にしないことが重要です。
枠の外でも動線なら駄目なんですね。
救助する人の動きで考えます。
明日から屋上の緊急救助用スペースをどう確認するのか

屋上図、平常時写真、禁止範囲、代替保管場所、連絡先を一枚の確認票へまとめます。
内閣府の事業継続ガイドラインが示す、重要資源、代替策、対応手順、教育・訓練、点検と是正の考え方を屋上管理へ落とし込みます。
- 竣工図と消防署への届出図をそろえる
- 救助用スペースと通路を色分けする
- 平常時の屋上写真を定点で残す
- 備蓄品の代替保管場所を決める
- 境界灯と連絡装置を定期確認する
- 設備追加前の相談ルートを決める
- 物品移動から報告まで訓練する
点検日には晴天時だけでなく、扉の開閉、照明、夜間表示、強風時の飛散防止も確認します。
訓練では屋上へ実際に大量の物資を運ばず、写真カードを使って移動先と報告先を判断できます。
訓練後は図面と現場の一致、代替保管場所の容量、所轄消防署の連絡先を更新します。
備蓄場所を先に決めるのが大事ですね。
ええですね。
置かない仕組みまで作りましょう。
よくある質問
まとめ
屋上の緊急救助用スペースは、余っている場所ではありません。備蓄品の置き場を別に決め、消防防災ヘリの救助活動を妨げない状態を保ちます。
屋上と備蓄場所の確認をやってみます!
範囲確認・物品移動・設備確認・消防署への共有を一緒に確認しましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 東京消防庁 屋上緊急離着陸場等の基準策定
- 東京消防庁 予防事務審査・検査基準 屋上緊急離着陸場等
- 大阪市消防局 ヘリコプター屋上緊急離着陸場等設置指導基準細目
- 総務省消防庁 消防防災ヘリコプターの運航に関する基準
- 内閣府 事業継続ガイドライン 令和5年3月
※本記事は東京消防庁、大阪市消防局、総務省消防庁、内閣府の公表資料に基づく一般的な解説です。屋上緊急離着陸場等の設置対象、表示、必要寸法、設備、他用途との併用、維持管理、届出、使用制限は自治体の基準と建物ごとの協議内容で異なります。実際の確認、物品移動、設備変更、運用停止、復旧、業務再開は管理権原者、防火管理者、建築士、設備設計者、所轄消防署へご確認ください。





