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住宅用防災警報器はなぜ検定を受けることになったのか|平成31年3月31日までの経過措置と確認すべき合格の印を解説

住宅用防災警報器はなぜ検定の対象になったのかを示すアイキャッチ

住宅用防災警報器は、平成26年4月1日から検定対象機械器具等に加わりました。
それまでは技術基準に適合していれば足り、国の検定を受ける仕組みはありませんでした。
制度が変わった直後には経過措置もあり、しばらくは古い警報器がそのまま使える期間もありました。
この記事では、いつからなぜ検定が必要になり、今の住宅用防災警報器で何を確認すればよいのかを解説します。

うちの実家の警報器、けっこう古いんです。
これって今も検定品じゃないとまずいんでしょうか。

設置した時期によります。
平成31年3月までに取り付けたものなら、今すぐの交換は不要です。

そうなんですね、安心しました。
次に買い替えるときは何を見ればいいですか。

本体に付いている合格の表示を確認してください。
今は検定マークが無いものは店頭に並びません。

この記事の結論
  • 住宅用防災警報器は平成26年4月1日から検定対象機械器具等に加わりました
  • 検定対象に加わる前は技術基準への適合だけで足り、国の検定を受ける仕組みはありませんでした
  • 令第37条は方式を限定しておらず、定温式連動型も同じ検定対象です
  • 平成31年3月31日までに着工・設置した住宅の警報器は経過措置の対象になります
  • 買い替えるときは、本体に付いた合格の表示を確認します

住宅用防災警報器が自主表示から検定対象に変わった流れと経過措置を示す図解

住宅用防災警報器はなぜ検定を受けることになったのか

住宅用防災警報器と自主表示の印が並ぶイラスト
住宅用防災警報器は平成16年の消防法改正で設置が義務化されました。
それから約10年、機器の品質を確かめる仕組みは検定より緩やかなものにとどまっていました。
「消防法施行令の一部を改正する政令等の公布について」(平成25年3月27日付消防予第120号・消防危第46号・消防庁次長) 検定対象機械器具等のうち、「消防用ホース」、「結合金具」、「漏電火災警報器」を削除(自主表示対象機械器具等に移行)し、新たに「住宅用防災警報器」を追加したこと。(改正令による改正後の消防法施行令(昭和36年政令第37号。以下「令」という。)第37条関係)
消防法施行令第37条 法第21条の2第1項の政令で定める消防の用に供する機械器具等は、次に掲げるもの(略)とする。(略)七 住宅用防災警報器
検定への追加は、品質確認を国の手続きに一本化する改正でした。
消防用ホースなど3品目が検定対象から自主表示対象へ移り、その入れ替わりで住宅用防災警報器が新たに検定対象に加わりました。
住宅用防災警報器はすべての住宅に設置が義務付けられている機器なので、確認の仕組みが緩いままでは釣り合いが取れません。
そこで型式試験型式適合検定という、消火器や感知器と同じ検定の手続きに合わせられました。
この改正は平成26年4月1日に施行されています。

自主表示に近い扱いから検定に変わったのは、そんなに大ごとだったんですね。

施行日は平成26年4月1日です。
それより前に付けたものは、後ほど説明する経過措置の対象になります。

検定の対象になるのはどの住宅用防災警報器なのか

連動型を含むすべての住宅用防災警報器が対象になるイラスト
令第37条は住宅用防災警報器とだけ定めていて、方式を限定していません。
煙式か熱式か、単独型か連動型かを問わず、同じ扱いになります。
「消防法施行令の一部を改正する政令等の運用について(通知)」(平成25年3月27日付消防予第121号) 今般の改正により、消防用ホース、結合金具及び漏電火災警報器が検定対象機械器具等から自主表示対象機械器具等に、住宅用防災警報器が新たに検定対象機械器具等に位置づけられることとなること。
住宅用防災警報器及び住宅用防災報知設備に係る技術上の規格を定める省令第2条 (略)四の二 定温式住宅用防災警報器 一局所の周囲の温度が一定の温度以上になったときに火災警報を発する住宅用防災警報器をいう。四の三 連動型住宅用防災警報器 住宅用防災警報器で、火災の発生を感知した場合に火災の発生した旨の信号を他の住宅用防災警報器に発信する機能及び他の住宅用防災警報器からの火災信号を受信した場合に火災警報を発する機能を有するものをいう。
対象は方式を問わない住宅用防災警報器という区分そのものです。
煙を感知する光電式やイオン化式だけでなく、熱を感知する定温式も、他の警報器と連動する連動型も、すべて同じ検定対象機械器具等として扱われます。
連動型には無線でつながるタイプもあり、火災信号のやり取りに使う無線局にも技術基準が定められました。
方式ごとに検定の要不要が分かれるわけではないので、家に付いているのが煙式か熱式かで判断が変わることはありません。
確認すべきなのは方式ではなく、次に見る改正の中身と、その先の合格の表示の有無です。

うちの警報器は連動型なんですけど、これも同じ扱いなんですか。

連動型でも単独型でも同じ検定対象です。
方式ではなく、器具に付いている表示で確認するのが確実です。

規格省令は具体的に何を新しく求めたのか

定温式住宅用防災警報器の追加と粉塵試験を示すイラスト
検定対象への追加にあわせて、技術上の規格を定める省令そのものにも手が入りました。
機器の定義と試験項目の両方が見直されています。
「消防法施行令の一部を改正する政令等の運用について(通知)」(平成25年3月27日付消防予第121号) 住宅用防災警報器の技術上の規格を定める省令では、煙式のほかに熱式のものが位置づけられたほか、連動式のものも位置づけられたこと。また、連動式で無線を用いるものについては、通信の確実性の確保を考慮し、火災時の非常通報等に用途が限定されている小電力セキュリティシステムの無線局を用いることとしたこと。
住宅用防災警報器及び住宅用防災報知設備に係る技術上の規格を定める省令第5条 住宅用防災警報器は、次の各号に掲げる試験に適合するものでなければならない。(略)六の二 粉塵試験 住宅用防災警報器は、通電状態において、濃度が減光率で30センチメートル当たり20パーセントの日本産業規格Z8901の五種を含む空気に15分間触れた場合、機能に異常を生じないこと
改正で増えたのは、機器の種類と試験の両方です。
それまでの煙式に加えて定温式(熱式)が正式に位置づけられ、複数の警報器が信号をやり取りする連動型の定義も明確になりました。
試験項目にも粉塵試験が加わり、ほこりの多い環境でも誤作動しないかどうかが確かめられるようになっています。
連動型で無線を使うものは、火災時の非常通報用に用途が限定された無線局を使うことも条件になりました。
つまり改正は、対応できる火災の感知方式を広げつつ、その分の性能確認も細かくした内容です。

粉塵試験まであるとは知りませんでした。
台所の近くだと余計に気になります。

台所には定温式が向くこともあります。
次は経過措置の範囲を確認しましょう。

経過措置の範囲を誤解するとどうなるのか

経過措置の対象になる既に設置済みの住宅用防災警報器とカレンダーのイラスト
改正には経過措置が付いていて、施行日をまたいで急に全部が違反になるわけではありません。
ただし、どこまでが経過措置の対象かを取り違えると、必要のない交換を勧めてしまいます。
「消防法施行令の一部を改正する政令等の公布について」(平成25年3月27日付消防予第120号・消防危第46号) 住宅用防災警報器については、平成31年3月31日までの間は、検定を受けることを要しないものとし、法第21条の2第4項(検定対象機械器具等の販売等の制限)の規定は、適用しないこととしたこと。(改正令附則第3条関係)
住宅用防災警報器及び住宅用防災報知設備に係る技術上の規格を定める省令附則第2条(経過措置) この省令の施行の際現に存する住宅(略)又は平成31年3月31日までに新築、増築、改築、移転、修繕若しくは模様替えの工事を開始する住宅における住宅用防災警報器のうち、(略)技術上の規格に適合しないものに係る技術上の規格については、これらの規定にかかわらず、なお従前の例による
経過措置がかかるのは工事の着手時期であって、今の交換の有無ではありません。
平成31年3月31日までに新築や取り付け工事を始めた住宅であれば、検定を受けていない警報器のままでも従前の例でよいとされています。
つまり既に設置済みの警報器を、この改正のためだけに遡って全部交換させる制度ではありません。
一方で、この期日を過ぎてから新しく着工した住宅や、今から新たに購入する警報器には経過措置は及ばず、検定品であることが前提になります。
「古い警報器だから今すぐ違反」と決めつけず、いつ設置したかを起点に考えます。

うちは平成20年ごろに家を建てたので、経過措置の対象になりますか。
今から慌てて交換しなくても大丈夫でしょうか。

その時期なら経過措置の対象で、今すぐの交換義務はありません。
次に買うときは検定品しか店頭にないので、自然に切り替わります。

明日から住宅用防災警報器の何を確認すればよいのか

住宅用防災警報器の表示を虫眼鏡で確認するイラスト
制度の切り替わりを知っていても、実際に自分の家の警報器を見なければ意味がありません。
確認する場所は決まっています。
「消防法施行令の一部を改正する政令等の運用について(通知)」(平成25年3月27日付消防予第121号) 住宅用防災警報器に付される検定の印については、流水検知装置及び一斉開放弁で使用されている表示の様式と同じものとしたこと。また、自主表示対象機械器具等に付される印についても、表示の様式を定めたこと。
消防法第21条の9第1項 協会又は第21条の3第1項の規定による登録を受けた法人は、前条第1項の規定により型式適合検定に合格した検定対象機械器具等に、総務省令で定めるところにより、当該検定対象機械器具等の型式は第21条の4第2項の規定により型式承認を受けたものであり、かつ、当該検定対象機械器具等は前条第1項の規定により型式適合検定に合格したものである旨の表示を付さなければならない
まず見るべきは、警報器本体に付いている合格の表示です。
表示の様式は、流水検知装置や一斉開放弁と同じ検定マークの体裁に揃えられています。
表示が確認できれば、その警報器は型式適合検定を受けた製品だとわかります。
経過措置の対象で表示が無い場合でも、次に交換するときに店頭で選ぶ製品には必ず表示が付いています。
交換の目安になる設置からの経過年数もあわせて確認しておくと安心です。

確認する場所が分かればできそうです。
今度の休みに家の警報器を見てみます。

表示を見てもよく分からなければ、販売店に聞くのが確実です。
よくある質問もあわせてご覧ください。

よくある質問

Q平成31年3月31日より前に設置した警報器は今すぐ交換が必要ですか?
A必要ありません。経過措置の対象になる住宅の警報器は、検定を受けていなくても従前の例によることとされています。ただし次に買い替えるときは検定品を選ぶことになります。
Q連動型の住宅用防災警報器も検定を受ける必要がありますか?
A必要です。令第37条は住宅用防災警報器を方式で区別しておらず、連動型も単独型と同じ検定対象機械器具等に含まれます。
Q検定対象になる前の扱いと何が違いますか?
A型式試験と型式適合検定という国の手続きを経る点が違います。改正前は技術基準に適合していれば足り、第三者による検定はありませんでした。
Q住宅用防災警報器の合格の表示はどこを見ればよいですか?
A警報器本体に付いている検定マークを確認します。様式は流水検知装置や一斉開放弁と同じ体裁に揃えられています。

まとめ

住宅用防災警報器は平成26年4月1日から検定対象機械器具等に加わりました
改正前は技術基準への適合だけで足り、国の検定を受ける仕組みはありませんでした
令第37条は方式を限定しておらず、連動型や定温式も同じ検定対象になります
規格省令の改正で定温式と連動型の定義が明確になり、粉塵試験も加わりました
平成31年3月31日までに着工・設置した住宅の警報器は経過措置の対象になります
経過措置は既存の警報器を遡って交換させる制度ではありません
買い替え時は本体の合格の表示を確認すれば、検定品かどうかが分かります

検定品かどうかを確認するだけで、警報器選びの安心感が変わりますね。
今日、家の警報器を見てみます!

点検や交換のタイミングは住宅ごとに違います。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 「消防法施行令の一部を改正する政令等の公布について」(平成25年3月27日付消防予第120号・消防危第46号・消防庁次長)
  • 「消防法施行令の一部を改正する政令等の運用について(通知)」(平成25年3月27日付消防予第121号・消防庁予防課長)
  • 消防法施行令(昭和36年政令第37号)第37条
  • 消防法(昭和23年法律第186号)第21条の2・第21条の9
  • 住宅用防災警報器及び住宅用防災報知設備に係る技術上の規格を定める省令(平成17年総務省令第11号)第2条・第5条・附則第2条

※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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