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非常用発電設備の換気口を養生で塞いでよいのか 復旧工事中の確認手順を解説

非常用発電設備の換気口を復旧工事の養生で塞がないためのアイキャッチ

地震や風水害の後、発電機室の周囲で復旧工事を始めると、粉じんや雨の吹込みを防ぐために換気口へ養生をかけたくなることがあります。
しかし、非常用発電設備は運転時に空気を取り込み、機関や室内の熱を外へ逃がさなければなりません。
結論からいえば、吸気口や排気口を塞いだまま運転せず、養生を外して換気経路を確認してから復旧します

換気口に養生が
かかっています。

運転前に外してください
空気の通り道を見ます。

少し開いていれば、
大丈夫ですか。

見た目だけでは決めません。
設備全体で確認します。

この記事の結論
  • 養生で換気口を塞いだまま発電設備を運転しない
  • 吸気口から冷却部と排気口まで一続きで確認する
  • 閉塞を見つけたら運転を止めて養生を撤去する
  • 復旧工事の工程へ換気経路の保全担当を入れる
  • 専門業者の確認と試運転記録を残して復旧する

非常用発電設備の換気口閉塞を発見して養生撤去と換気確認と試運転を行う流れ

災害復旧工事中に非常用発電設備の換気口を養生で塞いでよいのか

非常用発電設備の吸気用ルーバーが復旧工事の養生シートで塞がれた様子

換気口を塞いだ状態で運転してはいけません
消防庁の自家発電設備の基準は、設備を設置する場所について、運転に必要な空気量を確保し、内部が著しく高温にならないよう有効な換気を求めています。

復旧工事の養生は、停止中だけのつもりでも、停電で発電設備が自動始動する時間と重なるおそれがあります。吸気不足や放熱不良につながるため、自動始動の可能性を含めて閉塞を解消してください。

雨や粉じん対策が必要なときも、現場判断で開口面積を減らすのではなく、設備の製造元や点検事業者と代替措置を検討します。必要換気量を確認できない養生方法は採用しないことが基本です。

停止中の養生でも、
自動始動を考えるんですね。

そうです。
塞ぐ前に運転条件を確認します。

どの発電設備と換気経路を確認対象にするのか

吸気ルーバーから冷却ファンと非常用発電設備を通って排気口へ抜ける換気経路

発電機本体だけでなく室外から室内と排気側まで確認します
消防用設備の非常電源として設けた自家発電設備では、設置場所、換気装置、排気設備、周囲の保守空間を一組で見ます。

  • 外壁の給気口と排気口にシートや資材がないか
  • ルーバーの羽根や防虫網が変形していないか
  • 機械換気のファンとダクトに損傷がないか
  • 発電機の冷却部と排気管の周囲が確保されているか
  • 扉や点検口を開ける保守空間が残っているか

消防庁の点検要領は、周囲に使用や点検を妨げる物がないこと、外箱や扉、換気口に変形や損傷がないこと、適正に換気できることを確認項目にしています。換気口だけを見て終わらせず周囲の障害物まで確認してください。

消防用設備の電源系統と、業務継続のための負荷が同じ発電設備へ接続されている場合は、設備担当者だけで判断できません。防火管理者、電気主任技術者、点検事業者で、消防用負荷を守る優先順位と運転条件を共有します。

外側のルーバーも、
点検範囲なんですね。

はい。
空気の入口から出口まで見ます。

発見から養生撤去と復旧確認までどう進めるのか

非常用発電設備の換気ルーバー周囲を立入制限して養生を撤去する準備

閉塞を見つけたら始動条件を確認し運転させない状態で養生を撤去します
停電中や設備が既に運転しているときは、近づく前に施設の手順と専門業者の指示に従ってください。

  1. 発電設備の運転状態と自動始動設定を確認する
  2. 防火管理者と設備担当者へ閉塞箇所を連絡する
  3. 換気口周囲を立入制限して養生と資材を撤去する
  4. ルーバー、ファン、ダクト、排気管の損傷を確認する
  5. 必要に応じて製造元や点検事業者へ点検を依頼する
  6. 負荷条件と監視項目を決めて試運転する
  7. 確認者、日時、結果、残る制限を記録する

消防法第17条の3の3に基づく点検報告が必要な設備は、資格や点検要領に沿った確認が必要です。工事担当者だけで「養生を外したから復旧」とせず、設備の状態を判断できる者へ引き継ぐようにします。

試運転では、異音、振動、警報、室温、排気、換気ファンの作動などを、設備の取扱説明書と点検手順に沿って確認します。異常があれば負荷を追加せず運転を止めて原因を確認してください。

養生を外した後も、
試運転が必要ですね。

はい。
設備側の異常も確認します。

一部だけ開いていれば運転できると思うと何を見落とすのか

非常用発電設備の吸気口と冷却ファンと排気口を分担して確認する様子

開口が見えても必要な換気量を確保できるとは限りません
シートが風で吸い付く、ダクト内部が変形する、ファンの電源が失われるなど、外観だけでは分からない閉塞もあります。

  • ルーバーの一部だけを開けて必要換気量を確認しない
  • 吸気口は開いているが排気口を資材で塞いでいる
  • 機械換気ファンの電源や連動を確認していない
  • 室温上昇や警報を監視せず長時間運転する
  • 消防用負荷より業務用負荷を先に接続する

換気能力は設備容量、室の構造、外気条件、ダクト抵抗などで変わります。現場で一律の開口寸法を決めず、設計図書と製造元資料に示された条件で確認してください。

排気管から白煙や異臭が出る、警報が出る、室内が急に高温になるなどの異常があれば、養生だけの問題と決めつけないことが大切です。運転を継続せず専門業者へ原因確認を依頼します。

隙間があるだけでは、
判断できないんですね。

その通りです。
必要量と設備状態で判断します。

明日から発電設備の換気口をどう確認するのか

非常用発電設備の換気経路を確認して試運転結果を記録する様子

平常時の図面と復旧工事の工程表へ換気経路を明記します
災害後に初めて探すのではなく、吸気口、排気口、換気ファン、発電機室、担当者を一枚で追えるようにしてください。

  1. 発電設備と換気口を設備図面へ記入する
  2. 吸気側と排気側を現場で一つずつ対応づける
  3. 換気口の前に物を置かない範囲を床へ表示する
  4. 養生や足場を設置する前の承認者を決める
  5. 自動始動を考慮した作業手順を施工会社へ渡す
  6. 試運転時の監視項目と中止条件を決める
  7. 点検結果を消防計画とBCPの記録へ反映する

消防計画では、設備の維持管理、工事中の防火管理、通報や避難などを具体化します。BCPでは、重要業務の優先順位、代替電源、復旧目標、供給者との連絡を整理し、両方の計画で同じ担当者と連絡先を使える状態にします。

内閣府の事業継続ガイドラインは、重要な事業資源の特定と対策、訓練、見直しを求めています。発電設備の換気経路も重要資源の一部として、工事変更のたびに現場と図面を再照合してください。

換気口も工程表へ、
入れておきます。

ええですね。
養生前に気づけます。

よくある質問

Q点検中だけなら換気口へ養生をかけてもよいですか?
A自動始動や試運転がないことを管理できなければ塞がないでください。やむを得ない養生は、製造元や点検事業者と換気を妨げない方法を決めます。
Q換気口を半分開ければ運転できますか?
A一律には判断できません。設備容量と設計条件に必要な換気量を確認し、吸気側と排気側の両方が確保されているか見ます。
Q養生を外せばすぐ通常運転へ戻せますか?
Aルーバー、ファン、ダクト、排気設備に損傷がないか確認し、設備の手順に沿って試運転と記録を行ってから復旧します。
Q誰へ相談すればよいですか?
A防火管理者、設備管理者、電気主任技術者、製造元、消防設備の点検事業者で確認します。消防用設備の扱いが不明なときは所轄消防署へ相談してください。

まとめ

換気口を塞いだまま非常用発電設備を運転しません
吸気口から排気口まで一続きで確認します
自動始動を考えて養生方法を決めます
閉塞を見つけたら運転状態を確認して撤去します
専門業者の確認と試運転で復旧を判断します
工程変更時も換気経路を再確認します
確認結果を消防計画とBCPの両方へ反映します

非常用発電設備は、停電時に消防用設備を支える重要な設備です。復旧工事の養生が、その空気の通り道を塞がないよう、工事前から設備担当者を交えて確認してください。

換気経路の確保と専門業者による復旧確認を一つの手順にすることが、二次災害を防ぎながら事業を再開する基本です。

吸気と排気の経路を、
図面へ入れます!

養生前の確認が大切です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

※本記事は公表されている法令および公的資料に基づく一般的な解説です。必要な換気量、運転条件、点検資格、復旧方法は設備と建物と被災状況により異なります。個別の判断は所轄消防署、製造元、電気主任技術者、消防設備の点検事業者などへご確認ください。

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