火災通報装置は、ボタンひとつで消防機関へ自動的に通報できる設備です。
手動で起動したときと、自動火災報知設備と連動して起動したときとでは、実は流れる音が違います。
設置工事が完了すると、この通報音や通報が届くまでの時間まで、細かく試験で確かめられます。
今回は火災通報装置の通報信号音と蓄積音声情報の基準、受信完了までの時間について解説します。
火災通報装置のボタンを押すと自動で消防に電話がかかると聞きました。
はい、蓄積音声情報という録音で通報する仕組みなんです。
ボタンを押したときと自動で作動したときは同じ音なのでしょうか。
実は起動の仕方で通報音が変わるんですよ。
順番に見ていきましょう。
- 火災通報装置は手動起動装置の操作または自動火災報知設備との連動で作動します
- 手動起動時の通報信号音は概ね800ヘルツの単音を3音連続したものを2回反復します
- 連動起動時の通報信号音は440ヘルツ以上の単音を2音連続したものに変わります
- 消防機関を呼び出す選択信号は10パルス毎秒または20パルス毎秒のダイヤルパルスか押しボタンダイヤル信号で送出します
- 火災信号の受信完了までの所要時間は20秒以内であることが試験の合否基準です
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目次
火災通報装置はどんな仕組みで消防機関に通報するのか

起動のきっかけは、手動で押すボタンと、自動火災報知設備との連動の2通りがあります。
一つは手動起動装置を人が操作する方法、もう一つは自動火災報知設備の感知器の作動と連動する方法です。
どちらの場合も、電話回線を使って消防機関を呼び出し、あらかじめ録音された蓄積音声情報で通報します。
通報のあとは通話に切り替えることもでき、消防機関側から確認の連絡を受けることもできます。
この起動方法の違いが、実は次に説明する通報音の違いにつながっています。
手動と自動のどちらでも同じ装置が働くんですね。
はい、蓄積音声情報で通報する点は共通です。
手動で起動したときの通報音はどんな音か

この音の高さや回数にまで、基準が細かく決められています。
基本周波数は概ね800ヘルツ、単音を3音連続したものを2回反復するという構成です。
この通報信号音のあとに続く音声情報の内容は、手動起動時は「火災である旨」と防火対象物の所在地・建物名・電話番号です。
一区切りの蓄積音声情報は30秒以内とされ、電子回路で合成した女声で発声されます。
録音済みの音声で確実に同じ情報を伝えられるようにしているということです。
手動のときはあの独特な音なんですね。
その音のあとに音声情報が流れます。
自動火災報知設備と連動するとなぜ違う音になるのか

手動のときと聞き分けられるように、周波数と回数の両方が違う設計です。
基本周波数は440ヘルツ以上で、単音を2音連続したものを2回反復します。
2音目の周波数は1音目のおおむね6分の5に定められており、手動時の単純な3連続音とは明確に音の印象が違います。
音声情報の内容も、連動起動時は「自動火災報知設備が作動した旨」と所在地・建物名・電話番号に変わります。
現場に居合わせた人が、音を聞くだけでどちらの起動だったかを察知できる仕組みだといえます。
自動で鳴ったときは違う音だと今初めて知りました。
周波数と回数が変えてあるので聞き分けられます。
消防機関を呼び出す信号にはどんな送り方の基準があるのか

この信号の送り方にも、電話回線の方式に合わせた基準があります。
ダイヤルパルス方式なら10パルス毎秒または20パルス毎秒、もう一方は押しボタンダイヤル信号です。
古いパルス式の交換機と新しいプッシュ式の交換機のどちらにも対応できるようにしてあるということです。
検査ではこの選択信号を、消防機関側に見立てた試験装置の電話機で実際に受信して確認します。
電話回線の方式まで基準があるとは思いませんでした。
どちらの交換機にも対応できる二つの方式を認めているんです。
通報が届いたことは何秒以内に確かめられるのか

発信機のボタンを押してから受信機に届くまでの流れを、試験でたどります。
火災信号の受信完了までの所要時間は、20秒以内であることとされています。
記録式の受信機では、同じ信号を2回記録するまでの所要時間で判定します。
あわせて、音響装置が正常に作動することもこの試験で確認します。
音の違いを聞き分けるだけでなく、時間を測ることまでが検査の一部になっているということです。
実際に届いたかどうかも試験で確かめるんですね。
はい、20秒以内という時間まで決まっています。
よくある質問
まとめ
音の違いにも時間の基準にもちゃんと理由があったんですね!
試験結果報告書の作成までお手伝いできます。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 火災通報装置の基準(平成8年消防庁告示第1号)第二・第三
- 消防法施行規則第25条第3項第1号
- 消防庁「消防用設備等の試験基準」第14 消防機関へ通報する火災報知設備 イ 機能試験 作動試験
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。設置される装置の型式や設置環境により運用が異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





