屋外消火栓設備は、放水試験のたびに圧力と放水量の両方を数値で確認します。
ピトー管を使った圧力の測り方や、放水量を求める算出式には、それぞれ決まった手順があります。
消火栓箱の置き場所や表示も、施行規則が細かく定めている項目です。
今回は屋外消火栓の放水試験がどんな基準で合否を判定しているのかを解説します。
屋外消火栓の放水試験って、ただ水が出れば合格なんですか?
いえ、放水圧力と放水量を数値で確認する試験なんですよ。
消火栓箱の置き場所にも基準があるんですね。
はい、歩行距離や表示まで決められています。
順番に見ていきましょう。
- 放水圧力は0.25メガパスカル以上0.6メガパスカル以下であることを確認します
- 放水量はQ=0.653D2√10Pの式で算定し350リットル毎分以上を確認します
- 加圧送水装置には放水圧力が0.6メガパスカルを超えないための措置を講じます
- 屋外消火栓箱は歩行距離5メートル以内の箇所に設けます
- 屋外消火栓箱と消火栓にはそれぞれ定められた表示を行います
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目次
屋外消火栓の放水試験ではどこで圧力を測定するのか

測る位置と向きにも決まった手順があります。
測定はノズル先端から口径の2分の1離れた位置にピトー管を当てて行います。
ピトー管で測れないものや噴霧ノズルの場合は、結合金具とノズルの間に圧力計を取り付けて測ります。
あわせてホース等からの著しい漏水がないことも確認します。
ピトー管を当てる位置まで決まっているんですね。
はい、測る位置がずれると数値も変わります。
次は放水量の求め方です。
放水量はなぜ算出式で確認するのか

測った圧力とノズルの口径を、決まった式に当てはめるだけです。
式に使うD(ノズル径)とP(放水圧力)は、どちらも現場で測れる値です。
放水量を直接はかる特別な器具がなくても、圧力さえ測れば式で求められる仕組みです。
この0.653という係数は、屋内消火栓の1号消火栓と同じ数値ですが、必要な放水量の下限は屋外消火栓のほうが大きく設定されています。
放水量は直接はからないんですか。
はい、圧力から式で計算します。
次は圧力の上限を守る仕組みです。
減圧のための措置はなぜ必要なのか

上限を超えないように、加圧送水装置そのものに措置を講じます。
圧力が高すぎると、ホースの反動が強くなり操作している人が扱いにくくなります。
点検でもこの措置がきちんと働いているかを、加圧送水装置の直近と最も遠い消火栓の両方で確認します。
どちらの消火栓でも0.25メガパスカル以上0.6メガパスカル以下に収まっていることを見るわけです。
近い消火栓と遠い消火栓の両方を見るんですね。
はい、距離による圧力差も確認できます。
次は消火栓箱の置き場所です。
屋外消火栓箱はなぜ歩行距離5メートル以内に置かれるのか

ただし建物の壁を使う置き方には例外があります。
これは直線距離ではなく、実際に歩いて到達できる距離で測ります。
屋外消火栓に面する建築物の外壁の見やすい箇所に設けるときは、この5メートルの制限を受けません。
放水の器具を取り出してすぐ操作に移れるよう、近さを確保する趣旨です。
外壁に付けるタイプなら5メートルに縛られないんですね。
はい、見やすい箇所であることが条件です。
最後は表示について見てみましょう。
屋外消火栓箱と消火栓にはどんな表示が必要なのか

どちらも見やすい場所に、消えないように付けるのが条件です。
箱の表面に書く「ホース格納箱」と、消火栓そばの「消火栓」の標識は別々のものです。
どちらも汚れや色あせで読めなくなっていないかを、点検のたびに確認します。
とっさのときに迷わず器具を取り出せるようにする、シンプルだが欠かせない決まりです。
箱と消火栓、それぞれ別の表示があるとは知りませんでした。
はい、表示の消え・汚れも点検項目です。
これで放水試験の流れがひととおりつながりましたね。
よくある質問
まとめ
数値で決まっていると聞くと、安心して任せられます。
放水試験の実施までお手伝いできます。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法施行規則第22条(屋外消火栓設備に関する基準の細目)
- 消防用設備等の点検要領「第9屋外消火栓設備」(平成14年6月11日消防予第172号、令和6年一部改正)
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。運用は所轄消防署ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





