指定認定機関は、国土交通大臣に代わって型式適合認定などを行う機関です。
ただし、認定等を行ったあとは、その内容を国土交通大臣に報告し、業務の記録も残さなければなりません。
さらに、国土交通大臣が業務を監督する仕組みも、法律に書かれています。
今回は建築基準法第77条の46から第77条の49までを中心に、報告、型式適合認定の効力、帳簿の備付け、監督命令、立入検査、防火管理者が押さえておきたい点をあわせて解説します。
指定認定機関が認定等を行ったら、それで手続は終わりなのでしょうか。
あとから国土交通大臣に確認されることはないのですか。
認定等を行ったときは、国土交通大臣への報告が必要です。
建築基準法第77条の46が定めています。
では、報告のあとはどうなるのでしょうか。
記録や監督のルールも気になります。
効力の喪失、帳簿、監督命令、立入検査まで定められています。
順番に条文を見ていきましょう。
- 第77条の46第1項は、指定認定機関が認定等を行ったときは、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣に報告しなければならないと定めています。
- 報告を受けた国土交通大臣が、型式適合認定を受けた型式が一定の規定に適合しないと認めるときは、その旨を通知し、その型式適合認定は効力を失います(第2項)。
- 指定認定機関は、認定等の業務に関する事項を記載した帳簿を備え付けて保存し、そのほかの書類も保存しなければなりません(第77条の47)。
- 国土交通大臣は、認定等の業務の公正かつ適確な実施を確保するため必要があると認めるときは、監督上必要な命令をすることができます(第77条の48)。
- 国土交通大臣は、必要な報告を求め、職員に事務所への立入検査をさせることもできます(第77条の49)。
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目次
指定認定機関が認定等を行ったときはなぜ国土交通大臣に報告しなければならないのか

「認定等」は、型式適合認定や認証など、第68条の24第1項に挙げられた手続のことです。
報告の方法は、国土交通省令で定められています。
指定認定機関が行った認定等は、機関の中だけで完結せず、国土交通大臣に伝えられる仕組みになっています。
認定等を行ったら、報告するのですね。
報告の方法は、条文には書かれていないのですか。
報告の方法は省令に任されています。
次の見出しで、報告を受けた大臣の判断を確認します。
報告を受けた国土交通大臣が適合しないと認めた型式適合認定はなぜ効力を失うのか

通知の相手は、当該型式適合認定を受けた者と、当該型式適合認定を行った指定認定機関の両方です。
対象は、指定認定機関が行った型式適合認定で、条文は認証や認証の更新には触れていません。
適合しないかどうかを判断するのは、国土交通大臣です。 この場合、当該型式適合認定は、その効力を失うと定められています
効力を失うのは、通知の規定が適用された場合の型式適合認定です。
認定が取り消されるのではなく、条文の書き方は「効力を失う」となっています。
指定認定機関が出した認定でも、あとから効力を失うことがあるのですね。
判断するのは、どこなのですか。
国土交通大臣が、規定に適合しないと認めたときです。
次は、業務の記録に関する決まりを確認します。
指定認定機関は認定等の業務に関する帳簿をなぜ備え付けて保存しなければならないのか

第1項と第2項を確認しましょう。
(建築基準法第七十七条の四十七第二項)前項に定めるもののほか、指定認定機関は、国土交通省令で定めるところにより、認定等の業務に関する書類で国土交通省令で定めるものを保存しなければならない。
何を記載するかは、国土交通省令で定められています。
帳簿は、備え付けるだけでなく、保存することまで求められています。 第2項は、帳簿のほかにも、国土交通省令で定める書類を保存しなければならないと定めています
第1項の「帳簿」と、第2項の「書類」は別のものとして書かれています。
保存する書類の内容も、条文ではなく国土交通省令に委ねられています。
帳簿と書類は、別に保存するのですね。
保存する期間は書かれているのでしょうか。
この条文には、期間は書かれていません。
省令の定めを確認する必要があります。
次は、国土交通大臣の監督を確認します。
国土交通大臣は指定認定機関にどのような命令や立入検査をすることができるのか

まず、第77条の48からです。
命令できるのは、必要があると国土交通大臣が認めるときです。
命令の対象は、認定等の業務に関することです。 続いて、第77条の49を確認しましょう。
(建築基準法第七十七条の四十九第二項)第十五条の二第二項及び第三項の規定は、前項の場合について準用する。
立入検査の場所は、指定認定機関の事務所です。
検査できるものは、認定等の業務の状況、設備、帳簿、書類その他の物件です。
第77条の47の帳簿や書類は、この検査の対象にもなります。 第2項は、第15条の2第2項と第3項の規定を準用すると定めています
第15条の2第2項は、立入検査をする職員が、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならないと定めています。
第15条の2第3項は、立入検査の権限が犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならないと定めています。
大臣は、命令だけでなく検査もできるのですね。
検査の職員には、決まりはあるのですか。
身分証明書を携帯し、関係者に提示する決まりがあります。
最後に、整理表で全体を確認しましょう。
認定等の報告と帳簿と監督の規定を防火管理の現場ではどのように受け止めればよいのか

分けて読むと、混乱しにくくなります。
| 項目 | 条文の書き方 | 押さえる点 |
|---|---|---|
| 報告 | 認定等を行ったときは国土交通大臣に報告(第77条の46第1項) | 認定等は報告される仕組みです |
| 効力の喪失 | 適合しないと認めた型式適合認定は通知され、効力を失う(第2項) | 判断するのは国土交通大臣です |
| 帳簿と書類 | 帳簿を備え付けて保存し、書類も保存(第77条の47) | 内容は省令で定められます |
| 監督命令 | 必要があると認めるときは監督上必要な命令(第77条の48) | 認定等の業務の公正かつ適確な実施のためです |
| 報告と立入検査 | 報告を求め、事務所に立ち入り検査や質問ができる(第77条の49) | 身分証明書の提示が必要です |
この規定は、防火管理者の義務を直接決めるものではありません。
ただし、防火設備や耐火構造などの認定に関する書類を受け取ったときは、その認定が今も有効かどうかを、施工業者に尋ねておくと、改修や交換の相談が進めやすくなります。
建築基準法の手続が整っていても、消防法令の設置や維持の基準は別に確かめる必要があります。
明日から、次の点を確認してください。
- 建物の防火設備や耐火構造の認定書類が、どの機関の発行かを施工業者に尋ねて控えておく。
- 書類の名称、日付、番号を、施工業者から書面でもらって保管する。
- 認定書類の内容に変更や通知がないかを、改修の前に施工業者に確認する。
- 認定や認証の内容に疑問があるときは、建築の窓口と施工業者に速やかに相談する。
- 建築の話と消防の話は別の制度なので、両方の窓口へ確かめる。
建築の窓口と所轄消防署に、それぞれ確かめておきましょう。
報告や監督の仕組みは分かりました。
現場では、何から確かめればよいですか。
認定や認証の書類が今も有効かを、施工業者に確認しておきましょう。
消防の基準は、別に確かめます。
よくある質問
まとめ
報告や帳簿、監督の仕組みがよく分かりました。
認定書類の有効性を、施工業者に確認します!
建築の認定と消防の基準は別なので、両方を確かめておくと安心です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 建築基準法第七十七条の四十六・第七十七条の四十七・第七十七条の四十八・第七十七条の四十九・第十五条の二・第六十八条の二十四(e-Gov法令検索)
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。報告や帳簿の記載事項の細部は機関と建築の窓口ごとに確認が必要な場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





