建築基準法には、規格化された建築材料や建築物の部分について、製造者を国土交通大臣が認証する仕組みがあります。
建築材料や部材は輸入されることも多く、外国の工場で製造される型式部材等についても、同じ考え方の認証が用意されています。
それを定めているのが、第68条の22と第68条の23です。
今回は建築基準法第68条の22と第68条の23を中心に、外国製造者の認証、国内の規定の準用、取消しの場合、防火管理者が押さえておきたい点をあわせて解説します。
型式部材等の製造者の認証は、国内の製造者だけの制度ですか。
外国の工場で作られる部材はどうなりますか。
外国の製造者にも認証の制度があります。
建築基準法第68条の22が定めています。
取消しの決まりも、国内の製造者と同じですか。
何か違いがあるのでしょうか。
多くは同じですが、外国製造者に特有の点もあります。
順番に条文を見ていきましょう。
- 第68条の22第1項は、外国において本邦に輸出される型式部材等の製造をする者を、国土交通大臣が申請により外国製造者として認証すると定めています。
- 国内の認証に関する規定の多くは、第2項により外国製造者にも準用されます。
- 第68条の23第1項は、欠格事由に該当するに至ったときと型式適合認定が取り消されたときに、認証を必ず取り消すと定めています。
- 第2項は、取り消すことができる場合を国内の三つに対して六つ定めており、報告や検査への非協力、費用の不負担も含まれます。
- 取り消したときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公示しなければなりません(第3項)。
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目次
外国で製造される型式部材等の製造者にも認証の制度があるのはなぜか

(建築基準法第六十八条の二十二第一項)国土交通大臣は、申請により、外国において本邦に輸出される型式部材等の製造をする者について、当該型式部材等の外国製造者としての認証を行う。
認証を行うのは、国内の場合と同じく、国土交通大臣です。
対象は、外国において、本邦に輸出される型式部材等の製造をする者です。
国内の製造者の認証と違い、条文は、外国で製造して日本へ輸出する場面に絞って書かれています。
認証を受けた者は、第2項で「認証外国型式部材等製造者」と定義されています。
外国の工場の製造者も、国土交通大臣から認証を受けられるのですね。
対象は日本へ輸出するものに限られるのですか。
条文は「本邦に輸出される型式部材等」と書いています。
次の見出しで、国内の規定との関係を確認します。
国内の認証の規定は外国製造者にどのように当てはめられるのか

まず、第2項を確認しましょう。
認証そのものには、第68条の11第2項・第3項(申請書の提出、認証の公示)と第68条の12から第68条の14まで(欠格条項、認証の基準、認証の更新)が準用されます。
認証を受けた者には、第68条の15から第68条の19まで(承継、廃止の届出、変更の届出、型式適合義務等、表示等)が準用されます。
認証を受けた者が製造をする型式部材等には、第68条の20(確認と検査の特例)が準用されます。 認証には有効期間もあります。
国内の認証を定める第68条の14第1項を確認しましょう。
更新の期間は、五年以上十年以内で政令が定める期間です。
更新を受けなければ、その期間の経過によって、認証は効力を失います。 準用のときは、文言の読替えも定められています。
国内の規定のうち、第68条の19第2項を確認しましょう。
国内では、紛らわしい表示を付けてはならない相手が「何人も」です。
外国製造者については、その範囲が認証外国型式部材等製造者に置き換わります。
対象になる建築材料も、日本へ輸出されるものに限られます。
国内の規定がほとんど使えるのですね。
読替えがあるのは表示の規定だけですか。
第2項が明記している読替えは、その一か所です。
それ以外は、国内の規定をそのまま当てはめます。
外国製造者の認証を必ず取り消さなければならないのはどのような場合か

まず、第1項を確認しましょう。
一 前条第二項において準用する第六十八条の十二第一号又は第三号に該当するに至つたとき。
二 当該認証に係る型式適合認定が取り消されたとき。
条文の言い方は「取り消さなければならない」で、国土交通大臣に選ぶ余地はありません。
第1号が引いているのは、前条第2項で準用する第68条の12の第1号(建築基準法令により刑に処せられ、一定の期間を経過しない者)と第3号(役員のうちにそのような者がある法人)です。
第2号は、その認証に係る型式適合認定が取り消されたときです。
国内の第68条の21第1項と同じ骨組みで、引用先が外国製造者の条文に置き換わっています。
必ず取り消す場合は、国内の製造者と同じ二つなのですね。
違いが出るのは次の項でしょうか。
その通りです。
取り消すことができる場合には、外国製造者に特有の号があります。
外国製造者の認証を取り消すことができるのはどのような場合か

まず、第2項を確認しましょう。
一 前条第二項において準用する第六十八条の十六、第六十八条の十八又は第六十八条の十九第二項の規定に違反したとき。
二 認証に係る型式部材等の製造設備、検査設備、検査方法、品質管理方法その他品質保持に必要な技術的生産条件が、前条第二項において準用する第六十八条の十三第二号の国土交通省令で定める技術的基準に適合していないと認めるとき。
三 不正な手段により認証を受けたとき。
四 第十五条の二第一項の規定による報告若しくは物件の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは虚偽の物件の提出をしたとき。
五 第十五条の二第一項の規定による検査若しくは試験を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。
六 第四項の規定による費用の負担をしないとき。
条文の言い方は「取り消すことができる」で、取り消すかどうかを国土交通大臣が事案に応じて判断する書き方です。
第1号から第3号は、規定への違反、技術的生産条件の基準不適合、不正な手段による認証で、国内の第68条の21第2項と同じ内容です。
第4号から第6号が、外国製造者に特有の事由です。
第4号は第15条の2第1項の報告や物件の提出をしないか虚偽のとき、第5号は同項の検査や試験を拒んだり質問に答えなかったりしたとき、第6号は第4項の費用を負担しないときです。 第3項と第4項も、あわせて確認しましょう。
(建築基準法第六十八条の二十三第四項)第十五条の二第一項の規定による検査又は試験に要する費用(政令で定めるものに限る。)は、当該検査又は試験を受ける認証外国型式部材等製造者の負担とする。
検査や試験に要する費用を、それを受ける製造者の側に負担させる規定です。
取り消したときは、国内の場合と同じく、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公示しなければなりません(第3項)。 再び認証を受けられない期間も、国内の規定と共通です。
第68条の12第2号を確認しましょう。
国内の第68条の21による取消しと、外国製造者の第68条の23による取消しは、同じ号にまとめて書かれています。
どちらの認証を取り消された場合でも、2年間は認証を受けられません。
外国製造者だけ、検査の費用まで負担するのですね。
費用を負担しないと取消しの対象になるのですか。
第6号がそのように定めています。
費用は、政令で定める検査や試験の費用に限られます。
外国製造者の認証の規定を防火管理の現場ではどのように受け止めればよいのか

分けて読むと、混乱しにくくなります。
| 項目 | 条文の書き方 | 押さえる点 |
|---|---|---|
| 認証の対象 | 外国において本邦に輸出される型式部材等の製造をする者(第68条の22第1項) | 認証を行うのは国土交通大臣です |
| 国内の規定の準用 | 第68条の11第2項・第3項、第68条の12から第68条の20までを準用(第2項) | 読替えは第68条の19第2項です |
| 必ず取り消す場合 | 欠格事由に該当するに至ったとき、型式適合認定が取り消されたとき(第68条の23第1項) | 国土交通大臣は取り消さなければならない |
| 取り消すことができる場合 | 違反、技術的生産条件の不適合、不正な手段、報告や検査への非協力、費用の不負担(第2項) | 国内の三つに対して六つです |
| 公示と再認証の制限 | 取り消したときは公示する(第3項)。取消しの日から2年を経過しない者は認証を受けられない(第68条の12第2号) | 期間は2年です |
外国製造者の認証は、防火管理者の義務を直接決めるものではありません。
ただし、輸入された防火設備や建築部材が、認証を受けた製造者の製品かどうかを、施工業者に尋ねておくと、改修や交換の相談が進めやすくなります。
建築基準法の手続が整っていても、消防法令の設置や維持の基準は別に確かめる必要があります。
明日から、次の点を確認してください。
- 建物の防火設備などが、輸入品かどうかを施工業者に尋ねて控えておく。
- 輸入品のときは、製造者が認証を受けているかを施工業者に確認する。
- 製造者から認証に関する連絡があったときは、内容と日付を記録しておく。
- 認証が取り消されたと分かったときは、建築の窓口と施工業者に速やかに相談する。
- 建築の話と消防の話は別の制度なので、両方の窓口へ確かめる。
建築の窓口と所轄消防署に、それぞれ確かめておきましょう。
外国製造者の認証の仕組みは分かりました。
現場では、何から確かめればよいですか。
輸入された部材や設備の製造者について、認証の状況を施工業者に確認しておきましょう。
消防の基準は、別に確かめます。
よくある質問
まとめ
外国製造者の認証の仕組みがよく分かりました。
輸入品の認証の状況を、施工業者に確認します!
建築の認証と消防の基準は別なので、両方を確かめておくと安心です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 建築基準法第十五条の二・第六十八条の十一・第六十八条の十二・第六十八条の十三・第六十八条の十四・第六十八条の十五・第六十八条の十六・第六十八条の十七・第六十八条の十八・第六十八条の十九・第六十八条の二十・第六十八条の二十二・第六十八条の二十三(e-Gov法令検索)
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。認証の状況や運用の細部は製造者と建築の窓口ごとに確認が必要な場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





